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Vol.1 Chujo Takeshi|RNA博士

1.どのような研究をしていますか?

「どの生物の、どの細胞でも働いている”RNA”という分子」に関する研究をしています。遺伝情報はDNAに刻まれていますが、体が遺伝情報を用いる際には、DNAの親戚であるRNA分子という形で遺伝情報が転写され、転写産物がタンパク質へと翻訳されます。また、RNAは転写産物という役割に加えて、タンパク質合成装置としての役割も持ちます。このように、RNAは生命現象の根幹を成すため、RNAに関する仕組みに異常が生じた時に様々な疾患が発症します。私は、良い基礎研究が、応用研究や数十年後の人類の幸せにつながると考え、RNAに施される化学修飾(RNA修飾)の基礎研究を行なっています。具体的には、RNA修飾の生理機能の解明、修飾を失うことで発症する知的障害・ミトコンドリア病・妊孕性低下などの発症機構の解明、ウイルスがヒトRNA修飾を利用する方法の解明、人為的なRNA修飾の導入技術の開発を行っています!

マウスの様々な臓器からRNAを抽出し、ゲル電気泳動後に暗室内で光らせたRNA。
暗闇で輝く様々なRNAに、多くの分子が協調して成り立つ「生」を感じます。

2.どんな人生を経て、熊本大学に?

子供の頃から生き物が好きでした。特に、近所の森でクワガタムシを捕って家で飼うことが大好きでした!子供の頃の憧れの存在であったオオクワガタを今も飼っています。中学時代から生物学者になりたいと考えるようになり、高校、浪人、大学で研究者になることを目指して勉強しました。研究室に入ってからは、大学院でも、ポスドクでも、あらゆる失敗を順番に踏んでしまいました。しかしそのおかげで、要領の良い人には見つけられないユニークで面白い研究を、大学院やポスドクの時に自力で立ち上げられたと自負しています。様々な失敗と苦労を乗り越えた経験は、現在の大学院生を指導する時や、研究テーマを着想する時に大きく役立っています。また、ポスドク時代に、隣のラボにいた研究者と結婚しました。その後、妻が熊大に異動することが決まり、その際に私自身も熊本大学に着任しました。

阿蘇ミルク牧場でヘラクレスオオカブトと

3.生きている中で大事にしていることは?

分相応を知ることと、年相応の夢と目標を持つことです。分相応を知れば今を幸せに生きやすくなり、年相応の夢と目標を持ちそれに向けて努力し続ければ、将来幸せでいられる確率が上がるのではないでしょうか??日常的な研究では、勇気を出して新しいことにフットワークを軽く挑戦していき、”できるだけ早く失敗、改善、再挑戦すること”を心がけています!

2018年に熊本への引越し直後に街で偶然会えたくまモン。
いきなりくまモンに会うことができ、熊本とのご縁を感じました。
後は建設中のサクラマチ。

▼所属研究室〜分子生理学講座〜▼

▼紹介記事1▼

▼紹介記事2〜注射針メソッド誕生秘話〜▼


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