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時に友人は占い師

「それはいいとしてさ、あんなちゃん文章書いたり歌うの好きでしょ?
それやる気力が起こらなかったりしない?」

時に友人は占い師だ。
いや、占いじゃなくて見てたら分かることなんだろうけど。

まさにそう。
「この間話してたビートルズの映画観た?」
あぁ、ごめんなさい観れてない、というか、映画を観る気力もなくって。
「ビートルズは、ストレスフリーの環境で、40曲くらい作ったんだって。ストレスフリーにすることでインスピレーションが降りてくるって話。その時の方法は瞑想だったみたいだけど。」

あぁ、そうだったよなあ。
7年くらい前、まだお店をやる前に、同志のような友だちと2人で定期的に会って、"いつかこういうことをやりたい、やろう"などとわくわくしながら話をしていた。
でも、不思議と毎回会っていきなりそういうワクワクした話にはならなかった。まずはその時の日常に抱えている仕事のことや、恋愛の悩み、それを洗いざらい話した末に、数時間後やっとやりたい事の話に辿り着くんだった。
日常が満たされないことには、自己実現的なやりたいことに目が向かない。


ネガティブなエネルギーから創作をする人もいるのを知ってるから、何かに腹を立てることが逆に創作意欲につながるのかもしれないと思っている部分もあった。
でも実際のところ、書きたい思いがあっても、強い怒りややるせなさを感じていると、文章を書こうとしても、スマホのメモに書き出す言葉は「むかつく、、」とか「信じられん」とか、ただ吐き出すための言葉しか出てこない。
ノートを開く気にもならない。

歌なんてまさにそうで、正直なところ歌う気にもならない。

最近、感情が鈍い。
何か感動するであろうものを見ても、前ほど心から湧き上がるものがない。
何かをおもしろいと感じることも、うれしいはずのことも、大好きな場所に行ったりしてもなんか全部がぼんやりしている。
感じるものはあるけど、それが昔ほど鮮明には感じられない。
まるで窓から見た景色かのように少し曇って見える。
少しだけ焦って、ちゃんと感じようと、そこに留まったりしてみる。
怒っていても悲しんでいても、どこか少し離れたところで自分が見ているような感じもする。

魂が抜けてるのかもしれない。

とりあえずビートルズの映画を観てみたいと思う。

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