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2022年1月11日事件を起こします・後編

大事なときに、いつも大きな失敗をしてしまう。


 約束の時間ギリギリなのに、わざとメール送信とかしてしまう。案の定、電車に乗遅れ「すいません、遅れます」LINEを次の電車を待つホームで打つ。そんな日常茶飯事は誰にでもあるだろうが、昨日は大失敗をやらかしてしまった。

 行くべき場所は家庭裁判所。
2番出口を出て東へ150m、と地下鉄案内板にも書いてあった。たしかNHKのビルの迎えだったはず。
すでに待合せには15分遅刻し、裁判官の面談時刻の15分前だ。焦る、焦る。何年ぶりかに着たスーツにスカートがぱつぱつで歩きにくい。ヒールのパンプスも小指が当たって痛い、しかも雨降りの悪天候。

おぉ!さすがに裁判所だけあって、立派な建物だ。

職員入口から出てきた、スーツ姿ではないが眼光鋭く賢そうな気配の二人組。隣の警備員の男性は直立不動で、1m以上の長い棍棒を持っている。入館時に持物検査されると書類に書いてあったが、不審者を入館させないためだろうか。
「正面玄関はどこですか」
「まっすぐ行って左に曲がると見えます」

どんどん行く。建物が大きく次に角まで5分以上も歩いたか、焦る、焦る。
「どちらへ行かれますか」
と、さっきの男性よりさらにガタイの大きい門番みたいな警備員が長い棍棒を構えて問う。
 「えっと、、審判に、、、」しどろもどろに小声で伝えると。

         ↑ 家庭裁判所へ行くまでの話

違います。家庭裁判所は横断歩道を渡って向こう側です。


【大阪府警察本部】だった、、、、、

 傘を差しつつ、身体からは冷や汗をかきかき、ようやく家庭裁判所に滑り込んだ。約束時刻の5分間。ふぅ~、何とか間に合った。
赤外線検査とボディチェックを受け、上階の面談室へ。

 案内された個室は中型というか、案外広く、10人座れるほどの円卓だった。提出資料を参与官に渡すにも、手が届かず、いったん立ち上がって渡さねばならないので恐縮されられた。
 そして、裁判官はその部屋に一度も現れることなく、15分の面談あと「資料をもってジャッジを受けに行って参ります」と参与官がいい、ほどなく審判が下された。

結果はシロ

 訴えが認められ、許可認定された、という言葉が正しいのだろう。約二週間で書類が届き役所に提出すれば、私のなまえは公式に改姓される。ほっとした。22年前と違い実績をあげていたことが決め手になったのだろうか。

「しかし、どうして20年以上も経て、いま、訴え起こしたのですか」
参与官の個人的な問いに、「実母が亡くなったからですよ」と答える。
「日本的な名前を継ぐ、という考えがある母の存命中は、改姓をすれば母を悲しませると躊躇してたんです」。

1月11日、自分で選んだ新しい名前、これからもよろしくお願いします。


..ひとりごと..
やっぱ、大阪府警で白星あげといて、よかったわ。(え?ソコ)  どこへ行くかの返答次第ではボコボコに棍棒で殴られたかもしれん、経験してみたらおもろかったかも、なあんてね。自虐ネタやん。
※2007年黒川紀章氏設計の大阪府警は屋上にヘリポート

そのうえ、ぱつぱつのスーツはスカートのフックがはちきれそうで、何とファスナーが下がっていた。家庭裁判所のトイレに行って気づいた私、改姓そうそう、ドジで赤っ恥である。



#わたしの名前   #新しい名前 #名前の由来
#警察署 #裁判官

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