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損得や効率を考えないのが幸せの秘訣

ゴールデンウイークに温泉に一人旅しようと思った。
もう連休間際で、すでに2泊できるいいお宿が取りにくくなっていた。

そんななかで、2つ候補が絞られた。

1つは、70平米以上もある和室の伊豆の温泉が
1人宿泊にもかかわらず割安だった。
惹かれたのは、お部屋の広さ。

そこを予約した後に見つけたのが、
奥志摩のリゾートホテルだった。
20代の頃から志摩に行ってみたかった。
タラソテラピーのホテルがあって、
そこに行きたいなと思いながら、行きそびれてきた。

なんとなく、志摩という響きに
いつも心惹かれていた。

その奥志摩のリゾートホテルの写真を見て、
私の心は鷲掴みにされた。
森の島と美しい色の水とが織りなす
美しい夕照の景色が、
お部屋の窓から見られるなんて!

宿泊代も、先ほど予約した70平米以上の和室と
同じぐらいだった。

ただ、東京から遠い。
時間もお金もかかる。
躊躇した。

悩んだあげく、私に問うた。
本当はどっちに行きたい?

損得勘定で考えたら、70平米以上の和室は
近めだし、まだ行きやすい方だし、安いし、効率がいい。

それに比べて、三重県奥志摩のホテルは、
広さは半分以下だし、
東京から名古屋まで新幹線に乗って、
名古屋から近鉄特急で賢島までさらに2時間6分。
賢島駅からそのホテルまでシャトルバスで
半島をぐるりとまわりこんで30分。
Googleマップでは、ホテルまでの経路がみつかりませんと表示された。
シャトルバス以外は、船かタクシーという僻地。

でも、その夕照にワクワクした。
見られるかどうかもわからないその景色に
私は賭けた。

最初の予約をキャンセルして、
奥志摩に行くことにした。

旅の出発は、雨だった。
始発に乗って、
前から行ってみたかった瀧原宮にお参りした。
伊勢神宮内宮の別宮で、
これまた、果てしなく遠い。
1日に何本あるかというJRの駅か
路線バスで行くしかない。

途中で、多気という駅があった。
ああ、滝というのは、
「多い気」からきているのだなと思った。
確かに、滝にはマイナスイオンがいっぱいで
エネルギーに満ちている。

滝には、龍神さまがいらっしゃると言われている。
瀧原宮にお参りするのに、
雨が降るのは当然だなと思えた。
龍は、雨を降らせるものだから。

朝の5時すぎに家を出て、
瀧原宮に着いたのは、10時20分頃だった。
山の中にある、静かで厳かなお宮さんだった。
ここは、連休というものを感じさせない
非日常の空間だった。
ここにお参りできたことを感謝した。

visonという華やかな空間で
バスを乗り継いで、
内宮前まで行き、
さらにパールシャトルという賢島行きのバスに乗り、
またホテル行きに乗り換えて、
奥志摩に着いたときには、
雨は上がっていた。

ホテルの部屋からの眺望は、
私が期待した通り、素晴らしかった。
さっそく温泉に入って、
散策もして、
ゆったりとくつろいでいたら、
夕日が刻一刻と美しさを増していった。

目を見張る夕暮れの色の輝きに、
私は魅了された。

損するかもしれなくても
どんなに非効率でも

私の心が動く方を選択する。
頭で考えて決めない。

それがどんなに大切なことかを
都リゾート奥志摩アクアフォレストで実感した。

心が動かない選択肢が、
どれだけ安くて効率的で、
得だったとしても、
心が動かなければお金をかける意味がないのだ。

私が本当に望むもの以外に
1円もお金をかけてはいけない。

ついつい、セールや割安率で
選択してしまうけれど、
選択の基準は割安率ではなくて、
私の心が動くかどうかで
選ばないと後悔する。

ただ、心から私が望むものだけに
お金をかける。
それが、自分を幸せにする秘訣。






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