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三浦春馬 作品レビュー 映画「コンフィデンスマンJP プリンセス編」

もともとの公開はもっと早かったはずが、新型コロナウィルス感染症感染拡大の影響で遅れて、2020年7月23日(木・祝)になってしまった本作品。
その公開の5日前、前作から引き続いて本作「プリンセス編」にも出演していた、ジェシー役の三浦春馬君が亡くなった。
私はその公開から5日目、映画館へ「プリンセス編」を観に行った。
春馬君が亡くなってから10日も経たず、私自身が春馬君の死を全然受け入れられていない頃だ。
今思えば、結構大きな傷口に、自分で粗塩をゴリゴリ擦り込むようなことをよくやったなと思うが、その時は、とにかく生きている春馬君を観たい、どこかで春馬君は生きていると思いたい、というその一心だけだったように思う。
そういう心持ちの人間が観た前提での本作品の記事なので、かなりエモーショナルな書きぶりに寄ってしまう。
また、例のごとく申し訳ないが、ストーリーの本筋は全く触れないし、出番の多くなかったジェシーのシーンばかりにフォーカスする。
レビューというより、ただの感想文だろう。
でも、春馬君が演じるジェシーが好きだから、ジェシーを演じている春馬君が好きだから、この映画を観た時の気持ちは忘れないように書き留めておきたい、そういう自己中心的な思いでこの記事を書いている。
既にエモい。

そんなわけで、この記事には、ダー子(長澤まさみさん)やボクちゃん(東出昌大さん)やリチャード(小日向文世さん)や、コックリ(関水渚さん)や赤星栄介(江口洋介さん)やスタア(竹内結子さん)や波子(広末涼子さん)や、フウ一族の皆さんも出てこない。
五十嵐(小手伸也さん)なんてもっと出てこない。
これは、ただただジェシーのことを愛でるだけ愛でる記事なので、普通の映画レビューだと思った人はごめんなさい。
なお、「コンフィデンスマンJP」へのリスペクトは忘れていないことは申し添えておく。
ドラマも映画も全部観ている。
このコンフィデンスマンの世界が大好きだ。

それから、私の、鬱陶しいほどの熱きジェシー愛について知りたい方は、この「ロマンス編」の記事へどうぞ。(上の感傷的なイントロとは違い、明るく仕上げてますんで。)

♡ジェシーが縛っちゃうぞ~!スペシャル♡

この作品では「ロマンス編」ほど、ジェシーの登場シーンは多くはない。
事実上、最後となった、ジェシーの「コンフィデンスマンJP」への出演シーンをこの目に焼き付けよ。
まだ観たことのない人は、もしチャンスがあるなら映画館に行って観てみて!

1 ジェシー、登場!

ストーリーの序盤、パーティーに招かれているゲストそれぞれが映し出されるシーンで、真っ赤なスーツを着たジェシーも登場。その瞬間、スクリーンから星が飛び散ったかのように見えた、マジで。ジェシーはキラッキラだった、やっぱりキラッキラ。それと同時に「春馬君はこれを撮った時は生きていた。」と、その一瞬の姿を見ただけでも胸が締め付けられる。

2 ダー子とジェシーの「LA LA LAND」

パーティーでのジェシーとダー子のダンスシーン。この振りは「運勢編」でダー子と五十嵐が踊ったのと同じ。映画「LA LA LAND」のパロディ。赤星に顔を見られないように必死に隠れながら踊る二人。顔芸ですか?とでも言いたくなる、ダー子とジェシーの表情が面白い。「ロマンス編」では、昔の恋仲なのかどうなのか?という二人だったけれども、このダンスの意気の合い方からしても、詐欺師同士としての相性はピッタリなように感じられる。それでも、やっぱり主導権はダー子が握るのかな。膝カックンされてるジェシーが愛おしい。ジェシーのそういうところが可愛くて好き。

3 韓国からやってきた大型新人アイドル・ジェシー

K-POPアイドル好きのナイフ使いの殺し屋女子2名を、こんな姿(↓)で落とすジェシー。かなりメイクが手伝ってはいるけれど、ジェシーのこの表情たまらんね。ちょっと口開けて指咥えて、このトロンとしたまなざしとか。実にそれっぽく見えて笑える。春馬君、この撮影してる時、楽しかっただろうな。ジェシーのこの写真の載ってる雑誌、どこかで売ってくれませんかね?こういう人、最近のテレビの歌番組にいっぱい出てるけれども、K-POPアイドルの個体識別のできない私にしてみたら、逆に、歌番組に出て歌って踊っている人が、このジェシーにしか見えない。

4 縛っちゃうぞ~~~~っ♪

これを言う時のジェシーの顔よ!ジェシーがこの台詞を言い終わるかどうか位のタイミングで、やや食い気味に心の中で「縛ってぇ~~~~~っ!」と絶叫したのは私だけではあるまい。「落とせない女はいない。」と豪語するジェシーだからこそできたこと。やっぱり、これはジェシーじゃないとできなかったよね。ボクちゃんも「さすが、ジェシーだ!」ってその後に言っていた。ジェシーは最後までキラッキラだった、キラッキラ。

今回のコンゲームで、ジェシーはいい仕事をした。
どうやらジェシーって、港区に住んでるらしい。(インビテーションの宛先住所が港区になっている。)
実在しないのわかってるけど、港区に行ってやろうかとも思う。
最後のダー子の台詞、ジェシーに言ってやって。

本作でのジェシーのシーンはこれぐらい。
正直言って、少ない。
こんなことになるなら、もっと沢山撮っておいて欲しかった。
ジェシーの撮影したシーンで、カットして使っていないシーンがあるなら、メイキングと併せてDVDに入れて欲しい。

もう三浦春馬はいない。

エンディングの曲は、Official髭男dismの「Laughter」。
「Laughter」×「コンフィデンスマンJP プリンセス編」っていうコラボ動画もあるのだけど、1コーラスしかなくて、「アララララララ~~~~~♪」以降も全部聴いてほしいから、オリジナルのMVを張り付けておく。

この曲に載せて、エンドロールが流れていく。
笑顔のジェシーも映る。
ストーリーに引き込まれていた観客も、ここで現実に引き戻されて思い出させられる。
ジェシーはもういないということを。
ジェシーを演じる俳優、三浦春馬はもうこの世にいない。
このコンフィデンスマンの世界で、新たなジェシーに会うことはもうない。
一気に喪失感が込み上げてくる。
春馬君、どうしてよ。
ジェシー、帰ってきてよ。
ジェシーーーーーーーーー!
耐えられない、ジェシーがいないコンフィデンスマンの世界なんて。
私の斜め前に座っていた人は、たぶん春馬君のせいだと思うけど、客電が付いた後も嗚咽していた。
私はこれ以降、「Laughter」を聴くと条件反射的に涙が出るようになった。

それから1か月ちょっとした頃、春馬君が亡くなってから四十九日だという日に、私は2度目を観に行った。
1度目に比べると、私の心情的にもだいぶ落ち着いてきて、映画そのものも楽しめた。
その時に思ったのは、1度目に見た内容を結構忘れていたということ。
もともと情報量の多い映画なのだけど、他のキャストの台詞とか、ストーリーの展開とか見たけどどこかに飛んでいってしまい、全く記憶に残っていないシーンが多々あった。
それくらい、1度目の時は春馬君の衝撃が大き過ぎたのだろう。
ごめんよ「コンフィデンスマンJP」、でも改めてしっかりちゃんと観たから許して。

ジェシーは、男版峰不二子って感じで、ちょっとアニメや漫画のキャラっぽくもある。
無機質な感じさえするジェシーに、演技で魂を入れ込んで、観客の気持ちをがっちり掴み、誰からも愛されるキャラに昇華させた。
こんな風にジェシーをチャーミングに演じきれたということは、俳優として、演技に「遊び(=物事にゆとりがあること)」ができたというか、「演技の幅」が出てきたということだろう。
その幅が広がっていく感覚を自身でも感じられて、自分の意図するところが観客にも届いていることが実感できる、演じて楽しい役どころだったろうと思う。
春馬君が演じたから、皆、ジェシーのことを好きになったんだよ。
春馬君は、「キンキーブーツ」のローラ役もそうだけど、またもう一つ、こちらの世界に大切な役を置いて行ってしまった。
もうどうするの、「コンフィデンスマンJP」のジェシーは、貴方しかできないでしょうよ。
「コンフィデンスマンJP」だから、前に出てきたキャラが次の作品にも延々と呼ばれ続けるわけで、しかもジェシーなんだから、「英雄編」にだって絶対に呼ばれたに決まっている。
こんなことになって、本当にスタッフ全員頭を抱えていることだろう。
ジェシーのことを、あんなに愛されるキャラに育てるだけ育てておいて、それを演じる自分がいなくなってしまうなんて。
この先も、このコンフィデンスマンの世界が続く限り、ジェシーには永遠に天才恋愛詐欺師としてコンゲームに絡んでいて欲しかった。
惜しくてたまらない。
ジェシーがいなくなったってことも、嘘だよと、騙してるんだよと言ってほしい。
We all love you, Jesse!

目に見えるものが真実とは限らない。
何が本当で、何が嘘か。
真実は愛だけが知っている。
コンフィデンスマンの世界へ、ようこそ。


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