060 一緒に本をつくろうじゃん

内に篭りがちな、こんな時だからこそ、窓の外を見よう。あれっ、カラスがゴミ袋を、、、って、違います。

その外じゃなく、前。次の時代。そう、未来ってやつ。

毎日毎日繰り返される陽性者が何人っていう話はマスコミに任せておいて、ミニコミ、いえもっと身近なマイクロコミュニケーションを大切にしたほうがいいんじゃないかと、最近思っています。これからは顔が見える、実感できる関係を大切に、世界を少しずつ積み上げていこうじゃないかと。

そういや、ハンド・イン・ハンドって言葉が流行った時代がありましたね。懐かしー。

マイクロコミュニケーションの第一歩として、一緒に本を作りませんか。あなたの身近にいる、これから自分のモデルとなる人を紹介し合う本。

たとえば。。。

こんな時代だからこそ知ってほしい人
新しいことを始めた人
前向きに生きている人
面白いことをしている人
ピカッと輝いてる人
個人的に表彰状をあげたい人

考えてみれば、ボクはそんな人を紹介したくって、このnoteを書き続けています。

だって、根津という地味な駅を上がって、路地を入った、靴を脱いで上がらないといけない2階にある店なのに、時々、奇跡的な出会いがあるんですよ。そのいくつかは、この連載を読んでいるあなたなら、納得していただけるでしょう?

それは、以前やっていたインタビュアーの仕事で出会った有名な女優や経営者よりずっと感動的で、誰かに伝えたいと思う奇跡的な話に満ち溢れています。

奇跡って、実は誰にでも、何度も起きるんだって、ボクはこの店を始めて、初めて知りました。すいません、つまらないダジャレで。

去年(2020年)、電子書籍の売上は大きく伸び、旧来の活字書籍の売上減少幅は少なかったそうです。喜んでいいのかどうか複雑ですね。

Stay Homeと声高に横文字を連呼する知事がいましたが、彼女は家に籠っている間、本でも読みましょうとは言いませんでした。彼女の教養を疑ったのはボクだけかなぁ。。。

だって、長い時間滞在することになる家で、何をして過ごせばいいのでしょう。今は一人世帯が一番多いんじゃなかったっけ? そのStay Home時間の孤独について思いを馳せたことがあるのでしょうか。政治家に一番大切な資質は、共感力だと思うんだけどなぁ。。。

Netflix’sが加入者数を増やしているそうですが、こんな時だからこそ、本の読者数だって飛躍的に増えていいはず。「書を買って家に篭ろう」と寺山修司は言っていなかったっけ。。。

この国の都知事や首相には、こういう時期だからこそ、この本もあの本も読んでほしいと言って欲しかったなぁ。いや、それほど読書好きには見えないか。。。

やめましょう、チクチクと批難の言葉を並べたてるのは。ボクらしくない、前向きな話ではないですね。

「誤配だらけの読書会って、どういう読書会なんですか?」と尋ねた来店客が、この緊急事態宣言期間中に2組もいました。教養って言葉が生き残っていたんですね。感動〜。

東浩紀って哲学者が、旅行者という誤配が世界の分断を救うかもって書いていますーーそこから、あなたにおすすめなのは、と購入履歴から傾向を読んで似た本ばかりすすめてくるamazonとは違って、自分の趣味ではないかもしれない本が紹介される「誤配」をテーマにした読書会なんです、という説明をして、九条Tokyoの「誤配だらけの読書会」には新しい参加者が2組できました。

これって、緊急事態宣言で強制的に自宅に篭ることを求められたからこその、この機会に自分の世界を広げようという内面の声に導かれてのことだと思うんです。今こそ、自分を磨こう。マイクロコミュニケーションで繋がろう。

というわけで、一緒に本を作りませんか? もういい、くどいってばー。

あなたが是非紹介したい人をインタビューしたり、メールでQ&Aをして、その人の真実に迫る。。。真実って、ちょっとオーバーですね。あなたが何故感動しているのかを解き明かすだけでいいんです。それがマイクロな共感を呼ぶかも。

先日の「誤配だらけの読書会」では、久しぶりに小説がいくつか紹介されました。このご時世を反映してか、このところ評論や哲学、批評関係の書籍が多かったのですが、新しい参加者が増えたおかげで、読書会らしい読書会になりました。

『不思議の町 根津』森まゆみ
『文学的エッセイ 三島由紀夫について』村上龍
『悲しみの歌』遠藤周作
『沼地』芥川龍之介
ボクは雪舟えまという歌人の歌集『たんぽるぽる』を紹介しました。

根津神社あたり(不忍通り一帯)が江戸時代には有名な花街だったことを教えられ、読書会のグループにボクが銀座がいつから高級クラブ街になったんだろうと投稿したら、すぐ調べて文献を探してくれたり。

こうしたキャッチボールが交わされる、それこそボクがこの店を始めてよかったと思える瞬間でもあります。

そう、いつだって、人には新しい出会いが必要だと思うんです。どんな感染症に世界が侵されて自宅に篭ることを強要されても、人は交流して何かを学びとれる。そうした外に向かう意志は自由であるべきです。いつだって、どんな時代であっても、はるか遠くを見つめて飛んでいたい。

またまた、こ難しい話になっていますね。すいません。

というわけで、一緒に本を作りませんか。あなたが、いま紹介したい人について書く。一人1頁でも、2頁でも4頁でもいいので紹介してください。あなたが知っている、感動している人を、ボクも知りたい。

80億人近くが住んでいるこの地球で、あなたが知り合える人は何人いますか? 同じ、「今」という一瞬ともいえる、僥倖としか思えない時間の中で。

もち、数だけで計ってはいけませんが、でも、うちに篭ることを求められている今くらい、少し数を競ってみましょう。10人の編著者が5人ずつ紹介すれば50人のマイクロコミュニケーションの輪が広がる。20人が2~3人ずつでもいいし。一人が一人だけでもいいから。

その輪があちこちの地域で広がって、世界中で、STAY HOMEを癒す活動にならないかなぁ。だって、e booksでは製紙業や印刷、製本、流通、書店という仕事はなくなってしまいます。ITやロボット化が進んだ後に、残る仕事ってどれくらいあるんだろう。省力化された企業が吸い上げる利益で、これまでと同じだけの労働者を雇用してくれるのでしょうか。

法人って、「人」ってついてるけど、どこまで個人を大切にするんだろうか?

いったい、誰が営利団体の企業に法人という名前をつけたのか、そんなことも、ボクはとても気になっています。

2/14(日)15:00~の「誤配だらけの読書会」では、通常の読書会の後、一緒にマイクロコミュニケーション本『足はいつだって前を向いてるじゃん(仮称)』を作ろう会議もやっています。

2/28(日)14:30~の「短歌好きあつまれ~」では、ボクは春を想う歌を紹介したいと思っています。

ぜひ、あなたも参加してみませんか。短歌の会のほうは、こういう時代だから、オンライン参加も歓迎します。

生きていてよろこびなしといふなかれ 春には春の花咲くものを (筏井嘉一) 





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