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組織のビジョン、どう浸透・定着させる? #1

わたしの所属する、Uzabase SaaS Design Division "DESIGN BASE"はビジョンに「DESIGN FORWARD」という言葉を掲げています。
「デザインで前進していく」「デザインが世界を進めていく」といった意味を持っていて、わたしたちは日々それを意識の中におきながら業務に向かっており、とても大切にしている言葉です。

DESIGN FORWARD

デザインー。それは、
対象の本質を見い出し、人々をはっとさせること。
美しい体験を創り出し、人々をとりこにすること。
斬新な未来を描き出し、人々をわきたたせること。
私たちDESIGN BASEは、
クラフトが持つ大きな力を信じながら
SaaSビジネスの可能性を共創し続ける。
世界を前に進めるために。

DESIGN BASEのサイトにも、ビジョンとその副文を掲載していて、どういった思いでつくられた言葉なのかも記載されています。

そんな「DESIGN FORWARD」も、最初から組織を牽引する言葉であったわけではありません。ビジョンができた最初のころは、メンバーが強く意識する言葉ではなく、ある種のお飾り的なポジションに甘んじていたこともありました。

このnoteでは、わたしたちの掲げる「DESIGN FORWARD」という言葉がどのように「ビジョン」として機能していくものになったか、そのために行った施策をお話しします。

ビジョンに対する意識調査

「DESIGN FORWARD」は2021年の春ごろデザイン組織(DESIGN BASE)の発足とほぼ同時に、メンバー数人が中心となってヒアリングや意見交換を繰り返しながらつくられました。ビジョンと副文は、完成してすぐにメンバーや社内外に発表され、組織の向かう方向性を定め、社内外に自分たちの意思表示をする役割として存在することになりました。

メンバーみんなでビジョンという同じ方向を見ることは、組織を強く進めることにつながると思います。つくって終わりではなく、最大限活かしていくために、ビジョンができてしばらく経ったころ「DESIGN FORWARD」をどう思っているか、組織メンバーへアンケート形式でヒアリング行いました。

ヒアリングアンケートのまとめ

ヒアリングの結果を要約すると、「DESIGN FORWARD」をビジョンとして意識しながら仕事に向かっている人はリーダー層に多く、大半のメンバーにはあまり意識に根付いていない、というものでした。

ビジョンがあまり根付いてないメンバーの回答の多くは、

・ビジョンの意味を完全には理解できてないと思う
・崇高な言葉に思えて、自分と関係している気がしない
・たまに思い出すけど、常に意識はしてない
・忙しくてビジョンについて考える時間がない

といった内容でした。

アンケート結果を見て、メンバーの意識に根付いていない理由として考えたのは以下の2つです。

・思考する余白のある文章にするために抽象的な言葉を多く使って副文をつくったので、理解しにくい。
・「社内外に自分たちの意思表示をする」という部分を強く意識してつくったため、内部のメンバーよりも外部への発信に重心を置いていた。

また、「忙しくてビションについて考える時間がない」「デザイン組織のことよりも担当プロダクトのことを考えているので意識してない」といった回答があったことで、そもそも「ビジョンとは?」認識に個人差が生じているということもわかりました。
ビジョンをつくったのは組織として実現していきたい未来を提示するためで「ビジョンについて考えを巡らせてほしい」と思ってつくったわけではなかったからです。

ここから、メンバーたちに「DESIGN FORWARD」というビジョンをもっと身近に感じて、日々の行動に落とせるくらい浸透させるためにはどうしたらよいかを考えていきます。

ビジョンを具体的な言葉に言い換える

まず、メンバー全員とワークショップを行って全員で「DESIGN FORWARD」について考えます。

このワークショップの目的は、以下のように設定しました。

・普段あまり意識していないビジョンについて考えることで自分ごと化する
・自分の中にある「DESIGN FORWARD」的思考に気づく
・自分の過去の行動が「DESIGN FORWARD」なことだったと気づく

ワークショップでは「どういう行動が『DESIGN FORWARD』だと思いますか?」という問いに対して、過去の自分や人の行動を思い出して書き出してもらうことで、個々の考えを深めていきます。さらに他の人の回答で、自分では気づかなかった「DESIGN FORWARD」に気づいたりもしました。

そのあと、ワークショップでメンバーから出てきた言葉たちを、カテゴリごとに分類していきます。カテゴリごとにわけてみると、みんなのいろいろなデザインに対する行動や考えは何種類かのパターンにまとめられることがわかりました。

言葉の分類

ここから有志のメンバーで、まとめたパターンを「言葉」として精査していきます。
ビジョンである「DESIGN FORWARD」の解像度が上がり、理解が増す言葉であること、かつ行動を限定しないために具体的になりすぎないことを意識しながら言葉を紡いでいき、9つのメインワードと、それぞれに対して3つのサブワードにまとめることができました!

DESIGN FORWARDを表す9つのメインワードとサブワードたち

ただ単純に「『DESIGN FORWARD』というビジョンだから、みんなでそれを目指そう!体現していこう!」と言われても「どういうこと?どうやって?」となってしまっていましたが、みんなの行動から改めて具体例に落としたことで、DESIGN FORWARDの意味がわかりやすくなったと思います。

心の中にすっと落ちる言葉にしたかったので、押し付けがましくなく、説教臭くならないよう、簡単な言葉にまとめるように心がけ、ワードたちはいつでも見返せるようにスライドにまとめました。
メンバーがデザイン業務をする中で、決断に困ったときの判断材料にしたり、自分の行動を振り返るときの参考にしたり、というように活用してもらえたと思います。



このあと、この9つのワードたちをより身近なものにできるように浸透・定着させる施策をおこなうのですが、長くなりすぎるので次の記事でお話しできればと思います…!
ご興味のある方は次の記事も読んでいただけると幸いです!



わたしたち、DESIGN BASEのメンバーの記事はこちらから読めます。是非ご覧ください!


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