ドラマ『名探偵ポワロ』を見た方におすすめの原作短編集

ミステリの女王と呼ばれたアガサ・クリスティーの生み出した名探偵エルキュール・ポワロを主人公としたドラマシリーズ『名探偵ポワロ』は全70話が製作されています。そのドラマの解説本・新書を8月末に刊行するのに際して、お伝えしたいことがあったので、書きます。

それは、このドラマの前半はほとんどが短編小説から構成されており、長編作品33話に対して、残り37話は短編由来なのです。

そしてその短編の多くは、短編集数冊でカバーできます。短い時間で、サクッと読め、かつドラマを見た後でも見る前でも楽しめますので、是非、『名探偵ポワロ』が好きな方は、短編集をお楽しみください。

以下、短編集の紹介です。

01. ポアロ登場

『ポアロ登場』全14話分をカバー。これを最初に読みましょう。

01. 西洋の星盗難事件
02. マースドン荘の惨劇
03. 安アパート事件
04. 狩人荘の怪事件
05. 百万ドル債券盗難事件
06. エジプト墳墓の謎
07. グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件
08. 首相誘拐事件
09. ミスタ・ダブンハイムの失踪
10. イタリア貴族殺害事件
11. 謎の遺言書
12. ヴェールをかけた女
13. 消えた廃坑
14. チョコレートの箱

02. 教会で死んだ男

次にドラマ原作短編が多いのは『教会で死んだ男』です(未映像化作品1、非ポワロ作品2話を含む)。『ポアロ登場』をあわせれば、これでもう24話をカバーできます。

01. 戦勝記念舞踏会事件
02. 潜水艦の設計図(「なぞの盗難事件」の原型)
03. クラブのキング
04. マーケット・ベイジングの怪事件(「ミューズ街の殺人」の原型)
05. 二重の手がかり
06. 呪われた相続人(未映像化)
07. コーンウォールの毒殺事件
08. プリマス行き急行列車
09. 料理人の失踪
10. 二重の罪
11. スズメ蜂の巣

03. 死人の鏡

続いて『死人の鏡』です。こちらはやや中編ぐらいの長さで、4編掲載です。

01. 厩舎街の殺人
02. 謎の盗難事件
03. 死人の鏡
04. 砂にかかれた三角形

04. ヘラクレスの冒険

ポワロ作品の短編のボリュームでは『ヘラクレスの冒険』もトップクラスです。英雄ヘラクレス(エルキュール・ポワロの「エルキュール」は「ヘラクレス」由来)の十二の功業と呼ばれる試練・戦いをモチーフにした全12編からなります。

ドラマではこの短編集を再編成して第69話「ヘラクレスの難行」として放映しているため、最終回直前という相当先の放送となりますが、原作自体はポワロの短編を読んでいれば問題ないので、是非、お楽しみください。

ここまで、わずか4冊しか取り上げていませんが、29話のドラマ原作の短編を紹介したことになります。なんという読者に親切な物語のボリュームでしょうか。

05. 黄色いアイリス

ここからの短編は、他シリーズも混ざってきます。ドラマ化された短編のみを取り上げます。

01. バグダットの大櫃の謎(「スペイン櫃の謎」の原型)
02. あなたの庭はどんな庭?
03. 黄色いアイリス
04. 船上の怪事件
05. 二度目のゴング(「死人の鏡」の原型)

06. 愛の探偵たち

この短編集も、他シリーズを含んでいます。というより、他シリーズの方が多いです。ただ、ミス・マープル作品の「申し分のないメイド」はメイド作品スキーとしておすすめなので、こちら是非、買いましょう。

01. 四階のフラット
02. ジョニー・ウェイバリーの冒険

07. クリスマス・プティングの冒険

01. クリスマス・プディングの冒険(「盗まれたロイヤル・ルビー」)
02. スペイン櫃の秘密
03. 負け犬
04. 二十四羽の黒つぐみ
05. 夢


関連リンク

アマゾンPrimeに『名探偵ポワロ』があります。シネフィルWOWOW(月300円)に加入すると全話が見られるので、そちらをお勧めしています。

NHK BSでも今、放送中です。

より詳しく知りたい方にはこちらをお勧め。


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