うちのこどもたちはみな踊る
息子は今日も踊っている。
うちの食卓は、引っ越し後から、自然とみんなが座る位置が決まっていて、私の向かい側にはいつも息子が座っている。
息子は隙あらば踊り出す。
食事中も落ち着かない。
よく話し、歌い出し、踊り出す。
「見えにくいアヒルの子!」
(みにくいアヒルの子ね…….)
一文字違うと印象が変わることばを考えるのに最近はまっているようだ。
私は擬態しているもしくは透明なアヒルを何となく思い浮かべる。
そして、今度は油断していると目の前で変顔をしている。とてもせわしない。
たまに本当に変な顔をしているので、油断すると吹き出しそうにもなる。
お話や歌に夢中になり過ぎて、彼の好きな唐揚げが他の家族によってほとんど食べられてしまった時があった。
よっぽど悲しかったのか、3日間はその事を思い出しては悔し泣きをしていた。
なので、私はそんな悲劇が二度と起きないように、賑やかな彼を見ては「うん。わかったからお食べ」が口癖になりつつある。
私は思う。まぎれもなく彼はエンターテイナーだ。
その隣にいる、一貫してクールな態度を取る娘。
息子のおふざけにもノータッチが多い。
今でこそ踊り出したりはしないが
彼女こそ、我が家の真のダンサーである。
娘は幼少の頃はプリンセスが大好きだった。
ディズニーランドのビビデバビディブティック(プリンセスのコスプレができるお店)で、美女と野獣のベルに変身した時は、それまでに見たことのない天使のような笑顔を見せてくれた。
いや、むしろ「これが天使かな」と思った。
ディズニープリンセスはもちろんの事
プリキュアも好きだったし
ヤッターマンのアイちゃんになるべく、変身セットを身にまとい、しびれステッキ(ぬいぐるみ素材の柔らかいやつ)を夫に当ててはケラケラと笑っていた。
彼女が求めていたものは単なるプリンセスではない。
「強いプリンセス」だ。
今時のプリンセスは信念を持って戦えなくては話にならんのだ。
しかし、プリンセス期は終焉を迎えた。
娘は小学校に入学してからプリンセスへの憧れを口にすることはなくなった。
洋服も好きだったピンクや赤を着ることはなくなり、自然に黒や青を選ぶようになった。
中学の制服も、昨年の秋から女子生徒もズボンを選択できるようになり「お母さんズボン買って」と自分の希望を伝えてきた。
私は最近娘に「プリンセス好きだった保育園の頃のあなたは何を思っていたのかな?」と質問を投げかけてみた。
そしたらけっこうなおもしろエピソードが出てきたのでここに記す。
彼女は小学入学と共に切り株ステージのダンスから引退してしまった。
けれども、彼女の心は
今でも踊り続けているのだと私は思っている。
強い心をもったプリンセスは
身体的にはダンスをしなくなったが
(クラシックバレエも一昨年で辞めてしまった)
実はまだどこかに存在していて
今日も彼女は踊って何かと戦っている事を
私はひしひしと感じている。
学校には最近、「午前だけ」や「午後だけ」や「部活だけ」というペースで通えるようになってきた。担任の先生が自由な登校を提案して下さり、少しずつ娘なりに取り組んでいる。
ずっと通えていなかった部活動(美術部)に参加できて、つい最近、みんなで課題に取り組んで一つの作品を作り上げることができたと大変喜んでいた。
youtubeチャンネルを開設し、自分の作品を投稿しているのも、一つのチャレンジだ。
私もそんな彼女に毎日勇気をもらったり励まされたりして、自分の活力にしている今日この頃である。
今回のタイトルは完全に村上春樹さんのパクリです。
→「神の子供たちはみな踊る」
(不登校の)娘の事を心配してくれている方がいらっしゃり近況を書かせてもらいました。
最後に娘のおすすめの動画を貼って終わりにします。
家族4人で観ていたのですが
息子がここに出てくるキャラを
「こめつぶくん!こめつぶくん!」
と言うので、我が家では
「こめつぶくん」と
言う名前で呼ばれています。
こめつぶくん。私のところへ来て欲しいです!
(こめつぶくんと言うにはちょっとデカすぎかなと思います)
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