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父の話【不思議な話?】


怖い話……かはさておき、私の父の話だ。
父は若い頃とても気が強い人物だったらしい。気性が荒いではなく、気功とか覇気とかそういう類いのあれだ。

ドラゴンボールで例えるなら

普通の人は界王拳
父は超サイヤ人3

くらいの物があったらしい。嘘か真か、それはもう信じるか信じないかはあなた次第な訳だがともかくとして、兎に角そういう事として話を進めたい。

まさについ先日、こちらの記事で書いたが、四つ葉のクローバーを一瞬で見つけるような人である。



そんな父の気はどうやら父を中心に渦を巻いており、なんと言うか竜巻の様な感じだと言う。故に良い気を半端なく集めてもいたし、悪い気も集めていたそうだ。しかしながら本人自体の気が強いので、良い気は吸収し、悪い気ははじき飛ばしていたのだとか。
もしも近くに七福神と疫病神が揃っていた場合、父には多大なる幸福が訪れるが、近くに居る人には不幸が訪れる、といった具合だ。まぁはた迷惑である笑

かれこれ40年くらい前、父が大学生だった頃、父は学生寮に住んでいた。
どこの大学だったか忘れたので恐縮だが、その学生寮は上から見たら十字架の形になっており、すぐ近くには墓地、誰も寄り付かない池、鬱蒼と木々が生い茂る森があったそうだ(どんな寮だ)。
条件の揃った場所に似つかわしく、霊の噂が絶えない寮で、大きな姿鏡が廊下に設置されており夜1人で立つと後ろに霊が見えるとか、森に入ると帰れないとか、池の真ん中に黒い人影が立っているとか、そういった話が盛り沢山の場所だった。

ある晩の事。父は自室で眠りに着いていた。
特に普通の1日を送りいつも通りに。


「うぎゃぁぁぁぁああああ!!」

と、突如悲鳴が響き渡った。
その声に驚いた父は目を覚まし、扉を開け廊下に出た。父と同じく数人も廊下に出ているが、寮住んでいる人数には足りない。
そのメンツを見て父はすぐにある事に気が付いた。

寮は廊下を挟んで横並びに2列で部屋が設けられている。その真ん中くらいに父の部屋はあるのだが、部屋の左右と、廊下を挟んだ向かいの3部屋の5人がいない。
父の部屋を中心に、5人。

すぐさま左の部屋に入ると、バタバタと宙空をもがきながら
「やめてくれぇ、来ないでくれぇ」
などと喚いていたらしい。
勿論、他の4人も同じだった。

話を聞くと、急に目が覚めたが何故か指1本動かせなかった。暫くして髪の長い女がドアをすり抜けて部屋に入ってきたかと思うと、自分に覆いかぶさり肩を押さえつけ、更には首を絞めてきたと言う。
金縛り自体はちょくちょく起きていたそうだが、こんなにまとめてなのは初めてだった。


その他に聞いた話だと

・深夜、近所の友人宅より歩いて帰宅していたところ、足のない女が音もなくついてきた
・自宅で仕事をしていると、不慮の事故で亡くなった友人が袖を引いた
・事故や怪我病気続きだった知人が、父から遠い県に引っ越した途端に仕事や人間関係が格段に上手く行き始めた

などなど。忘れてしまった話もあるので恐縮だが、面白エピソードがある父だった。

7月に帰省する予定ではあるが、その際にまた祖母や父から話を聞いてみたいと思う。

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