吉祥寺・LIGHT UP COFFEE|3タイプの浅煎りから知るおいしい酸味
とある自家焙煎コーヒー店にて、舌をつんざくような酸っぱいコーヒーを飲んでから、コーヒーの酸味=まずいというネガティブな印象を強くもっていました。
それからコーヒーがもつ酸についてあれこれ考えたところ、おいしい酸味を体感するしかないと思い至ります。
さっそく浅煎りのコーヒーが軸のカフェを探し、ちょうどヒットしたのがLIGHT UP COFFEE(ライトアップコーヒー)。
どんなコーヒー店か調べてみると、noteで読んだことがある記事を書いた方が運営していると知ります。
おいしい酸味の正体とはなにかを知るために、ライトアップコーヒーの一号店がある吉祥寺に向かいました。
LIGHT UP COFFEE 吉祥寺店
「おいしいコーヒーで日常を明るく照らす」という思いから、LIGHT UP COFFEEと名付けたコーヒーショップ。吉祥寺店からはじまり、2023年9月にオープンした新店・三鷹店をふくめて3店舗を展開しています。
列ができるほど人気店と聞いたので、平日のオープン時間を狙って行きました。
飲食店や雑貨店がひしめく中道通りを歩いていくと、ライトアップコーヒーのブランドカラーであるターコイズブルーがみえてきます。
あんバタートーストとカヌレは、ライトアップコーヒー定番の焼き菓子です。季節限定の焼き菓子として、チーズケーキと米粉の紅茶シフォンケーキが仲間入りしています。
ライトアップコーヒーの焼き菓子は、どれも浅煎りコーヒーとの相性をふまえてレシピ開発がおこなわれるこだわりぶり。
焼き菓子へのこだわりが語られているオーナー・川野優馬さんのnoteを読んでいると「ペアリングってこんなに奥深いんだ」と、またひとつコーヒー愛がふくらみます。
今年で10周年を迎える吉祥寺店は、2022年6月にリニューアルしました。
よくあるテーブルや椅子ではなく、レイアウトを自由に変えられるスツールとサイドテーブルが壁にそって置かれています。
やわらかな風合いのサイドテーブルは、楕円をスパッと切ったような山型が特徴。背面をあわせると2人用のテーブルになる、細やかな設計がおもしろいです。
コーヒーを待っていると、常連らしきわんちゃん連れ3組がやってきて店内がにぎわいはじめました。
ふと見上げると、手描きのイラストがずらり。ペイントやランプ、木材があしらわれることで、親近感や温かみのある雰囲気を感じます。
テイスティングセットで浅煎りゆえの「おいしい酸味」を探る
入店前から決めていた、シングルオリジン3種のテイスティングセットを注文。オープンしてすぐの時間では、アイスでの提供ができずホットのみと断りがありました。
以前は京都店でもテイスティングセットが提供されていましたが、閉店により、現在は吉祥寺店の限定メニューです。(三鷹店では2種類のテイスティングセットがあります)
左から順に
「1つ目のコーヒーは軽やかな風味です」と紹介され、左から順に飲み進めていくのがおすすめと教えてくれました。せっかくなので、バリスタさんの言葉にしたがって飲んでみます。
「SOFT」とそえられた左側のコーヒーは、コスタリカ・タラスのシングルオリジンです。毎年買い付けるほど自信をもっておすすめできるるコーヒー豆と紹介されています。
やわらかな口あたりでまろやかな甘み。おだやかな酸味と上品な甘みを感じ、とっても飲みやすいです。
「JUICY」とそえられた真ん中のコーヒーは、ウガンダ・ブランブリのシングルオリジンです。高品質なコーヒー豆を生産するのに理想的な土壌であり、ライトアップコーヒーでウガンダのコーヒー豆を取り扱うのは、2度目とのことです。
コクのある酸みと甘み。先ほどのコーヒーよりも主張が強い印象で、特徴がはっきりとしていました。
「FRUITY」とそえられた右側のコーヒーは、ブルンジ・ムインガのシングルオリジンです。ナチュラルとウォッシュトの2つがあり、テイスティングセットではナチュラルを採用しています。
飲む前からフルーティな香りをしっかり感じて期待大。フルーツの酸がわかる華やかさと、ベリーのように熟度の高いの果実感が伝わります。1・2とは印象ががらりと変わり、浅煎りコーヒーの魅力あふれる味わいです。
・・・
3種類の浅煎りコーヒーを飲みくらべた結果、1と3のテイストが好みだとわかりました。
それぞれのコーヒーにそえられた"豆カード"の裏面は、テイスティングコメントやコーヒー豆の情報、生産ストーリーがのせられています。
初めは感じるままに数口ずつ飲み進め、2周目は豆カードをながめながらじっくりと。それぞれ味わいが異なるおかげで、コーヒー豆由来のどんな酸が好きなのか、探りながら味わえることにわくわくします。
オープンして間もない時間帯は、バリスタさんひとりですべて対応していたので、提供まで20分ほどかかりました。
わたしがワンオペの立場なら焦ってしまいそうな状況にもかかわらず、この状況に慣れているのか丁寧な所作。提供のときも一つひとつ丁寧に説明してくれ、おいしいコーヒーを届けたいという気持ちが伝わってきます。
入口だけではなく対角線上にあるドアも開け放たれ、風通しのいい店内です。
向かいにある公園ではしゃぐ園児の声が風にのって届き、新緑を眺めながらコーヒーを味わう素敵な時間をすごせました。
「浅煎りコーヒー、好きだ」と確信
「テイスティングセットは時期によって異なるのでまたどうぞ」という言葉とともに、ポイントカードをゲット。ブランドカラーの目が覚めるような青さはとっても好きな色味です。
浅煎りコーヒーがなせるおいしい酸味を実感し、浅煎りならホットよりもアイスのほうがが好きかも? と、好みの傾向がだんだんとわかりつつあります。
過去に飲み干せないほど、とげとげしい酸味を経験しましたが、だからといって深煎り一辺倒にならなくてよかった。コーヒーの幅を狭めなくてよかったなと思い返しました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?