三鷹・リスボン|純喫茶から受けとる「気楽にいこうよ」のメッセージ
リスボンを知ったきっかけは、X(旧Twitter)で流れてきた、ランチバスケットのお知らせポストです。Googleマップで場所を探してみると、すでに過去のわたしが行ってみたいリストに保存していました。
ちょうどこのとき三鷹さんぽを計画中。モーニングを食べるならここだ! と、休日にバスと電車を乗り継いで向かいます。
地下でにぎわう純喫茶
三鷹駅の南側は、飲食店を中心に多種多様な店がひしめき、行き交う人であふれるにぎやかなエリア。駅から徒歩3分、雑居ビルの地下1階にリスボンがあります。
「こんなところに喫茶店が?」と疑ってしまうほど怪しげな雰囲気。地下へと続く薄汚れた階段をくだると、営業中の札がぶら下がった「リスボン」の文字が目に入り、安心して奥へと進めました。
リスボン
リスボンは1958年創業、今年2024年で66年周年を迎える喫茶店です。昭和の時代から続き、以前はタバコを吸えましたが、2020年4月から禁煙になりました。
到着したのは、休日の9時頃です。お店の前はひっそりとしており、もしかしたら空いてるかもと期待しましたが、店内をのぞくとほぼ満席状態。厨房に面したカウンター席と二名掛けがいくつかあり、店の隅には半円のカウンターテーブルが配置されています。
数名分空きのあった、壁際のカウンターテーブルに着席したタイミングでマスターが姿を現しました。意外にもマスターはホール担当。すかさずお冷とメニュー表を届けてくれます。
ちょうどモーニングタイムのピークで、注文を受けたりコーヒーや料理を提供したりと忙しそうです。マスターは提供の合間に初来店と思われるお客さんの質問に答えていて、分け隔てなく気さくに接していました。
注文のために声をかけようか迷っていたとき、店内の隅にいたわたしにもすぐに気づいてくれました。店内にいるすべての人に気を配っているのが伝わります。
リスボンのコーヒーはサイフォンで淹れてくれます。サイフォンだからこそ熱々のできあがり。ほんのりフルーティな酸味があり、かろやかな後味です。
そういえば注文のとき、砂糖とミルクなしと伝えたら「どちらも!?」となぜか驚かれました。笑 リスボンではブラックがめずらしいのでしょうか……?
リスボンのモーニングセットは、トーストとホットドッグのどちらかを選べます。サラダとゆでたまごがのせられたワンプレートが170円なのはお得! ブレンドコーヒーをあわせた定番の組み合わせなら、520円で朝食をいただけます。
半分にカットされたトーストは、サクッとしていてなかがもっちり。厚切りのトーストに特別感を抱きがちですが、昔ながらの喫茶店で食べるなら、オーソドックスなトーストがかえって味わい深く感じます。
さっぱりとしたドレッシングがかけられたサラダ、固ゆでと半熟の間くらいのちょうどいい茹で加減のたまご、ポテトサラダもついて満足のプレートです。
肩の力が抜ける空気感が漂う
壁側には「こちらに物を置かないでください」と張り紙がされ無造作に積まれた段ボール。バックヤードがないのか、わたしのすぐ隣で身支度をしはじめる9時半入りのスタッフ。あっけらかんとした潔さに、思わずクスッとしてしまいました。
気さくなマスターがつくる「細かいことは気にしない」というおおらかな雰囲気を肌で感じます。歴史のある喫茶店ながらも、訪れやすい理由がわかった気がしました。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?