薬剤師が教える3分でわかる痛み止めの正しい知識

「頭が痛い」「肩、腰が痛い」「歯が痛い」そんな時鎮痛剤を飲む方が多いと思います。私も痛みに弱いのですぐに飲んでしまいます。しかし痛み止めの長期服用や過剰摂取は注意が必要です。

そこで今回は痛み止めの正しい使い方を教えます。

痛みを感じる原因

シクロオキシゲナーゼと呼ばれる酵素により痛み物質(プロスタグランジン)を作り出してしまう事が原因です。

痛み止めが効くメカニズム

痛み止めのメカニズムはズバリ痛み物質(プロスタグランジン)を作り出すシクロオキシゲナーゼと呼ばれる酵素の働きを抑える事です。プロスタグランジンの生成を抑える事で痛みを感じにくくします。

痛み止めの長期服用、過剰服用がいけない理由

実は痛み物質を作り出すシクロオキシゲナーゼは悪さばかりをしているわけではありません。シクロオキシゲナーゼは胃の粘膜保護作用など体に良い事をしてくれる物質を作る酵素でもあるのです。以上のことから安易に痛み止めを長期間服用し続ける事は胃の粘膜を傷つけることになります。

痛み止めで恐らく一番服用されているロキソプロフェンを例に1日服用回数、推奨服用期間を見てみましょう。

〈医療用医薬品 ロキソプロフェンナトリウム〉
通常、成人は1回1錠(ロキソプロフェンナトリウムとして60mg)を1日3回服用。頓用の場合は、1回1~2錠(60~120mg)を服用します。
服用期間は医師の指示に従うこと。

〈一般用医薬品 ロキソニンS〉
15才以上1回1錠1日2回まで。
服用期間は3~5日間。
「服用しても痛み等の症状が繰り返される場合には,服用を中止し,医師の診療を受けて下さい」

上記内容より医療用医薬品と一般用医薬品では用法用量・服用推奨期間が違うことがわかります。上記の服用方法を守れていない方は医師に相談しましょう。

痛み止めを服用しても良くならない頭痛に注意

頭痛の種類は多くありますが、片頭痛に対しては痛み止めは効果を示さない事が多いと考えらています。片頭痛の原因は、普通の頭痛とは異なり、セロトニンと呼ばれる脳内ホルモンが関係していると考えられているからです。片頭痛に対しては、イミグランやレルパックスと呼ばれる専用の医療用医薬品がございますので、痛み止めを飲んでも改善しない頭痛をお持ちの方は、是非医療機関に相談しましょう。

比較的安心して飲める痛み止め紹介

カロナール(アセトアミノフェン)
カロナールは妊婦さんにも処方される事がある痛み止めです。ロキソニンなどの痛み止めとは違うメカニズムで痛みを抑える事がわかっており、胃不快感などを引き起こしにくく、比較的安心して飲める痛み止めになります。

今回も記事を読んで頂きありがとうございました😃