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ほくほくのじゃがいものようになりたい



「もしもし?ねえちゃん?今さー無印にいるんだけどさ」

キッチン用品売場の前で、大学生くらいの男の子が電話をかけていた。

「マッシャーあったよ。欲しいって言ってたよね?買っとこうか?うん、そうそう、じゃがいも潰すやつ」



それを見た瞬間、これは私の中にある、人間関係の理想形だと気づいた。

何気ない会話を覚えていて、ふとした時にきちんと思い出し、ただし勝手に行動するのではなく確認をとり、遂行する(終始、押し付けがましくなく)

家族だけじゃなくて、仕事とか、友人知人関係も、そうだなぁ。

そういうお付き合いの仕方をスマートにやりたいけれど、アレコレ考えてしまい出来ない自分がいて、難しいよなぁ。と思う。

だって、保育園の送り迎えで、正面から他の保護者が向かってくると“あと何メートル近づいたら挨拶するべきか”をいつも無意識に考えてしまう。それくらい人付き合いが苦手である。でも、子供が同じクラスの保護者に会ったら、それなりに世間話は出来る。なのに人見知り。自分で言っててめんどくさい。



30代になって、結婚や出産を経て、好きな人とだけお付き合いすればよい
時期は終わってしまった。関わる人の年齢も、立場も、育った環境も、違う。

それがなんだか寂しいけれど、子供が成長すれば、否応なく自分の交友関係も広がっていってしまう。

今までは、人にどう思われるか、うじうじ考えたって仕方がないし、頑張って愛想振りまく必要はないと思っていたのだけれど、
“外向きの自分”も大切な私の要素なわけで、そんな自分もそろそろ育てていきたいなぁと初めて感じたかもしれない。

じゃがいもをほぐすように、私も形を変えていきたいと、小さなマッシャーを見つめていた。

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