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暮らしの保健室を訪ねて

先週、仲間たちと東京都新宿区戸山にある戸山ハイツに行ってきました。


わたしたちの目的地は「暮らしの保健室」でした。


誰でも予約なしに無料で、健康や介護や暮らしの中でのさまざまな困りごとの相談ができます。敷居の低い 居心地の良い雰囲気で、看護師はじめ医療の専門家がいるワンストップの相談窓口であり、地域のサロンのようにくつろぐことができ、体操やヨガで体を動かしたり、ランチ会やミニレクチャやアクティビティもあります。 訪問看護師の秋山正子が「気軽に訪問看護や在宅ケアに出会える仕組みを」と願い、英国のマギーズセン ターを参考に、2011年に高齢化の進む大規模団地の一画で開設したのがスタートでした。以来長きに渡り、 地域の住民や専門職に親しまれ、頼りにされています。


全国にその活動は広がっていて、各地に様々な形で暮らしの保健室が開かれています。


今回わたしたちを迎えてくださったのは、保健室に長年関わっていらっしゃる看護師さん。

今回の案内係の方が急な用事で来られなくなってしまったという事で、急遽私たちの案内係をつとめて下さいました。
まず、設立者の秋山正子さんの動画を見学参加者で視聴しました。 

2017年のGOOD DESIGN賞を受賞した時のご挨拶の動画です。 この時のトロフィーがお部屋に無造作に飾ってありました。 

もともと本屋さんだった空き部屋を改修して始めたとの事ですが、室内は心地よい雰囲気で、自然の物を多く使っているのが印象的でした。


そのあとは、見学者に配布して下さったパンフレット等を元に、暮らしの保健室の成り立ちや、できるまでの経過、地域の人達との関り、地元の医療福祉機関との連携の様子をお話して下さいました。とてもなごやかな雰囲気で迎えて下さり、地域の人々に愛されている場所であることがひしひしと伝わってきました。

今年度は新型コロナウィルスの流行に伴い、公共の施設が次々と閉鎖されていくなかで、高齢者の通いの場もクローズになってしまったが、そのなかで「暮らしの保健室は最後の砦として、クローズにはしなかった」とのこと。その判断や覚悟も伝わってきました。

看護師さんとお話している中で印象に残ったことばがあります。

「本人の気づきを促す」

わたしたち医療職は、相談を受けた際に、その人のためにどうしたら良いのか?といったことを考えます。それはなかば反射的に行われる思考過程だと思いますし、 学生時代から繰り返しトレーニングをしていたのではないかなと思います。

新規の担当さんなんか、PDCAまわしまくりですよね。

考えるのは良いことですが、状態を改善させようとするがあまりに、その人を管理してしまう方向性に走ってしまうことも少なくはないのかなという印象があります。

相談に来られる方は、病院に通いながら治療を継続している方や、そのような方を家族に持つ人が多く、 何らかの支援機関に関わっている方がほとんどといっても過言ではないかもしれません。

そんな方たちが求めてくる「薬はこれでいいのか?」「治療はこれでいいのか」といった質問に対して、かかりつけ医を持っている人々にこちらから具体的なアドバイスや治療方針の変更はできません。

こちらが積極的に働きかける関わりではなく、ご本人が話していくなかで、思いが整理されて気づきが得られることが数多くの事例の中であるそうです。

また「その方の得意な力を引き出す関わり」についても話されていました。

人とのつながりの中でお互いに力を引き出し合うような関わりができたら良いと看護師さんはおっしゃっていました。

素早い解決よりは、何となく存在を感じさせ、じっくりと少しずつ触れあい、待ち、時には離れ、そして戻ってきたりなどのゆるい関係性。

そのような関係性を地域の方達と作る事を夢見て、日々頑張っていきたいと思います。

暮らしの保健室2



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