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親の生き方が子供の生き方を決める場合

NHKのラジオ深夜便で
筑波大学名誉教授 遠藤誉さんが話していたのを昨日と今日(2022年12月16日)の朝聞いた。

そして、誠実な父親の生き方がその子の生死や運命、生き方まで左右する事の一例として、あり得ないほどのドラマを感じた。
以下が放送日から1週間、あと5−6日は聞けるリンクだ。

大まかにいうと、誉さんの父親は戦前戦中、満州で特許を持ち製薬会社を経営していた。
事業家として成功者だが、自分の生活に必要な金額以上の金を持たず、
現地の中国人や朝鮮人や恵まれない境遇の人たちを
自宅を解放し、食べ物を与え、従業員が夜学に通うことなどを支援していた。

それが、終戦直前にソ連が日本に宣戦布告、
日本軍は情報を持っていたので国民を捨てて逃げた。
その直後に満州はソ連軍に略奪のかぎりを尽くされた。

彼女のいた町はソ連軍がさった後、中国の国民党の根城となったが、
そこは共産軍によって封鎖されて、
餓死者が大勢でた。

彼女の兄妹も飢え死にした。

そこからなんとか出た家族は、是認が飢餓と食中毒で死にかけた時に
奇跡の出会いで助かり、
その後いくつかの軌跡の連続で
彼女は日本に帰り着く。

彼女は大学教授になり、
日本に来ていた中国人大学生を支援したことで、
中国に伝手ができ、
今中国研究の第一人者となっている。

中流以上の位置にいた人間にいくつかの幸運が重なり、
社会の重要なキーマンになっている。

現代の多くの日本人は
稼ぐことを仕事と言っているが、
私が良く言う
「稼ぐのは当たり前
仕事ができて一人前」
はできない人がほとんどになってしまった日本
ここで言う「仕事」とは他者を助けたり、社会をよくすることを意味する
私腹を肥やすことではない。

多くの人は「当たり前になるかならないか」の位置で目一杯で生きている。
とても「仕事ができる余裕はない」。
親の資産やなんらかの事業の成功で偶々稼げることはできても
仕事をせずに、身内の贅沢や浪費をしている人がほとんどの世の中。

中流以上の位置にいる人間なのに
その地位や財力や余裕を
その囲い込みの再生産にしか繋げられない人々。

これをどこから切り崩すか
途方もない道のりだ。


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