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【B-2-1-A】勇者さまっ!出番です!!

これは、選択肢によって展開が変わる
「なんちゃってゲームブック風物語」の一部です

▶ぼうけんをさいしょからはじめるばあい
https://note.com/kudotomomi/n/n9a641f1d1573

▶ぜんかいまでのぼうけんをふりかえるばあい
https://note.com/kudotomomi/n/nb43869fdf6d8
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迷いの森でのたたかい

勇者は、モンスターを攻撃した!!

ミス!勇者の剣はモンスターの身体をすり抜けた!

勇者
「こいつ!実体がないのか!?」

イザベルの攻撃!

イザベル
「ホーリーエスプランドル!!エクストラ!!」

イザベルはアンデット系モンスターに有効な一級魔法を唱えた!

モンスター
「ぎゃああああ!!やめろー!!その呪文はやめろー!!」

モンスターに200のダメージ。
モンスターの青白い炎が小さくなってさっきより本体がはっきりと見える。

イザベル
「勇者様、今です!今なら攻撃が効くはずです!」

勇者
「よっしゃー!!これで終わりだ!」

勇者が切りかかったその時、突然モンスターが叫んだ。

モンスター
「ご、ごめんなさあああい!!びゃああああああ!!!」

モンスターは叫んだというより…泣き出したのだった。滝のような涙とともにシュルシュルと姿が小さくなっていき、そこに現れたのは小さく白いおばけの子供だった。

おばけの子供
「ぼく、にんげんをおどろかすしゅぎょうをしていただけなんです。このもりにおばけとしてすみつづけるためには、それがひつようなんだ」

勇者
「え…あ…そうなの…か?子供?」

イザベル
「どうやらこの子の言うことは本当のようですねぇ」

イザベルはそう言って静かにおばけの子供に近づくと、頭をなでて、ギューッと抱きしめた。

イザベル
「あなたいい子ね。よくがんばりました。きっと素敵なおばけになれるわね」

おばけの子供
「ほんとう?」

イザベル
「うん。でもね、できることなら人間が喜ぶようなことで驚かせてくれるおばけになった方がいいわよ」

おばけの子供
「よろこぶようなこと?」

イザベル
「そうよ。たとえば…こわーいおばけが出た!と思ったら、迷いの森の抜け道を教えてくれる優しいおばけだったら、きっと人間たちはとっても驚くし喜ぶ思うわ!」

おばけの子供
「ほんとう?!」

イザベル
「ほんとうよ!そっちの驚かせ方のほうがよっぽどお姉さん好きだわぁ。どう?できる?」

おばけの子供
「うん!できるよ!ぼく、もりのぬけみちしってるもん!」

イザベル
「わぁ!本当に抜け道を知ってるなんてお姉さんもうびっくり!!」

おばけの子供
「わーいわーい。おどろいてくれたぞー!うれしい!ぬけみちはね、こっちだよ~!」

勇者は、イザベルの鮮やかな切り抜け方をみてあっけにとられた。そして、イザベルはそんな勇者にウィンクした。

勇者
(驚くの意味が違うけど…とんちがきいてていいね…やっぱり僧侶だからとんちがうまいのかな…)

おばけの子供はまじめな子だったらしく、的確な道案内で無事、迷いの森のゴールまでたどり着くことができた。別れ際、おばけの子供は勇者たちにとてもなつき、別れを惜しがった。そんなおばけの子供を宥めるために、イザベルはどこからかキャンディを取り出して、おばけの子供に与え、今度また遊びに来る約束をしていた。クールなのか天然なのかわからない僧侶である。そんな光景を見て勇者は少し心が和んだ。

勇者
「イザベル、俺…君を選んでよかったよ」

イザベル
「光栄なお言葉ですわぁ。これから先も頑張りますわね」

ともあれ、思いのほか早く迷いの森を抜けることができた勇者たち。アーガム湖のほとりにある村で、予定通り宿をとることにした。

宿の人
「あんら、旅の人。こんな遅い時間にお疲れさまでございます」

勇者
「部屋はあるか?」

宿の人
「はい~!あ…でもすみません。いま一つしか部屋があいとらんもんでして…おふたりでひと部屋でも大丈夫でしょうか?」

勇者
「ひ…ひとへやぁ…!?」

イザベルとふたりで一つの部屋!!
勇者の頭が一時的に混乱した!!

イザベル
「わたくしは問題ありませんわ~!」

勇者
「え!?」

イザベル
「何か問題でもございますか?勇者様はお嫌でしょうかぁ?」

勇者
「え…あ、その…イザベルがいいなら…別にいいんですけど…その、あの何をするわけでもないですし」

宿の人
「ではでは、ゆっくりお休みなさいませ」

さて、勇者とイザベルは無事安眠できたのか!?

最終章へ続く…
https://note.com/kudotomomi/n/nc873f7dfa641

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