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PGT−Aのリアル


こんにちは(^ ^)クマです!

今日は着床前診断(PGT-A)についてお話していこうと思います。

皆さんの通院する施設ではPGT-Aは実施しているでしょうか?ここ最近になり実施し始めた病院が多いと思います。

そもそもPGT-Aって何?という方もいらっしゃると思うのでそこも含めてお話していきますね。



◎PGT–Aって何?

PGT-Aとは日本語では着床前診断と言われています。以前は着床前スクリーニングとも呼ばれていました。

これは簡単にいうと染色体の数を調べる検査です。

流産の原因の大半は染色体異常と言われています。

移植する前に受精卵の染色体数を調べて、染色体異常がない胚だけを戻し、移植での成績を高める目的で行われる遺伝検査です。

PGT-Aでは受精5〜6日目の胚のうち、将来胎盤になる部分の外胚葉細胞の一部を採取します。細胞数が100〜数100ある中から5〜10個ほど採取します。

将来胎児になる場所ではなく、将来胎盤になる部位の細胞を採取するため、胎児への危険はないと言われています。


PGT-Aはまだ研究段階にあるため、全ての方が検査を実施できるわけではありません。

そもそも体外受精を行ったことがある方でないと対象にはなりません。

また、体外受精により2回以上連続で妊娠が成立しなかった場合や、2回以上連続で化学的妊娠や流産になってしまった場合に適応となります。それ以外にもいくつか適応条件があります。



◎PGT-Aの結果はどう判断すればいいの

PGT-Aの結果が100%万能とは言えません。

例えば、胚の発育段階の初めの方で出てくる染色体不均等分離によるモザイクと呼ばれる現象のため、採取した細胞に異数性を認めても胚全体が異数性とは断定できません。

また、細胞を採取した後の時期に胚の発育過程で異数性細胞が排除され正数性細胞のみで胚が形成されることもあります。

上記のことを考えるとPGT-Aでモザイクと診断された胚であっても発育の過程で綺麗な胚になり、実際には妊娠できる胚である可能性もありということです。

もちろん人の手で細胞を採取するので技術的な問題で細胞を損傷させてしまう可能性なども考えられます。

現状、20%以下のモザイクは技術的誤差として解釈され、20〜60%程度の変異は軽度、60〜80%の変異はより顕著な所見と考えられています。



◎PGT-A胚を移植した結果を受けて感じたこと

私が勤める病院でもPGT-Aを実施しています。

その結果を受けて感じたことをお話していきます。

胚のグレードでBCやCBなどCグレードがつくものをPGT-Aで検査した結果、A判定がつくこともあります。

その結果を見ると、やはり外見だけの判断で妊娠する・しないを判断していくのは難しいなと感じます。実際にCCのグレード胚でも妊娠出産する方をたくさんみてきています。きっとそういう方々がPGT-Aを行うとA判定が出ていたのでしょう。

そして、A判定が必ずしも万能というわけではありません。

A判定でも実際に移植するとhcgが全く測定できなかったり、測定できても100以下のこともあります。100以下だった場合、hcgがそのまま下がって行ってしまうこともありますし、胎嚢が確認できてもその先に進まないこともあります。もちろんそのまま妊娠継続できる方もいらっしゃいます。割合でいうと私の経験ではまだ下がっていってしま確率のほうが高いです、、、

(勤務先でも、すごく前から検査を行なっていたわけではないのでまだPGT-A胚で出産までいった方はいらっしゃいません。今後の行方が気になっています。)



◎PGT-Aは精神的負担が大きい?

習慣性流産の方でPGT-Aを行いA判定が出た方の大半が

「胚がAという事は今までの結果は私の体が悪かったのですね」

とおっしゃられます。その度に切なくなってしまいます。

また、いざ結果が悪く移植可能胚がなかった場合にも

「私にはいい卵があるのでしょうか」

など落胆してしまう方が多いです。

PGT-Aを実施せずに移植を行ない妊娠しなかった場合もすごく辛いと思いますが、複数個検査を実施し、全滅してしまうことも同じくらい辛いと思います。むしろ一気に結果がわかってしまうことで辛さも倍以上になって襲いかかってくるかもしれません。

どこにもぶつけることのできない辛さ、この先どうしようという不安、様々な感情に押し流されてしまうと思います。


病院によっては不妊治療カウンセラーが在中しているところもあると思いますが、カウンセラーがいない病院も多いと思います。

PGT-Aはすごく精神的負担の大きい検査だと思うので個人的にはしっかりカウンセリング設備の整った病院での実施が望ましいと考えています。

しかし、ご自身の通院する病院にそういった場がないのであれば外部のカウンセリング施設を利用してみるのも手だと思います。

お一人で悩まず専門家へ相談してみましょう!



いかがでしたか?PGT-Aはまだ研究段階にあり、データが揃っていません。今後の動きに注目です。

今後も動きがあればまた皆さんにお伝えしていこうと思います。


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