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チームにおけるヒーラー(支援職)の役割

こんにちは、kubopです。
今回はコミュニケーションにおける「支援」についてお話しできるかなと思ってnoteを書いてみます。


ヒーラー(支援職)とは

私は小中高と、ずっとMMORPGをしていました。

MMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)とは、「大規模多人数同時参加型オンラインRPG」のことである。

https://ja.wikipedia.org/wiki/MMORPG

時に学校に行かなかったりするくらいには熱中していました。
主に職業はヒーラー(支援)職をしていて、アタッカー職をしたことがありませんでした。

ヒーラーとしての役割は、メンバーの体力回復、バフ(基礎能力の向上)、デバフ(基礎能力低下)・状態異常の解除でした。
メンバーが傷付けばその場にすっ飛んでいき回復させ、全員にバフをかけて、デバフ・状態異常があれば解除しに行くといった立ち回りです。

基本目的は「狩り(モンスターを倒す)の時間とチームの経験値効率を最大限にすること」です。
体力回復薬を補充する期間が長ければ長いほど継続出来、チームの攻撃力や防御力を上げれば経験値効率はアップします。

私は青春時代をヒーラーに全てをかけていて、この役割が大好きでした。

コミュニケーション能力とは何か

ここ数年、ずっと「コミュ力」という言葉が蔓延していますが、有用なコミュニケーション能力には2種類あるんじゃないかと考えていました。

  1. 事象を正しく相手に伝え、かつ受け取る能力

  2. 相手の状態を理解し、支援できる能力

1. 事象を正しく相手に伝え、かつ受け取る能力

事実となる情報や、相手が知りたいと思っている情報を、相手に論理的に説明することができる能力のことです。
また、事象を相手から受け取った際に、正しく事実を理解・聞き出せる能力のことを含みます。

前者で言えば論理展開、後者で言えば傾聴力となると思います。

2. 相手の状態を理解し、支援できる能力

相手の感情的状態、ネガティブかポジティブか、或いは別の状態異常になっているかを判断し、言動によってニュートラル、またはポジティブな状態にしていく能力のことです。(もちろんネガティブにさせることもできます。)

ポジティブな方面で言うと、相手の感情的状態が0.8であれば1に戻し、1であれば1.2くらいにする能力のことを指します。
基本他人はコントロール不可ですが、言葉によって感情を0.1 - 0.2ポイントくらい動かせることもあると思います。

ヒーラーとコミュニケーションスキル

仮想世界のヒーラー

2の相手の状態を理解し、支援できる能力は、ヒーラーの役割にとてもよく似ています。
チームメンバーの状態を把握し、異常があれば即座に対応する。効率をさらにアップさせます。

メンバーがネガティブな状態異常であれば

ディスペル状態異常解除

ディスペル

を唱えます。

メンバーがニュートラルな状態であれば

オフェンスアップ攻撃力向上
ディフェンスアップ防御力向上

オールアップ

を唱えます。

現実世界のヒーラー

現実世界のヒーラーでは、本当に傷を治したりすることは出来ませんが
メンバーの状態を理解して適切なコミュニケーションを取ることができるはずです。

メンバーがネガティブな状態異常であれば、ディスペル状態異常解除のような言葉を投げかけてあげることもできるし、

メンバーがニュートラルな状態であれば、オフェンスアップ攻撃力向上ディフェンスアップ防御力向上出来るよう士気を上げる言葉を投げかけたり、円滑なコミュニケーションを出来る手助けをすることができます。

本当に魔法は使えなくても、同じような効果があるならそれは魔法でしょう。

ヒーラーとチーム

ヒーラーのコミュニケーションスキルは生産性を向上させるかも

人間はネガティブな状態、つまり失敗や、批判を受けて自尊心が低くなってしまっている状態は暴力と同じよう傷ついているのだそうな、さらに自尊心が低いとタスク持続性(つまり生産性)が低下する可能性があるようです。

自尊心が下がることを、殴られたり蹴られたりするのと同じように感じるらしい。脳は感覚器官からの入力を処理するだけなので、ナイフで刺されることと、面とむかって批判されること(いまならSNSで炎上すること)を区別出来ない。

橘玲. バカと無知人間、この不都合な生きもの(新潮新書)

自尊心と「タスクの持続性」が関係していることがわかっている。自尊心が高いと、失敗に直面しても粘り強く続けることができる

橘玲. バカと無知人間、この不都合な生きもの(新潮新書)

※しかしながら、「褒めて伸ばす」というわけではなく、プロセスを見た上で適切な呪文を唱えるのが良いと思われます。(所謂ピグマリオン効果ではない)

ヒーラーのコミュニケーションは以下の動画のGiverに近く、他者志向であると思われます。

証拠になる事実はたっぷりあります 非常にたくさんの研究が 「与える」行為の チームや組織の中での 発生頻度を調べており 人々が助け合い 知識を共有し合い 面倒を見合う頻度が高い組織ほど 測定可能な あらゆる指標において 優れていました 利益率 顧客満足度 従業員の定着率は高く 営業費削減につながってさえいたのです

https://digitalcast.jp/v/25424/

秘密兵器は 「5分間の親切」です

本当に基本的なことを 宣言するだけでもいいのです 「よし これから 働きが周りに 認知されていないような人を 称賛できるかどうかやってみよう」

https://digitalcast.jp/v/25424/

雑談すると見えてくること

ヒーラーとして、チームメンバーの得意属性と弱点属性を把握するのは非常に重要です。

火属性を得意としているのか、水属性が弱点なのか。
何を得意として、何を不得意としているのか。
何を言われたくて、何を言われたくないのか。

あくまで雑談は手段で、目的は生産性向上ではありますが、適切に呪文をかけるには情報が必要となります。

時間×人数

いかに良いヒーラーがチームにいたとしても、バフ効果やデバフ解除効果は極小だと思います。1.1倍か、それ以下かなと思います。
ですが、長時間になり、大人数ヒーラーを担えるようになった場合は効果は数倍に跳ね上がります。

バフ・デバフ解除が出来る人が1名では1.1倍の効果で範囲が極小でも、2人いれば1.1倍の効果の範囲が2倍になります。
さらに月の生産性が1.1倍である場合、数年後のアウトプットに相当な差が生まれます。

多くのメンバーが長い時間関わることを考えると、一人がパフォーマンスを出すだけではなく、周りが加速するための取り組みが求められてくる。いままではレベル高い人がパワーで殴れば敵を倒せていたものが、メンバーにバフをかける役割の重要度が上がってくる、みたいな感じ。

- チーム間でのコミュニケーションを円滑化させる(ツール導入や会議体をうまく設定する)
- そもそも普段の開発効率を上げる(CI高速化とか)

https://mugi1.hateblo.jp/entry/2022/12/15/000000

ヒーラーとこれから

組織においてヒーラーとして役割を担える人の重要度が結構上がってくるんじゃないかなぁと考えています。(EMとか?QAとか?
今までは「なんとなく良い人」、言語化されていない、数値化されていないからよくわからない人。だったのが、感情のベースアップによって組織の持続可能性や、生産性向上に寄与できる人になっていくんじゃないかと思っています。


全国のヒーラーのみなさん、お疲れ様です。
これからも支援職として頑張ってヒーラーの良さを布教していきましょう。
そしてこれからも「狩りの時間とチームの経験値効率を最大限」にしていきましょう!

ヒール!

2023/1/17追記

こういった声出しや、心理的安全性を作ることでチームの生産性は確実に
オフェンスアップ攻撃力向上 ディフェンスアップ防御力向上
されているとおもいます。
細やかな気遣いが出来ると、雰囲気が良くなり、コミュニケーションがスムースになる事でチーム全体のボトルネックが解消されるのはまぎれもない事実かなと思います。

そういった方の細やかな気遣いを「ヒーラー」と名づけることで認知率を上げて、適切に評価されるようにアシスト出来れば良いなと思います。


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