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君たちはどう生きるか 吉野源三郎が最も伝えたかったこと

まず肝心なことは、いつでも自分が本当に感じたことや、
真実心を動かされたことから出発して、その意味を考えてゆく
ことだと思う。君が何かしみじみと感じたり、心の底から思ったりしたことを、少しもゴマ化してはいけない。そうすると、ある時、ある所で、
君がある感動を受けたという、繰りかえすことのない、ただ一度の経験の中に、その時だけにとどまらない意味があることがわかって来る。それが、本当の君の思想というものだ。

『君たちはどう生きるか』吉野源三郎著 岩波文庫 

吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』を読んだ。
映画を観て、原作を読みたくなった。

おじさんがコペル君宛に書いた、
「常に自分の体験から出発して正直に考えてゆけ」
という言葉が、私の心に響いた。

「ここにゴマ化しがあったり、どんなに偉そうなことを考えたり、
言ったりしても、みんな嘘になってしまう」
グサグサくる。
私は、ゴマ化して生きてきたのではないか。
怒られるのが怖いから、人目を気にして、皆から好かれたいばかりに、
自分の感じたことをおしこめて、ニコニコして周りに合わせる。
そんな一見いい人でいるのは、ただ「立派そうに見える人」なだけで、
「立派な人」には一生なれない。

いいことをいいことだとし、悪いことを悪いことだとし、一つ一つ
判断してゆくときにも、また、君がいいと判断したことをやってゆくときにも、いつでも、君の胸からわき出て来るいきいきとした感情に貫かれて
いなくてはいけない。

『君たちはどう生きるか』吉野源三郎著 岩波文庫 

いつも私は、正解を求めていた。
その正解というのは、この場にいる周りの人が自分に求めていることは何か。求められている言葉、表情、ふるまいをすることが正解だと思い込み、
その場その場の正解だろうと思われることをやってきた気がする。

でも、それでは、自分の人生を生きられない。なぜなら、それは求められていると自分が思い込んだ正解を行動しているだけで、自分の魂から突き動かされているものから行動しているわけではないから。

「いろいろな経験を積みながら、いつでも自分の本心の声を聞こうとつとめなさい」とおじさんが書いたように、自分の本心の声に耳を傾けることが
何よりも大切だと気づいた。

誰かが望む生き方ではなくて、私が本心から望む生き方をするのが、
私の人生を生きることであり、
自分を大切にすることが同時にひとを大切にすることになる世の中に
なっていくということだ。


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