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新しい車でドライブしたらいつのまにか森のカフェにたどり着いた話

先週の水曜日は祝日だった。
私たち夫婦はめずらしくお休みの予定だった。

息子と娘の2人は春休みに突入しており、両者ともにごろごろと床に寝そべっているような自堕落な生活を日々送っていた。

(さすが、私の子どもたち....!)

そんな2人が数日前より「見たい映画がある!」と夫に話していた。

それは「フライ!」という鳥のアニメ映画である。

ミニオンズで有名なイルミネーションズが手がけた映画なので、面白さは保証されているはずだ。うちの子たちはミニオンズが小さい頃から大好きだ。

バナーナ!!

ちなみに余談だが、夫はうちの職員の1人がミニオンに見えてしまうらしい。「バナーナ!って今日も言ってた!」とホラを吹くのはやめてほしい。
...彼女、そんなこと一度も言ってないから
...毎回、ツッコむのも疲れるから


話を元に戻す。

当日、2人を映画館に連れていった後

「さ、行ってみますか」

と言われた。

夫はこのたび新しい車を購入した。
その時から「一緒にドライブをしよう」と私は誘われていた。2人乗りなので、2人の時でないとニューカーには乗れない。


この日のタイムリミットは子供達が映画を見終わるまでの約2時間。

行ってみますかと言われたものの、2人とも目的地が定まっていない。

どうしよう?

「下り方面の海でも見に行く?」

私は反対した。

なぜなら下り方面は、毎日毎日嫌でも仕事で通っている道と全く同じだからだ。

そんなのつまらーん。
仕事を思い出しちゃうのはなんだか嫌だ。

私は都会の高速道路が好きだ。
特に夜のハイウェイを走るのが好き。

そのことは以前記事にも少し書いたくらい好きなのです。

助手席でも自分で運転していても
どちらでもかまわない。

光の羅列。
静かな振動。
2人だけの親密な空間。


しかし!
2時間では都会の高速道路には到達しない。
ましてや夜の時間なんてならない。

うーん...。

「カフェに行くのはどうだろう」

夫がいいことを言い始めた。

おお、たまには(?)いいこと言うじゃないか!

カフェ!カフェ!と頭がカフェになった私を連れて夫は車を走らせた。

まあ、とにかく田舎道なのです
どんどん山になっていく

「こう...安定するよね。重心が低いから地を這っている感じがする。カーブとかで感じるね」

「思ったように動くんだよ。こういう車は。ハンドル通りに自由に動く感じがする」

車内で、新しい車について横で話している夫が、なんとなく嬉しそうなので、私はそれが嬉しい。

感情表現が下手な人。
嬉しいがいつも見えない。
嬉しいがあるのかなんなのかよくわからない。

私自身は、相手から嬉しそうなのはよく見えるらしい。

アンバランスなのか。

バランスが取れているのか。

なぜこんな違う人同士が一緒にいるのか。

家族っておもしろい。

とにかく人が嬉しそうなのは、自分が嬉しいのと同じくらい嬉しくなる。


なんだかんだでカフェに着く。


夫はここのカフェが前から気になっていたとのこと。

駐車場にどこから入っていいのか少しだけ迷う。

まわりは木に囲まれていて、シンとしてる。
公道から少し離れているので、車の気配も感じない。
カフェの隣には写真のギャラリーもある。
ひとまずカフェに入った。

店内は落ち着いた木の素材で、座席もゆったりとしていた。薪ストーブがある!自宅にもあるので、なんだか親近感。

私たちの前の先客は、多国籍な構成の家族がひとグループ、遅い昼食を取っていた。ナイフとフォークを上品に扱って食事を楽しむ。かっこいいハットを被ったおじさんが私たちに聞こえないボリュームで会話をしながらくつろいでいた。

ここは映画の世界ですか?...なんなんですか。

横を通って奥の座席に案内された。
窓から木が見える。

もりのくまさん、か。
(特につぶやきに意味はなし)

静かにながめる。

子供の話をする。

世の中の夫婦はこんなもんだろうと思う。

夫の携帯電話が突然なる。

電話を持って店外へ出ていく夫。仕事の電話だ。


しばし、ぼんやりする。


友達のLINEに返事をする。
スプラトゥーンのアイコンをうちの娘に書いて欲しいとのこと。

人にたよりにされること。
とてもいいことだと思う。
娘にとってはいい経験になる。

それをわかって友達も頼んでいるのだ。

ありがたいなぁ。

夫の頼んでいたナポリタンがやってきた。

ナポリタンって定期的に食べたくなるのはなんなんでしょう。
いい匂いが漂ってくる。
夫はまだ電話をしている。


私が頼んだ野菜のポタージュもきた。

ポタージュはどこかなつかしくて、素朴で、そしてコクがあって、一言で言うなら、とてもとてもおいしかった。
私の胃をやさしくあたためる。

ごちそうさま。

お会計の際に店員に尋ねた。「ポタージュにはなんのお野菜が入っていますか?」

じゃがいもベースで、トマトも入っているとのこと。あと少しのにんにく。そして秘密の調味料。

お礼を述べて外に出た。

かっこいいわんちゃんを連れた渋めのおじさまがドアに近づいてきた。

映画みたい...。さっきからそればかりだ。


ここから何か物語が始まりそう。


ミュージアムを眺めていたら、いつの間にか時間が迫っていたので、カフェをあとにした。


帰りの道で、警告灯がいきなり光った。

中古の車はこんなもんなんでしょうかねー。

「ううーん点検に出さないとな...ひとまず子供は迎えに行かないと!」


映画館にたどり着く。
子供たちは映画が楽しかった!とステレオ放送みたいに一斉に話し出す。

姉弟で一緒に見るのもいつまでなのかな。

帰路に着く。


ある日の日記。


初ドライブの記録。


また行ける時があるのかな。


ひとまずこの先は点検ですね。


今度はどこにいくのやら。


私にも夫にもわからない。


まだまだ日々は続くのです。


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