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裁判官の日々01(新シリーズ・フィクション)

私は地方裁判所の裁判官だ。
日本には、建前で、3権分立が言われている。
その1権であるはずの裁判所の裁判官を私は務めているわけだ。
それなりの収入があり、私の知り合いに対する優越感にも浸れる。
世間で横行する「男女差別」も.ない。

それに、私には権限はあるが、
その権限に見合う義務はない。

ある意味やりたい放題なのだ。

今日も、ある犯罪容疑者の裁判を始めた。

私から見ればどう見ても、無罪だ。

しかし、私には与えられた権力がある。

使わない手はないだろう。

世間では多くの女が理不尽な立場に追い込まれて、

苦渋を舐めている。

私は自らの努力で、青春時代を犠牲にし、

今の地位に就いた。

この権力を行使するに値する。

全く正しくて罪のない者を

罪人にできる権限が私にはある。

それを使えるのは、私の孤独な青春へのご褒美でもある。

この刑事被告には申し訳ないが、
というか、申し訳ないなどとは露とも思ってないが、

彼は私の孤独な青春へのちょっとした花束になるかもしれない。



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