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ハグが好きな私たちとハグを禁止された息子の話

今年も言われたな....と思いました。

学校の年度末には、面談がだいたいあるものです。


私の息子は小学校の支援級に所属しており、交流級と半々の生活を送っていて、毎年、年度末には支援級の学級担任と面談があります。

一年のおさらい。

できるようになったこと。
これからものばしていきたい良い面。
まだ引き続き課題となっていること。
一年を通しての行われた行事や学業の振り返り。
来年(6年生)を迎えるにあたっての見通し。


話している中で昨年に続き話題に出たのです。


それは息子がハグが好きなこと。

でもそのハグを少なくしていこうという話。


息子は昔からハグが大好きです。

家族の中では姉には今はしませんが、私や夫にハグを求めます。

特に私にしてくることが多く、目が合うとそのまま突撃して抱きしめてきて、頭をすりすりしてしばらくその体勢で甘えてきます。

なんかいつも犬みたいだなといつも思っています。
たぶん尻尾がついていたら、思いっきりふりふり振っているのが見えるんじゃないかという感じ。

息子は犬、娘はネコのコミュニケーションスタイル。

頭を撫でたり、ぎゅっと抱きしめると、息子もぎゅっと強く抱きしめ返してきて「へへへへ」とにこにことした顔を見せてくれます。

それは特に怒られているとか、さみしいとか、理由がなくても、常に彼のタイミングで行われます。

私も息子とハグをするのは好きなので、ずっとこんな感じで私たちは特に疑問もなく生活してきました。


ところが

支援級の担任の先生に

〇〇くん(息子の名前)のハグを減らしていきましょう

と言われたのが、昨年のこと。

「〇〇くんは誰にでもしっかり挨拶もするし、やさしいし、明るくいい雰囲気を作ってくれています。そして、私たち教員にも同じで、時々ぎゅっと抱きしめてきてくれるんです。私もかわいいなと思うのですけど、もう〇〇くんは高学年になって、そろそろ思春期にも差し掛かってきます。同級生の子にはしないで、大人だけを選んではいるのですが、これから異性ということを意識する中で、誰かれかまわずハグするのは、ちょっとよくないかなと思います。本人にも話していますが『じゃあ、5年生のうちだけはやっていてもいい?』って言われたので、そうしてねって言っておきました。」

私もてっきり、6年生になったらこのハグ癖はやめているのかなと思ってはいたのです。

全然、やめてなかった.....。

今年も同じことを言われたので、結局息子の癖は変わることなく、そのまま一年きてしまったようです。

校長先生や教頭先生にも「〇〇くんが抱きしめてきてくれて....」と言われたことがあるくらい、彼は男女問わずに様々な教員にハグをしまくっている様子は、今までの学校生活の中で私も見聞きしているところでした。


うーん。


私は悩みます。


伝えようとは思っています。

でも伝える私の気持ちや考えが、ごちゃごちゃ絡まってしまった毛糸のように今はなっていますので

ちょっと頭を整理するためにここに書いていきます。

まず、これが日本じゃなくてボディランゲージのさかんな外国だったらどうだろうと思います。

もしかして、そんなに問題とされることもなかったのかもしれません。むしろ、彼のコミュニケーションの手段としてこれからもこの癖は続けていたのかもしれない。でも、彼が住んでいるのは日本ですから、環境に合わせていかなければいけない状況に今はある。

そして、息子は異性同士の配慮というものはハグ以外に関しては割とできているのかなと思っています。

たとえば家庭の中の話ですが。

息子と一緒に入浴するのをやめたのは2年生の頃でした。

私からと言うわけではなく、彼が1人で入るという選択肢を自然と取るようになったので、そのまま入らなくなりました。(夫とはいまだに仲良く一緒に入っていることも多いです)

また、女性の見た目についての言及をしている人がいると「そういう風に言うのはよくない」とたしなめたり、私や娘が重いものを持っていたりすると「僕が持つよ」と手助けしてくれたりします。

小学校で習う性教育的なものは学んでいるので、私も息子との会話の流れから、1人の女性として女性特有の状態を伝えることもありました。

「女性は月経の最中は体調を崩したりすることもあるから、配慮してあげた方がいい時もあるよ。」「これから初潮を迎える子も増えてくるだろうから、もしズボンやスカートなどに経血がついていたりしたら、まわりにバレないようこっそり本人に伝えて、保健室などに行ってもらうようにアドバイスしてあげてね。」

息子は「うん。わかったー。」と真剣に聞いて返事をしてくれました。

私が生理中で少しつらいんだ〜と言うと「無理しないでね〜」と気遣ってくれることもあります。


だから、思春期に入ろうとしている頃合いで、今なぜこれが課題としてあげられているのかは、説明すれば理解してくれそうな予感もしています。


ハグしている相手も実のところ、誰彼構わずではなくて。

同級生やうちの娘などの子ども相手にはしなかったり、よく見るとその相手は、大人の中でも、許してくれるような雰囲気や態度を持っている方を選んでやっているような気もします。

ここで「伝え方」について、私は悩むのです。

息子は状況によっては良い頃合いが図れない人です。

数値化されない出来事の「ほどほどの加減」が分かりにくい人です。

「適度に」の適度の説明に、私も困ることがよくあるのです。

たとえば、低学年の時は「挨拶が大きすぎる問題」がありました。


これは何かというと「挨拶に関してはむしろ模範的に取り組んでいるが、その声が大きすぎてまわりの迷惑になっている」ということです。

(これを最初に聞いた時はこんなことが問題として出てくるんだなぁと思わず笑ってしまいました。息子らしいなと。)

挨拶をすること自体は問題がないし、むしろそのまま続けてほしい。

でもその声が大きすぎる。

息子は「適度な声量」がわかりません。

入学してからよくありがちな教えの一つに

大きな声であいさつをしましょう

というものがあります。

彼は先生から頻回に言われたことをただ素直に守り続けているだけです。


(このような状況が発達の課題として他にも取り上げられることがたくさんありました。まあ、伝え方も難しいよねって思うんです。)

当時の担任の先生と私は、この件について、声の大きさ(db)を測る機械を購入しました。

普段から息子の声を測って「普段の会話はこれくらい」「挨拶の時はこれくらい」と数値化したのです。
同じ挨拶でも、たとえば体育館と教室、校庭など、場所によって大きさを変える事を意識して取り組みました。

先生の熱心な取り組みもあり、今はその件については改善されたのですが


ハグ問題も「適度に」が伝わらないことが懸念されました。
私は細やかにルールを息子と確認しなければなりません。

私の今のイメージでは

・私と夫には引き続き続けてもらって構わない。
・祖父母も可。甥っ子も可。
・家庭以外の場面ではなるべくしない。
・学校の児童だったら、同性同士だったら嬉しいことがあった時やスポーツなどの勝負に勝った時はしてもいいかもしれない。
・異性だったら今後お付き合いをしたり、親密な仲になれば、相手の合意を得て行うことは素敵なことだと思う。
・なぜ息子がハグをするのかを聞いて、それが好きを伝える方法であったり、安心感を求めているのであれば、ハグ以外の方法を模索する。

といったことを、伝えようかなと思います。

私もハグが好きです。

息子とハグしてるのは幸せです。

娘とハグするのも好きです。

手を繋いだり、頭をなでたり、自然と2人にはしてしまうし、2人も嫌がることなく、応じてくれます。子どもたちからも求められることもあります。

また、夫にも本を読んでいる時にもたれかかったり、話かける時に後ろから抱きついたり、甘えるのが好きです。(だからくま扱いされるのかもしれない)

人の体温は心地よくて、あたたかくて、ぎゅっとしてる時は、何とも幸せな気分になります。

けれども、家族以外には私はほぼしません。理由はいろいろありますが、たまにこらえきれずに友人にハグする時もあります(ハグされた方はレアだと思ってください)

(一番の理由は接触過敏の方がいらっしゃるからです)

手と手を握る

抱きしめ合うを全部が全部、制限せずに


これからも息子にとっての必要なコミュケーションの一つとして、息子にはうまく「ハグ」と付き合っていってほしいなと願っています。

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