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人体から衣服まで楽しく描けるようになる「ジェスチャードローイング」で絵作りを学ぼう!

KUAイラストアドベントカレンダー、12月12日はふるり先生から『人体から衣服まで楽しく描けるようになる「ジェスチャードローイング」で絵作りを学ぼう!』です!



こんにちは、イラストやマンガを描いてる、ふるりと言います。KUAのクロッキーⅡ着衣の採点講師をさせて頂いております。

私は4年前にイラストを描き始め、練習をし続けました。ジェスチャードローイングに出会い、人体や服を描くのが楽しくなりました。

そこで今回は、ジェスチャードローイングが絵の練習にとても良いことをご紹介できたらと思います。


ジェスチャードローイングをしてどう絵が変わる? 顔しか描けなかった私が練習して気付いたこと。

ジェスチャードローイングに出会うまで、私はクロッキーやデッサンを頑張っていました。しかし、上達しているのかわからず、続けることだけが目標になっていました。

そんなとき、2020年の12月に、砂糖ふくろうさんのジェスチャードローイングを見て、「なんてかっこいい線なんだ!」と感動。すぐジェスチャードローイングに取り組んでみました。

もちろん最初は「ジェスチャードローイングって何?」から始まりました。「この練習をして何になるんだろう?」とも思いましたが、ドローイングへの憧れが強く「とにかく続けてみて何かを掴みたい!」と思いました。

砂糖さんや栗田唯さんの講座を受け、ひたすら練習を続けました。

私はジェスチャードローイングに出会うまでは、正直顔を描いて満足し、全身を描くのがとにかく苦手で。リファレンス通りに真似て描くことはできますが、リファレンスを動かすことができませんでした。

しかし、ジェスチャードローイングの「短時間で全身を描く」ことを続けると、全身を描くハードルがどんどん下がり、気付いたら全身を描くことが楽しくなっていたんです!

こちらが2018年に描いていたクロッキーです。

こちらが2022年に描いたジェスチャードローイングです。

線が全く違うのが分かってもらえるでしょうか?

人体が難なく描けるようになる!考えながら線を引こう!考えるのが苦手なら手を動かそう!

ジェスチャードローイングとは、簡単に言うと「見たまま描く」のではなく「印象を大切に線を引く」ことです。「短時間」で「全身を描く」ことが大切です。

私はとりあえず、毎日10体、目指せ10,000体!を目標に描いていきました。最初に描いたジェスチャードローイングはこちらです。

どうでしょうか? もやし、量産です!! まったく描けませんでした(笑)。

でも、見たまま描くことが目標ではないので、とても気楽ですし、「答えがない」というのも、私には探究心がくすぐられました。

講座で教えてもらった通りの描き方をひたすら続けました。砂糖さんや栗田さんの言っている言葉の意味を、ひたすら考えました。

すると、徐々に、砂糖さんや栗田さんの言っている意味がわかるようになってきました。

ここで、私はとあえて前置きをしますが、私は「考えながら描く」をひたすら続けました。この考え方がとても合っていたのです。

今までのクロッキーは逆に頭を空っぽにし、ひたすら手を動かしていましたが、それだと限界を迎えていました。たぶん考え方を変える必要があったのだと思います。

ジェスチャードローイングとは何か、どうしてドローイングにこういうルールがあるのか、伝わりやすいドローイングって何だろう? なんで砂糖さんはこの時こう言ったんだろうか? ラインオブアクションってこういうこと? CSIで描くって何?

考えに考え抜いて、それを線に乗せていきました。

ジェスチャードローイングの講座を受けたことがある人は聞いたことがあると思いますが、「ラインオブアクション」や「CSIで描く」「ラウンド」などの用語を意識して描くことで、意味と線がどんどんマッチするようになりました。

「え、考えながら練習? 苦手だ……」と思われた方、大丈夫です。「ひたすら手を動かす」と、今度は逆に「意味が分かるようになる」という現象になります!

しかし「たくさん描く」ことは必要になると思います。

構造を理解し、2Dでどう表現するかがわかるように。ラッピングラインを知ろう!

ジェスチャードローイングを練習として続けると、「構造がわかる」ようになりました。では、構造とはなんでしょうか?

私は3Dを2Dに落とし込むため、最低限の線で表現することだと思います。
海外の講座で「蒸留」という言葉を使って表現されていましたが、まさに!煮詰めて一番良い線を引く。単純な線で表現するからこそ、構造の理解が必要なのだと思います。

私はデッサンが苦手なので、絵に奥行きがなく、平面的でした。面で捉えるのもとても苦手でした。でも、伝わるドローイングは奥行きが感じられます。

私は、最初の頃、円のパースがまったくわからず、静物画をスケッチしても、円の歪みが矯正できませんでした。

そこで思ったのは「円パースを理解したい!」ということ。円パースがわかれば、のっぺりとしていない、奥行きのあるドローイングになるのではないか、ただアウトラインを追うドローイングから卒業できるのではないかと思ったからです。

円パースより前段階のラッピングライン(=構造を包み込むように描くラインのこと)もわかりませんでした。なので、自分のドローイングに、ひたすらラッピングラインを引いて引いて引きまくりました。

すると、徐々に人体を円柱や図形で捉えるということがわかるようになりました。

「これは、よく教本でみるやつだ!!」

以前の私はこれを描くことが苦痛で仕方なく、ただ難しい大変な練習だと感じていました……。ところが、徐々にですが理解できるようになってきたのです。

構造が理解できると衣服を描けるようになる!

では、構造が理解できたら具体的に何が描けるのか?

私は今まで苦手だった「衣服」が描けるようになりました。

以前は衣服のシワがわからず、リファレンス通りにしか描けませんでした。しかし、ラッピングラインがわかったことで「服のシワってラッピングラインで入るのかも?」と気付き始めたのです。

どこが引っ張られ、どこに向かってシワが入るのか。リファレンスをみても解像度が上がり、リファレンスの見方も変わりました。シワの詳細を追わなくなり、大きな流れで見ることができるようになりました。

また、服も人体同様円柱です。この円柱の理解も、ラッピングラインで進みました。

良いポージングとは?

さらにジェスチャードローイングの考え方を描いて深掘りしていくと、絵作りに必要な考え方も分かるようになりました。

ジェスチャードローイングは「リズムとフロー」を大切にします。

たとえば、棒立ちポーズより、体をひねることでリズムが生まれます。片方がシンプルなシルエットなら、片方はコンプレックス(複雑)なシルエットの方がリズムがあります。

このように、ポージングの面白さも追求できます。キャラ絵や漫画でも、この考え方は同じです。動物のドローイングも同じようなことが言えます。

「見たまま」ではなく「伝わるようデザインする」ことを、私はジェスチャードローイングで学びました。

絵の練習を頑張っている方のなかで、私と同じような悩みにつまづき悩んでいる方も少なくないと思います。

「今までジェスチャードローイングに興味はあったけど、やってみたい!」という方はぜひチャレンジしてみてください! 正解がないので、自分の印象を大切に、線を引いてみましょう! 必ず好きな線に出会えると信じています!

プロフィール
ふるり

イラストレーター/漫画/38歳からイラストを描き始め、イラストレーターになる。現在42歳(2022年)。KUA採点講師/漫画「結婚したけど別居した」連載中/CLASS101でジェスチャードローイングの講座を開講準備中。https://twitter.com/fururi8



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