私たちの欲望は一瞬ごとに多様な形をとる。万華鏡みたいに。環境やタイミング、受ける刺激や呼吸の速さ、おそろしく多くの要素によって、私が求めるものは変化する。

 波は繰り返しのようでいて全く同じものはない。毎回加わる力や形状、音、光の反射などが変わる。欲望もこれに似ている。同じ欲望が繰り返されるようでいて、都度異なる。あるいは大きく変化することもある。それは乱れに見える。しかし大きな目で見れば整ったリズムのうちの一拍でもある。

 継続することはリズムに乗る意味で楽だが、そこに拘りすぎることでリズムは不自然にもなりうる。波が暴れたい時に暴れさせ、凪ぎたい時に凪がせる。これらの「外れ値」に思える現象もまた継続の一場面である。

 それは断続に見える継続である。生きているだけで何らかのリズムは発生し継続が起きている。断続にせよ継続にせよ、波をつかまえ、乗るこの瞬間が楽しいのだ。

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