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なんでも出来立てが一番美味しいわけではないと、自家焙煎コーヒーが教えてくれた。

コロナ禍ということもあり、暇を持て余すようになった。
「人生は死ぬまで暇潰し」と誰かが言っていたように思うが、これは少なからず遠からず正しいことなんだろう。
これまでも、これからも虱潰しに暇潰しをしていくのも悪くない。

コロナ前の自分であれば、暇さえあれば勉強していたものだが、今のご時世自己研鑽だけをするには時間がありすぎる。
新しく時間の潰せる趣味を探そうと、ここ数ヶ月色々なことに挑戦してきた。たくさんの趣味候補の中で相性が良かったのがドリップコーヒーだ。


今までコーヒーはカフェインを摂取するための飲み物であって、インスタントコーヒーの手軽さこそ至高のコーヒーだった。いわゆる酸味とか苦味は空想上の産物だと思っていた。
一度入れたドリップコーヒーを飲んだら文字通り目が覚めた。

「美味い!」

この時初めて紅茶よりもコーヒーの方が香り高く、香ばしいということを知った。
豆の種類、水の温度、粉の粗さでコーヒーの表情がここまで変わるのだと知った。

産地、焙煎度合い、挽き方で顔を変えるコーヒーはまさに“趣味の沼“を築きうる器を持っているに違いない。
そうして僕はコーヒー沼に片足を突っ込むことにした。



コーヒー沼に入ることにしたわけだが、沼の到達点を決めようと思う。
喫茶店経営などはしたくないので、自分なりに1番美味しいコーヒーを見つける、ということを一つのゴールとすることにした。

ここだけの話というわけでもないのだが、僕は基本的に料理は出来立てが一番美味しいと考えている。
一晩寝かしたカレーやおでんの方が美味しいという意見はもちろんあると思うが、出来立てや取れたての魔力にはなかなか勝てない。

コーヒーは時間が経つにつれて香りが薄まるので、挽いた後すぐに入れた方が良いという話を聞いた。
つまり焙煎した直後が一番香り高く美味しいコーヒーなのでは?

思い立ったら日が吉日ともいうので、早速フライパン焙煎を試みることにした。
豆はなんとなく相性が良さそうだったキリマンジャロ。Amazonで生豆が売っていたのもちょうどいい。

家にあったガスコンロと鍋を使って炒ること約20分、やや深煎りだったがコーヒーの焙煎が完了した。


初めてにしてはいい感じではないかと思う。粗熱を取流や否や、早速コーヒーを入れてみた。
さぞかし香り高いコーヒーになるだろうと、一口飲んでみた感想がこちら。


「焦げ臭くてエグ味がひどい。飲めたもんじゃない。」


調べたところによると、焙煎してすぐは美味しくないらしく、2-3日くらい寝かすといい感じの塩梅に落ち着くそうだ。

出来立てが1番美味しい理論は悉く打ち返され、コーヒー沼は決して浅くないということを知った。
凝り性の僕はますますこの底無し沼にハマってしまう予感がした。

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