見出し画像

やる気が出ない!!脱けだすヒントは

やる気が出ないと、自分のことを怠惰な人間だと感じて落ち込んでしまうかもしれませんが、実は人間はそもそもやる気が出ないようにできている生き物です。
「テストが近いのに勉強する気になれない」「仕事を終わらせなければならないのに手が付けられない」「部屋が汚いのになかなか片付けや掃除に取り掛かれない」など、やらなければいけないと頭ではわかっているのに、なぜかやる気がどんどん失せてしまうこともあります。
では、どうしてなかなかやる気が出ないのでしょうか。やる気が出ないときは、どのように対処していくのがいいのでしょうか。

やる気が出ない原因は

やる気が出ない理由としては、主に以下のようなことが挙げられます。
 
ストレス
不規則な生活習慣
疲労の蓄積
生理前や妊娠中
心身の病気
それぞれの理由について、詳しく説明します。
 
ストレス
ストレスを抱えていると、自律神経失調の状態に陥ることがあります。自律神経は体のバランスを整える役割を担っているので、自律神経のバランスが乱れると体にさまざまな不調が生じる可能性があります。
 
やる気が出ないという症状も、自律神経のバランスが乱れた際に見られる症状の一つなので、ストレスが原因で気持ちが落ち込んでしまうということは十分考えられるでしょう。
 
不規則な生活習慣
不規則な生活習慣も、自律神経のバランスに影響を及ぼす要素の一つです。
 
生活習慣が不規則になってしまう原因としては、夜更かしや夜型の生活、シフト制の仕事で入眠・起床の時間が定期的に変わるといったことなどが、主に挙げられます。
 
生活習慣が不規則になるとやる気が出ないほか、頭痛やめまいといった症状が出ることもあります。
 
疲労の蓄積
運動をすると自律神経が活発に働きますが、一定以上の運動を行うと自律神経が「これ以上運動するな」と命令を発することで、疲労を感じるようになります。
 
仕事でもデスクワークの場合、集中力や緊張感が高まることで交感神経が優位になり、自律神経に負担がかかって疲労を感じます。その結果、やる気が出なかったり無気力な状態になってしまったり、といったことが考えられるでしょう。
 
生理前や妊娠中
生理前には、PMS(月経前症候群)と呼ばれる症状が出る方が多いです。
 
PMSの原因はハッキリしていませんが、ホルモンバランスが関係していると考えられており、やる気が出ないという症状はPMS時によく見られる症状のひとつです。
 
また、妊娠時もさまざまな要因でストレスを感じやすく、結果的にやる気が出ない状態に陥ってしまうことがあります。
 
心身の病気
病気がやる気に影響を及ぼすということも考えられます。
 
例えば、身体的な病気や疾患が原因で思ったとおりの生活ができないと、それがストレスになってやる気が出ない状態に陥ってしまうでしょう。
 
また、身体的なものだけではなく、不眠症や適応障害といった精神的な病気が、やる気が出ない原因になることもありえます。

やる気が出ない時の解消法

食事・睡眠・運動で神経伝達物質のバランスを整える

心身を健康に保つことが、やる気を出すための第一歩です。日頃の疲れやストレスを食事・睡眠・運動で取り除きましょう。

食事のポイント

まずはバランスのいい食事を心掛けること。その上で、ドーパミンの生成に必要なアミノ酸「フェニルアラニン」や「チロシン」を含んだ食べ物を摂取するのがおすすめです。また、脳の疲労を回復する「ビタミンB12」も積極的に取りましょう。

それぞれの栄養素を多く含む食べ物には、以下のようなものがあります。

·  フェニルアラニン:豆類、ナッツ類など
·  チロシン:チーズ、納豆、味噌、たらこ、乳製品、バナナなど
·  ビタミンB12:レバー、魚介類など

睡眠のポイント

睡眠中に分泌される「成長ホルモン」には体の疲労回復や記憶力・集中力と意欲を高める働きがあるとされています。しかし、睡眠の質が悪いと成長ホルモンの分泌も悪くなってしまいます。

質の高い睡眠をとるためには、以下のことを心掛けてください。
·  自分の体格に合った寝具を選ぶ
·  日中に体を動かし、寝る前は静かに過ごす
·  寝る前にはスマホやテレビなどは見ない

運動のポイント

神経伝達物質の「セロトニン」は、精神の安定や脳を活発に働かせる物質です。セロトニンの分泌を促すために、日光浴や有酸素運動の効果があると言われています。ウォーキングやジョギング、サイクリングなどを習慣化しましょう。

やる気スイッチ「淡蒼球」を活性化する

脳の大脳基底核の一部である「淡蒼球(たんそうきゅう)」は、その働きから、通称“やる気スイッチ”と呼ばれます。
淡蒼球から信号が送られることで、やる気やモチベーションが湧くという仕組みなので、「やる気が起きない=淡蒼球が動いていない」状態と言えます。
淡蒼球は自分の意志では動かすことができませんが、以下のような行動をすることで活性化できます。
·  体を動かす
·  いつもと違うことをする

やるべきことを紙に書き出してみる

何からすればいいのか判断できないときにおすすめなのが、紙にやるべきことを書き出す方法です。
タスクを書き出すときには、以下のことを書くようにします。
·  やること
·  いつまでにやるなどの期限
·  優先順位
そうすることで頭が整理され、未来や結果へのいいイメージを持ちやすくなります。

苦手なことも少し手を付けてみる

ドイツの精神科医エミール・クレペリンが発見した「作業興奮」という作用を利用するのも手です。気が進まない作業でも、まずは取りかかることで徐々に気分が乗って、やる気が出る状態のことをいいます。
「5分で終わる範囲で片付けをしてみる」「パソコンで文字を打ってみる」など、少し手を付けてみてください。徐々にエンジンがかかってきて、いつの間にかやるべきことが終わっていた、30分経過していた、というふうになるはずです。
また、体を動かすことで脳にある側坐核に刺激が与えられ、ドーパミンが分泌されます。本格的な作業に入る前の準備運動のような感覚で体を動かしてから、少しずつ作業に手を付けてみましょう。

やる気が起きないときの心理状態


その他、作業の進め方や周囲の環境が原因となっている可能性もあります。やる気が起きないときにありがちな心理状態を説明していきます。
 
何からすればいいのか判断できない
部屋を片付けられない人の特徴でもありますが、やるべきことが多すぎると、頭の中が散らかっているような状態になり、何からすればいいのかわからなくなります。
 
また「あれもこれもやらなければ」と手当たり次第に手をつけ、すべてが中途半端になってしまうケースも見られます。
 
目標やメリットが見い出せない
仕事や家事など、具体的にやるべきことはわかっていてもやる気が起きないときには、その作業にメリットを見い出せていないからかもしれません。目標や魅力が見い出せないのは、前向きな意欲が低くなっている、要注意サインです。
苦手なことや人間関係など、避けたい要因がある
やるべきことが苦手なことだったり、周囲の人間関係が悪化していたりすると、やる気が起きないことがあります。例えば「過去の経験で苦手意識を持ち、クレーム対応が億劫になる」、「嫌いな相手と仕事をしなければならない」などです。
人はやりたくないことをやらなければいけない状態に置かれたとき、強いストレスがかかります。すると憂鬱になり、やる気が起きない状態になるのです。
やる気が起きない時の脳の状態は
やる気が起きない状態のとき、人の脳はどのような状態になっているのでしょうか。
ドーパミンの分泌量が低下している
やる気を左右しているのは、脳内にある神経伝達物質「ドーパミン」の分泌量です。このドーパミンは、側坐核(そくざかく)から分泌される物質で、食べ物に含まれるアミノ酸の「チロシン」や「フェニルアラニン」が合成されて作られます。
ドーパミンが大量に分泌されると、やる気がある状態となり、反対にドーパミンの分泌量が低下していると、やる気が起きない状態になります。
神経伝達物質のバランスの乱れ
ドーパミンの他にも、戦うためのホルモンともいわれる「アドレナリン」、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」などの神経伝達物質のバランスが乱れると、やる気が起きない状態になりやすいと言われています。
やる気がないときにやってはいけないこと
 
このように、やる気が起きないときは、体や脳にさまざまな変化が起こっている状況です。
その状態でさらにストレスがかかると、メンタル不調を引き起こすなど、ますます状態が悪化する原因になるため、やる気がないときにやってはいけないこともチェックしておきましょう。
自分を攻めるマイナス思考
一番やる気がないときにやってはいけないことが、自分を責めることです。
 
できない自分を「ダメな人間だ」などと責めると自己肯定感が低下し、マイナス思考に陥ってしまいます。やる気が起きないときは誰にでもあり、決して悪いことではありません。自分を責めず、自分にやさしくしてあげましょう。
感情に任せて転職など重大な決断をする
やる気が出ないときは、メンタル不調を引き起こしている可能性があります。集中力や決断力が鈍っているため、転職や離婚などの重大な決断は避けた方が無難です。
周りの人と自分を比較する
やる気が起きないときに、周りの人と自分を比較することは控えましょう。周りの人がよく見えたり、羨ましいと思うことで自己嫌悪に陥ることも。やる気がないときには、できるだけ周囲が気にならないような工夫を心掛けてください。

まとめ


やる気が起きないときに無理にやる気を出すと、リバウンドでどっと疲れが出てしまうこともあるため、焦りは禁物です。自分のやる気が起きない原因を知り、食事・睡眠・運動など生活習慣を見直すことから始めてみましょう。
 
特にコロナ禍の今は、外出自粛による在宅ストレスや運動不足も気になります。ウォーキングなど外でやる運動以外にも、トランポリンやスクワットなど、室内でできる運動もあるので、チェックしてみましょう。
 
周囲の人間関係など、周りの環境が原因の場合には、すぐに改善が難しい場合もあるかもしれません。その場合も、ONとOFFのメリハリをつける、休日はしっかりと休息をとるなどの対処法を心掛けてください。
 
やる気が起きないからといって、自分を責める必要はありません。「長い人生にはそんな時もある」と前向きに捉え、心身が疲れたときはゆっくり休みましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?