高齢者のダイエット
2023年3月3日
管理栄養士
かべからくぎ
高齢者のダイエット
目次
高齢者のダイエット... 1
75歳以上の後期高齢者に該当する人もダイエットはできます。... 2
体重は基本、エネルギーバランスで成り立っています... 2
食事量を極端に減らせばダイエットは挫折しますのでGI値の低い食品を選ぶ事です... 2
血糖値を急激に上げない事が低GI値ダイエットとなります... 2
食事は食べる順番を考える事... 2
腹8分にして胃を小さくする事... 2
長期計画になりますので結果がなかなか出なくても継続して下さい... 2
高齢者にとって難しいのは運動です... 2
具体例... 3
ダイエットはカロリー制限だけではありません... 3
75歳以上の後期高齢者に該当する人もダイエットはできます。
BMI 22以上の後期高齢者はBMI 18以下の人より生命予後は良好です
しかしⅡ型糖尿病に罹患している人でBMI 30(肥満1度)の人は
ダイエットが必要になってきます
若い人みたいに直ぐには体重は落ちませんが
気長に努力すれば確実に体重は減りHba1cは改善します。
体重は基本、エネルギーバランスで成り立っています
食事量を極端に減らせばダイエットは挫折しますのでGI値の低い食品を選ぶ事です
血糖値を急激に上げない事が低GI値ダイエットとなります
Ø 低GI値とは血糖値を急激に上げない食品の事です
Ø ご飯や麺類等主食には糖が含まれているので食べたら血液中に血糖値が上昇します。
Ø 血糖値が上昇すれば膵臓から「インスリン」というホルモンが出て糖を速やかに
各組織に送る役目を担っています
Ø 血糖値が急激に上がりインスリン分泌量も多ければ体内は糖を溜め込もうとします
Ø その結果、溜め込まれた糖は脂肪に変化します
Ø 血糖値が急激に上がりインスリンで急激に下げると空腹感を脳が感知します
Ø その結果、ドカ食いや間食が多くなり太るというメカニズムです
食事は食べる順番を考える事
Ø 先に食物繊維の多い野菜や小鉢を食べてから主菜とGI値の低い主食を食べる方法
腹8分にして胃を小さくする事
長期計画になりますので結果がなかなか出なくても継続して下さい
その結果、体重は減少して血糖コントロールも改善します
(消費カロリーより摂取カロリーが多ければ当然体重は増えますので長期戦になります)
高齢者にとって難しいのは運動です
(なぜならば加齢と共に膝軟骨の水分は枯渇し腰股関節も変形しているからです)
無理な運動はしないようにして下さい。
具体例
l 75歳女性
l Ⅱ型糖尿病(13年の既往歴)、高血圧、脂質異常症
l Hba1c 7,0 BMI 32(肥満1度)、浮腫あり
l 服薬:血糖降下剤(αグルコシダーゼ阻害薬)1種類のみ投薬
l 降圧薬2種類、脂質異常症薬(HMG-COA)も服薬
l 膝・腰に痛みあり(過体重、脊椎すべり症)
l 散歩もままならない身体機能で基礎代謝低下して直ぐに痩せない体質になっている
l 体重推移:増加なし(現状維持)
l サルコペニア肥満(筋肉量が落ちて脂肪だけが残っている)
(視診、身体計測、問診結果)
l (身体計測)AC、TSF、CC、キャリパー法は肥満なので意味なし
l 握力、下肢筋力、体幹起立筋の低下にて評価、動作緩慢運動性低下、発動性低下
l 骨粗鬆症で容易に骨折するので無酸素運動の筋トレも出来ない
Ø レジスタンス運動不可
通常ダイエットはBMI32ならば一か月間で急激に落とすが底になれば三か月スパン計画(75歳の後期高齢者にはその方法が通用しない、細かいカロリー制限は愚の骨頂)
l 本人様もダイエット出来ずに学習性無力感に陥っているが栄養指導に来ている限り
希望は捨ててはいない
l 最後にはもう長生きしたくないと言われる
ダイエットはカロリー制限だけではありません
食べ方、低GI値、生活習慣を変えるだけでHba1c数値は確実に改善する事を
私は栄養指導経験で実証済みです
年齢を重ねていけば様々な疾患と上手く付き合っていくライフスタイルとなります。
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