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場の形成 場の共鳴

 「一匹の猿がサツマイモを海水で洗い食べる行動が群れに定着したときに遠く離れた別の群れの猿たちも同じ行動をとりはじめ群れ全体に伝搬する」いわゆる百匹目の猿現象や「直接的な接触がなくてもある人や物に起きたことが距離 空間に関係なく他の人や物に伝搬する」シェルドレイクの形態形成場仮説。この空想や仮設を聞くとあの時はこれだったなと思うことがあります。

チームスポーツでいう 連勝中 であったり チームの勢い です。連勝記録もチームの勢いも練習を積むことで自ら作り出せるものではありません。スタッフからすれば作り出せるものならいつでも欲しいものです。(1強などというリーグは除きます)

リーグ開幕前には不安要素がいっぱいであってもお題目のように選手・チームの目標は優勝です。選手は個々の目標も掲げて努力します。スタッフも環境作りに精を出します。しかし 個人の目標やチームの目標以上に大切なことは 日々競技を始めた頃の気持ちを忘れないことです。この 勢い のためには 楽しい 上手くなりたい 試合に出たい 勝ちたい という競技を始めた頃のプロセス 思いを忘れずに努力する人間が必要です。メンバーの中に1割いれば 思いは伝搬して練習姿勢 自主練のサポート トレーニングやケアの取り組み方等々に変化が出てきます。ただし チーム内でスタッフと選手 スタッフ間 選手間での意思疎通が当たり前のようにできる環境がなければ成立しません。思いのたけが強い選手が1割いてその思いと行動が継続できれば 思いが伝搬して1割が2割 3割と増えていきます。すべての選手が思いを同列にすることは難しいことです。愚痴のひとつもあるでしょう。しかし 思いのたけに この選手たちが意気に感じドロップアウトせず 自発的にレギュラーメンバーを支える裏方に徹してくれるようになります。この時にはチーム内の空気が違う事をみんなが感じるようになります。集合時間の集まりが10分前 15分前 20分前 30分前と段々と早くなったり 手洗いやうがい 着替えなど体調管理にうるさくなったり 微笑ましい行動が多くみられます。決して張りつめた空気ではありません。居心地は悪くありません。「言うべき時に言うべき事を言うべき人が言う」 こうしたことをみんなが気兼ねなくできてしまいます。少しずつチーム内に空気ができていきます。スタッフでさえ自信や確信を感じます。

しかし 良い時はいつまでも続きません。その連勝 勢いは簡単なことから崩れます。あれだけ守られていた集合時間をたった1人が寝過ごして遅れてしまったり ユニフォームを宿舎に忘れてきたりといった油断からです。魔がさすのでしょうか。(プレイ中のまずいミスから起きることはありません連勝中や勢いのある時には ミスに関しても寛容で切り替えも早く自分のミスのごとく取り返してくれます。)浮ついた空気がみえてきます。相手が単純に強かったという時には そろそろ負ける時 負けといて良かったなどと軽口も聞けるので連勝は途絶えても勢いが完全に消えるまでには至りません。浮つきから敗戦したときには勢いも取り上げられてしまいます。勢いを持つまでには目に見えない時間が必要なのに 失うのはあっという間です。本当に面白いものです。場の形成から場の共鳴が起きるとそこから幾重にも自信や確信が湧いてくる。空想や仮説であっても思いのたけや行動が一定数を超えると周囲に伝搬することはあると思っています。

当然 良いことだけが伝搬するわけでは有りません。スタッフや戦術・人選に不満があり陰で文句ばかり言っていると 類が友を呼びチームの勝利を喜べない人たちが増え 逆のことも起こります。こちらも経験したことがありますが 対峙するにはいつも以上にエネルギーが必要です。この伝搬には感染したくありません。(笑)

経験からの例えです。

競技を始めた頃の気持ちを失わせない環境をつくることから始まるものだと思っています。


「ちょっとやってみようかな、マネしてみようかな」というところからカラダの使い方に興味をもってもらえれば嬉しいです。