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神木のうねり【怪談】


友人達三人と肝試しに、山の中腹にある古びた神社へ行く事になった。
何事も無く神社に着き境内一通り散策し、写真や動画を撮っても特に何も映らないし起こらない。
突然、泥酔状態の友人が境内に生えている松の木に向かって小便をし始めた。自分を含め全員が笑い、もう一人が同様に小便を掛けた。

それから暫くして誰ともなく帰るかという流れになり、車に戻ろうと鳥居を潜ったその時。
小便をした二人が奇声をあげ、山に向かって走っていき、そして消えた。

翌日、その小便を掛けた木の枝の捻じ曲がった部分で、器用に首を吊っているのが発見された。
後から小便をした友人は、その木のうろに無理やり頭から体を突っ込み、趣味の悪い盆栽の様になっていた。

この日以降自分の部屋でカーテンも雨戸も締め切り引きこもる様になった。
それもこれも、至る所にある神社の横を通る度風もないのに枝が揺れ、ミシミシと音を立てながら自分に近づいて来るからだ。

思い込みすぎだと励ましに来たもう一人の友人は、その帰りに近くの神社で首を吊った。

身を案じた母が霊幻新隆なお守りを買ってきてくれたその晩、自室のドアノブに紐を括った。

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