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ワイガヤとは

Mitchellさんの記事にもありましたが、来週はもう診断士一次試験の日なのですね。
例のやつがまた活発化しているニュースが増えてきましたが、受験生の皆さんは健康に十分注意して来週の試験に臨んでください。

ワイガヤとは

さて、前回アフターコロナに向けてというテーマで下記の記事を書きました。

この中でホンダの取り組み方を紹介するなかで、ホンダ流のワイガヤに関して少しコメントしましたが、今回はこのホンダ流ワイガヤに焦点を当ててみました。

『ホンダ流ワイガヤのすすめ』

今回こちらの本を参考にしました。仕事のネタになるだろうと思い古本で買ったのですが、そのまま放置していたのを思い出して読んでみました。
本書ではワイガヤのことをあえて別の言葉で説明するとして、以下のように定義しています。

「集団的な議論を重ね、ものごとの本質に深くアプローチし、結果として高い価値やイノベーションを生み出すための効果的なミーティング手法」

本間日義『ホンダ流ワイガヤのすすめ』

ただ集まってワイワイガヤガヤするだけではありません。
また、たんなるブレーンストーミングではなく、会議やミーティングの枠を超えた、一種のコミュニケーションの場であると解説されています。

ホンダ流ワイガヤの効果

その効果ですが、話し合いを活性化させて新しい価値や解決策を生み出すだけにとどまらず、参加したメンバーの意思が通じ合うようになり、会議や打ち合わせ以外の時間でも良好なコミュニケーションがとれるようになる。その結果、部門を超えた協力者を次々と増やしていくことができ全社的なムーブメントに発展させることが期待できるそうです。

本書では1981年に発売されて大ヒットとなったホンダ シティの開発現場の経験からワイガヤの価値が語られております。開発の詳細やワイガヤの具体的な手法に関しては本書を読んでいただきたいのですが、当時のホンダの社風や開発現場のノリとワイガヤが非常にマッチして、革新的なシティという車が開発されたということがわかりました。

ホンダ 初代シティ

また、著者は現在の日本はモノづくりの現場で新しい価値を生み出せていないと語っています。
ただし、海外の革新的な製品もスティーブジョブスのような天才が一人で開発したものではなく、企業活動の中から生まれてきているのは間違いないとも語っています。企業の中で革新的なアイデアの種が発想され、そのアイデアを封殺するのではなく周りを巻き込んで育て、実現させるために動き出すよう方向づけさせられた結果、革新的な製品が世に送り出されるのです。

このような背景からも、アフターコロナを見据えて現場主義を重視しようとする動きは、新しい価値を生み出すためのホンダとしての対応策なのだと思いました。

余談

余談ですが、この本の中でホンダが過去の大ヒット作シティを開発する背景として、1978年に経営トップから「省エネ・省資源時代の決定版を作りなさい」「若者ユーザーを取り返したい」という指示が出ていたそうです。
45年前の話ですが、なんだか現代の日本の自動車市場の課題と変わらない話でしたね。そう考えると今こそワイガヤが必要なのかもしれません。

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