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サッカー日本代表にみる組織のビジョン
この記事はHajimari Advent Calendar 2022の13日目の記事です。
個人的にサッカーを観るのが大好きで、今回はワールドカップでの日本代表を見ながら、最近プロダクト開発の一環で学んでる組織の話と繋がる部分を感じたのでちょっと書いてみる。
サッカー日本代表という組織
まず、日本代表という組織はとても特徴的な在り方をしている。
組織の大きな目標としては4年に1度のW杯や五輪などの国際大会に出場して良い成績を残すことになるだろうか。
ただ最終的にそのタイミングで代表に選ばれるか自体保証は全く無いし、4年前と全く違う人選で監督も違うというのが当たり前にある状態。
これは組織を維持する上でかなり困難な状態ではないだろうか?
人が組織を作っていき、最終的には組織のカルチャーは人に依存せず根付くのが理想であるが、組織を作っていく期間が保証されていないのだ。
もちろん監督やスタッフ、協会が常についているがやはり日本代表の組織を作っていくのは日本代表の選手であり、そこの定着がサッカーによるその時の実力に左右されて変わってしまうのはとても難しいなと。
2010年南アフリカW杯
そんな日本代表を一つの組織としてより意識出来たタイミングが今考えると2010年の南アフリカW杯の頃だったんじゃないかと思う。
── そのきっかけは当時代表に選ばれた本田圭佑選手の発言にあった
僕自身はベスト4ではなく、優勝を目指してもいいんじゃないかなと思っています
グループリーグを突破すること、ベスト16の壁を超えること、そういった目標が当たり前になっていた時に優勝を明確に発信した初めての発言だったと自分は感じた。(本人的には子供の頃から言い続けていた事らしい)
なので自分もそうだが当時は世間もビッグマウスと揶揄したりして、とにかく突拍子もない事を言っているみたいな捉え方があったと思う。受け手側にその発言を飲み込める器量が無かったように思える。
今考えるとこれは高い目標をただ発信するという事ではなく、組織のビジョンを提言していたのではないかと考えることが出来る。
明確にビジョンがある組織は多くのメリットがある。
自分達が組織たる理由を語れる
同じ視点、視座を持ちやすい
組織が属人化せず、ビジョンを元に集まった人が行動する
etc…
日本代表の組織のビジョンとして「W杯の優勝」がこの時点から根付いているとしたら、それは本当に価値のあるものだと思う。
当然ながらW杯強豪国は当たり前に優勝を目指しているし、その経験を実際にしているのでビジョンではなく本当の目標として優勝を掲げている。
そこに追いつくためには日本もビジョンとして優勝を目指すのはとても効果的な手段ではないだろうか。W杯の最初はどの国もそういったマインドで参加していたはずで、第16回の98年フランス大会で初めて出場権を手に入れた後続参加になる日本にはそういった気持ちが大切になるはずだ。
ビジョンを伝え続ける事
今、日本代表の選手がW杯優勝を目指すという話をすることに何の違和感も感じずに聞く事が出来る。これは2010年以降、常に複数の選手が言葉にして伝え続け、発信し続けた結果なのではないかと思う。
南アフリカW杯から12年、2022年カタールワールドカップで日本はドイツ、スペインに勝つという偉業を達成しグループリーグ1位で通過しながらも、結果としてはベスト16で終わってしまった。
しかし、組織としては成長し続けていると思っており、ビジョンを語り実力を証明してくれる選手がこれからも出てくる期待感は持てている。
4年後がとても楽しみである。
そして選手、監督のインタビューの言葉に熱い想いやビジョンを繋げていく事への意識が垣間見えてとても素晴らしいと感じた。
こういった言葉を紡いでいく事が組織を強くしていくのではないだろうか。
「なかなか言葉が出てこないですけど、一生懸命最後まで戦った後輩たちと、勇気をもってPKを蹴った選手たちを称えてほしいと思います。この悔しさを必ず彼らがこの先の日本サッカーに生かしてくれると思いますし、必ず次に繋げてくれると思います」
選手の話を聞けば聞くほど、自分(の力)が足りなかったなと思います。もっと想いを強く持ってW杯に臨んで、選手たちを勝たせてあげたかったなと思います
多くの子どもたちがこの試合を見て、サッカーに夢を馳せて、ときめいて、またサッカー選手になりたいと思う子たちが増えて、その子たちがいずれW杯に出て、この壁を破ってくれることを期待していますし、自分も日本の成長の一端を担えていたのなら嬉しいです。これからもそれは続いていくと思うので、どんな形であれ貢献したいと思います
そして最後は、やはり本田圭佑選手の言葉
ビジョンも想いも常に伝え続ける事でしか、本当の意味で維持していけないのだろうなと思う。
言わなくても分かる関係などない。
— Keisuke Honda (@kskgroup2017) December 10, 2022
常にちゃんと伝えろ。
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