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専門書やビジネス書の読み方、私の方法。

みなさん、本を読んでいますか?

私は本好きということもありますが、データサイエンティストという仕事柄、たくさん本を読みます。データ分析や機械学習の本だけでなく、クライアントの業務に関連する本も読みます。また、PdM時代からビジネス書も読んできました。

不器用な私が何とか今の会社で今の仕事を続けられているのは、間違いなく読書習慣のおかげだと考えています。

私はたくさんの本に囲まれて仕事をしていますが、著名な多読家の方やアカデミックな研究者の方には遠く及ばない読書量だと思います。それでも、同僚やチームメンバーからは「本をよく読む人」と思われているようです。

そうしたこともあり、データ分析の初学者の方から「どのような本を読めばよいですか?」という質問をいただくことが増えてきました。そこで、自分が助けられてきた本を「データサイエンティスト生活でお世話になった本」という記事にまとめた、という経緯があります。
この記事は身内に向けたものだったのですが、たくさんの方に読んでいただきました。ありがとうございます!

最近は、相談者の背景や課題を確認して、自分の本棚に並んでいない本を探しておすすめすることが増えました。自分の本棚を探して要望に合う本がなさそうだと思えば、いろいろ調べて買って読んでみるようにしています。さすがに一度も見たことがない本はすすめられないので…。このようなことをしているうちに、部屋が本であふれかえるようになってしまいました。

ということで、最近は人に本をおすすめすることが増えてきたのですが、今度は次のような質問をいただくことになりました。

「なぜそんなに本を読むのですか?」
「本をどのように読めばよいですか? 読書に不慣れで大変です。」
「どうやって本を探しているのですか?」

この記事では、こうした疑問に対する私なりの答えを書いてみたいと思います。


なぜ本を読むようになったのか。

働き始めてから十数年になりますが、世間知らずの私は就職後に数々のピンチに見舞われてきました。働き始めたときは右も左もわからない状態で、メモの取り方から段取りなどの基本スキルも壊滅的でした。
また、学生時代は新聞も読まずテレビも見ない生活を送っていたので、経済・ビジネスの感覚がなくロジカルシンキングやマーケティングといったビジネススキルを学ぶ必要がありました。
情報工学と好きな洋楽のことばかり考えていたので、ビジネスのことなど頭になかったのです。

その上、私は大人しいキャラクターで同期と比べて目立つような存在でもないし、人とのコミュニケーションが得意ではありませんでした。周りにサラリーマンがいないような田舎から出てきたことも影響し、カイシャというものがよくわかっていなかったのも不利な点でした。

特に苦手としていたのが、わからないことを周りに聞くことでした。ちょっとした疑問をパッと先輩や近場の人に尋ねることができませんでした。

自分の武器と言えば、納得するまで調べたり考えたりすることくらいでした。そのため、働き始めてからしばらくして、週末に本屋に通うようになりました。わからないことや疑問に答える本を探すためでもあり、もやもやした不安を解消するためでもありました。それは、決して効率のよいものでも、要領のよいものでもなかったと思います。

実際、就職した当時は活字の本を読むのにそれほど慣れていなかったので、本を読むのが遅く、書いてあるビジネス用語がわからず途方に暮れることもありました。そのようなとき、本当は誰かに聞けばよいのですが、それができない私は「わかるまで本を積み上げる」という方向に走りました。
その結果、読みかけや積読の本も含めて、日を追うごとに本が増えていったのでした。

また、データ分析者に転身したときも未経験かつゼロベース状態からのスタートでした。このため、みるみるうちに本が増えていくことになりました。まさに無知がゆえの無謀な挑戦だったのですが、そのときの泥臭い経験はこちらの記事にまとめています。

私が読書家になったのは働き始めてからです。一方、私の兄は中学生のころからよく本を読む人でした。兄の口癖は「その本の中で1行でも役に立つ箇所があれば、その本を買う価値がある」でした。
私はこの言葉を時折思い出しながら、目を凝らして本と向き合ってきました。その結果、たくさんの本に囲まれることになったのです。

どのように本を読むか。

本の種類によって読み方は変わります。
例えば、仕事で使う専門書を読むときと、趣味でお気に入りの作家さんの小説を読むときでは、気持ちも読み方も違うのではないでしょうか。

この記事では、仕事・趣味を問わず、何らかの狙いや期待がある読書を対象にして書いてみます。例えば次のようなものです。

・新しい技術やスキルを身につけたい。自己研鑽。
・ビジネス企画の着想を得たい。
・直面している課題を解決したい。
・ぼんやりと知りたいことがある。興味を持った。
・ニュースで気になったキーワードについて調べたい。

上にあげた例には、切羽詰まったものもあれば長期的に学びたいことも含まれています。一方、どの例も「何か知りたいことがある」という点で共通しています。

このように何か知りたいことがあり、目の前にその答えを語ってくれそうな本があったとします。椅子に座り、テーブルにコーヒーも用意しました。

さて、みなさんはその本をどのように読み始めますか?

恭しく1ページ目から順に読むに決まっているでしょう、という方もいらっしゃると思います。しかし、それだと先が長くて途方に暮れてしまいませんか?

私も読書を初めたころは1ページ目から順に読んでいきました。しかし、この方法だと自分の知りたいことがなかなか現れず、次第にまぶたが重くなっていき、おおよそ20分もすれば深い眠りについてしまっていました。
この方法で読書して挫折した本は数多くあります。

そこで、読書の方法に問題はないかと思い立って読書指南本を探し、これまた読書によっては本を読む方法を改めたのでした。
試行錯誤の結果、今では次のような方法で本を読んでいます。

読み方: 1. 目的を再確認する。

まず、本を読む前に、読書の目的を確認します。目的というと硬い感じがしますが、要は「何でこの本読むんだっけ?」ということを自分に問いかけてみる感じです。

この記事で考える読書は「何らか知りたいことがある」という話でした。
したがって、大小を問わず、何かしら本を読む理由があるはずです。それを今一度思い出してみましょう。具体的な方がベターですが、抽象的なふんわりとした期待感がある場合もあるでしょう。もしたくさん知りたいことがある場合は、紙かスマホ上に書き出してみるようにしています。

このような、一見当たり前に見えることをやるメリットは何でしょうか?
私は以下の3つのメリットがあると考えています。

(a)頭の中に焦点が生まれ読書が効果的になる。探索が早くなる。
(b)自分の読書に対する動機付けになる。
(c)目的に沿わない読書を中断し、時間を有効に使うことができる。

この記事を書くまでは、主に(a)の焦点を持つことの効用だけをイメージしていました。多くの読書指南本でも、読書の目的を明確にすることのメリットをこの文脈であげています。簡単に言うと、焦点を持つことで知りたいことが目に留まりやすくなります。その結果、読書のスピードがあがる上に、目的を達成しやすくなるというわけです。

一方、(b)の動機付けも重要です。自分の時間を割いて本を読むのですから、その理由がないとなかなか手に取りにくいですよね。読む理由がない本を勢いだけで読むのはなかなか難しいです。私は気合いを入れる代わりにリラックスして期待感を持つようにしています。
なお、これに似た方法として、「わからないことがあったときにググらず本棚を探す」というやり方もあります。これも本との距離を縮めるよい方法だと思っています。

最後の(c)について。こちらは損切りともいえると思います。期待を持って読み始めた本なのに、どうも違う感じがする…ということもあるかと思います。そんなときは、一旦本を置くようにしています。
ただし、その違和感の原因は本の選定ミスとも言い切れない側面があります。例えば、自分がその本を理解できるような知識レベルに達していない場合もあるでしょう。このため、一旦脇に置いた本であっても、しばらくは取っておくようにしています。

ここまで、読書の前に目的を確認することの効用について書きました。
次にいよいよ本を読むわけですが、私は次のような方法で読んでいます。

読み方: 2. 外観、著者プロフィールを確認する。

本文を読み始める前に、まず表紙や裏表紙といった外観を確認します。タイトルやサブタイトル自体がその本の顔だからです。場合によっては帯がついていることもあるかと思いますが、こちらはあまり読みません。多くの場合著者が書いたものではなく、本のコンテンツと合致しない場合もあるからです。

次に、本の後ろやカバー裏に書いてある著者のプロフィールを確認します。どのような人が書いた本か、ということを理解するためです。一口にビジネス書や技術書といっても、様々な著者がいます。

大学の先生や研究者が書いた本もあれば、経営コンサルタントが書いた本もあります。また、企業内のエンジニアが実務経験をもとに書いた本もあります。起業した方の本もありますが、その場合、起業した直後の立ち上げタイミングなのか、それともある程度時間がたっているのか、ということも気になります。

このように、著者のプロフィールを確認していくわけですが、その理由はおおむね次の通りです。

(a)書き手の専門領域や経験値を把握する。
(b)書き手の信用度やスタンスを把握する。
(c)書き手の動機を把握する。

読書によって課題を解決しようとする場合、本の書き手が何よりも重要な要素になります。その上で、読み手の力量や背景知識の有無が効いてきます。したがって、書き手の情報は大変重要なものになります。

例えば、大学の先生が書いた本の場合は、専門領域や担当学部を必ず確認するようにしています。データサイエンスのように複数の学問分野にまたがるテーマを扱う本の場合は、特に気をつけるようにしています。同じ分析技術を扱っていても、学問領域が違うと表現や用途が異なる場合があるからです。

Web全盛の時代にあえて読書という手段を使う理由として、信用のある整理された情報を得たいと思っている方もいらっしゃるでしょう。一方、書き手のバイアスも気になりますね。したがって、書き手の信用度やスタンスをある把握することも重要です。
もっとも、プロフィールだけで書き手のスタンスが分からないこともありますので、疑問が出てきた場合にはWebを使って調べるようにしています。

最後に、「書き手の動機」について考えてみます。
専門書や技術書についてはあまり意識する必要はないと思いますが、ビジネス書では書き手の狙いについて考えることが増えました。というのも、本だけで収益を上げている書き手ならともかく、多くのビジネス書は出版に対して裏の目的があると想定されるからです。

例えば、製品や自営業者のマーケティングのために、ターゲット領域のビジネス本を出版することもあるかと思います。また、小説でない本であっても、知識の伝達より読み手の感情を揺さぶることを目的とした本もあるでしょう。中には世間に一撃を加えることも目的とした本もあるかもしれません。

このように、書き手の目的は様々であることを念頭に置き、おぼろげにスタンスを知った上で読書に臨むようにしています。また、読書中に「あれ?何かバイアスがある気がする…。」と思ったときには、改めてプロフィールを見るようにしています。それ自体が問題ということではなく、情報の位置づけを知っておくのは重要だからです。

読み方: 3. 目次、索引を確認する。

書き手の確認が終わったら目次を確認します。
目次は本のアウトラインを示しものですので大変重要です。本によっては、目次だけで主義・主張の骨格が分かる場合もあります。

目次を見て自分の課題に対応する章を見つけることもできます。最近は、購入前にもWebで目次を確認できる場合がほとんどですので、本の購入判断にもつながる情報だと思います。(書き手のプロフィールの確認も同様です。)

技術書の場合、目次でその本の位置づけが分かることもあります。例えば、機械学習本の場合、技術の手法を体系立てて整理した本であるのか、それともモデリングプロセスを解説する本であるのか、ということが目次からある程度わかります。モデリングプロセスを知りたいときに、技術のカタログ本を手に取っても目的は達成されません。逆も然りです。

続いて索引がある本の場合、索引をざっと確認していきます。
索引は書き手が重要と思うキーワードになりますし、本が腹抱えする話題の一覧とも言えます。したがって、索引をざっと見ておくことは、目次と同様に本の骨格をとらえる上で有益です。

また、索引を見て自分が知っているキーワードがどのくらいあるか把握することも重要です。もし全く知らない言葉が並んでいたら、その本は自分にとって難易度が高い本になります。

なお、索引がない本はリファレンスとして活用にくい本だと仕分けします。逆の見方をすると、ストーリーや展開で表現する本なんだなと理解して読むようにしています。

読み方: 4. はじめに・おわりに・解説ページを読む。

本の骨格を理解したところで、いよいよ本を読んでいきます。
まず読むのは多くの本で設けられている「はじめに」のページです。場合によっては「刊行によせて」「まえがき」「序」という場合もあるでしょう。このページには、書き手の問題意識や本の概略が示されていますので、まずはここをざっくり読んでみるようにしています。

次に、本のコンテンツを飛ばして「おわりに」を読みます。このページにはおおむね本のまとめや書き残したこと、留意点などが示されているからです。場合により、読み終えた後の推薦図書についての言及もあるかもしれません。この情報から、本の難易度と著者のスタンスがわかることもあります。

これらに加えて、邦訳書の場合は訳者や監訳者の解説ページが設けられていることがあります。この解説ページも重要ですので、ざっと読んでみます。非常に重要なことがさらっと述べられている場合もあり、理解の助けになります。

なお、「おわりに」のページは最後に読んでほしい、と著者が求めることがあります。そうした本に出合ったときには、素直に従うようにしています。本の流れ自体に意味がある可能性があるからです。

まずこれらの箇所を読むことで、本の骨格を理解できます。

これで本文を読む準備が整いました。
慣れてくるとここまでの工程は短時間で実施できます。

読み方: 5. 本をパラパラめくる。

本文を読む前にざっと本をめくってみます。
やや儀式的なところもありますが、たいていの場合パラパラめくることが多いです。ハードカバーの本では少しやりにくいのですが、本をランダムに飛ばしながら見ていく感じです。

このざっくりパラパラめくるという行為によって本の雰囲気をつかむことができます。例えば、文字と図表のバランスだったり、数式の表記法のパターンだったり。注釈の量や参考文献の場所も確認することができます。

こうしてページをめくっているときに、目が止まる場合もあるかと思います。目が止まるのは、目的意識と合致したキーワードやフレーズが出てきたときや、自分の暗黙的な関心事に引っかかったときでしょう。このような場合は、パラパラめくるのを止め、目に留まったところやその前後を読むようにしています。

読み方: 6. 本を読んでいく。

本を深く読む準備が整いましたので、後は目的に沿って自由に読んでいきます。ここまでのプロセスで本の外観やアウトラインがイメージできますので、目的に沿う箇所を見つけるのも幾分楽になっているはずです。少なくとも、全体像が分からない中で本文の文字を1字ずつ追うよりかはわかりやすくなっているのではないでしょうか。

本文の読み方は、その目的によって様々です。いくつかのケースに分けて考えてみます。

◆体系的に学ぶ場合
ある分野について体系的に学ぶために読書をする場合を考えてみます。
この場合、ターゲットとなる分野の話題がある程度網羅されつつ、アウトラインがしっかりしている本を選びます。もし良書であれば、各章の冒頭や終わりにサマリーをつけていることがあります。このような本であれば、サマリーページだけ斜め読みすることで、その分野の全体像をおぼろげにつかむことができるかもしれません。

一方、各章のサマリーを読んでもよくわからないという状況であれば、一旦その本は脇に置いて、その分野の概要をわかりやすく解説した本を読むようにしています。いわゆる入門書や解説本です。ただし、こうした本はわかりやすくするためにいろいろな前提条件や詳細を省いている場合もありますので、後で元の本に戻ってくることを心がけています。

◆目の前の課題に対する解決策を見つける場合
仕事で特定の技術について調べたいときや問題を解決したいときには、焦点がかなり絞り込まれているはずです。また、時間的にも余裕がないこともあります。

このようなときには、目次や索引を活用し、ピンポイントに該当箇所を見つけていきます。一方、索引から該当箇所にたどり着いたとしても、単純にそのページを読んでもわからないことの方が多いです。
そこで、該当箇所の前後をさらっと見た後、そのページを含む章や節の頭に戻って読んでみます。それでもわからなければ、関連した知識が足りてないということですから、本のアウトラインを見て必要な箇所を探っていきます。狙ったトピックを起点としてバックキャストしていく感じでしょうか。

本の選定が間違っていなければ上の方法で解決できるのですが、もしそうでなかった場合には、別の本を読むことになります。
私の知識不足が問題だと思ったときには、より簡素な本を読むか、体系的に学び直すことになります。一方、狙ったトピックスが含まれていない場合は、似たようなレベルの別の本を探すことになります。

また、一つの課題解決に1冊の本だけで結論を出すのは避けた方がよいと思います。多くの本は一人の書き手によって書かれているので、できるだけ複数の著者の意見を比較してみるべきだと考えているからです。

◆ぼんやりと知りたいことがある場合
ニュースで気になったことや興味があることを知るために本を読む場合もあります。このようなときは、本の構成によって次のようなスタイルで読むようにしています。

流れがある本の場合:
初めから順を追って話が展開するような本の場合、その本には話の流れがあることになります。このような本を読むときには、ひとまず始めの方から順に読むようにしています。準備の段階でアウトラインをつかんでいますから、何も考えずにページをめくるよりかは読みやすくなっているはずです。
ただし、話題があちこちに飛んだり注釈が大量についている本は、できる限り主題にかかる箇所のみ読むようにしています。

章や節ごとに話題が完結する本の場合:
トピックスごとに章や節が設けられ、その部分だけ読んでもわかるように書かれている本もあります。こうした本は、たいていトピックスを探しやすいようになっていますので、気になる箇所から読んでいくようにしています。

古典や重厚な雰囲気の本を読む場合:
30代に入ってからいろいろと悩むことが多くなり、古典に手を出すようになりました。例えば、孫子や論語といった中国古典や、方法序説といった哲学書です。このような古典は一文一文の表現が濃密で読む速度を上げることができません。味わうように読むというか、唸りながら読むというか。古典に限らず表現の難しい「重厚な」本を読む場合も同様です。
こうした本を読むときには、時間を気にせず集中できる場所でじっくり読むようにしています。

どのように本を探すのか。

最後に、私の本の探し方について書いてみます。
探し方というよりも、どうやって本を増殖させてきたのかという方が正しいかもしれません。

◆本屋を活用する
本を探す場所として、今でも重宝しているのが本屋です。
最近はコロナの影響でやや控えているのですが、本屋に行くとワクワクします。読みたい本のリストはアマゾンのほしいものリストに入れているので、それを眺めながら本屋をうろうろします。特に緊急で必要な本がない場合は、専門領域のコーナーを中心にざっと見るようにしています。

本屋の良いところは、売れ筋やトレンドがわかることです。大型書店の場合は、ジャンルごとに売れ筋の本や新刊を出しているので、探索がしやすいです。一方、駅に併設されているような小さな本屋では、厳選された本しか置かれません。このため、トレンドが凝縮されているとともに、長期間にわたって売れ続ける本を知ることができます。

◆ECサイトを活用する
リアルの本屋のほかに、アマゾンやhonto.jpのようなECサイトも活用しています。最近はレコメンドの精度が高いので、興味のひかれる本が提示されることも多く、気になった本は必ずリストに追加するようにしています。

また、Twitterでもよい本の情報が流れてくるので、これはと思った本は忘れないうちにECサイトで検索してみます。そして気になる本なら、リストに入れるか注文するようにしています。

◆ある業務領域に対してまとまった知識を得たい場合
例えば、新たなデータ分析テーマに取り組むとき、特定の業務領域に対してまとまった知識を得る必要があります。このようなとき、手練れの経営コンサルタントであれば筋の良い本を大量にピックアップしつつ、短時間で自分にインストールできるのかもしれませんが、私は不器用なのでそうもいきません。

私はその分野で定評のある本を探し出すことに注力します。その上で、その本を中心に広げて本を積み上げていくようにしています。このような頼りになる本は分野によって異なります。これまでの経験では時の洗礼を受けた名著の場合もありましたし、辞典のときもありました。

そして、このような中核となる本が決まればその周辺の本を探してきます。
探し方はおおむね次の4つです。

(1)大型書店を利用する。
(2)ECサイトを利用する。
(3)開架型の図書館を利用する。
(4)参考文献を利用する。

周辺の本を探す場合に、まっさきに利用するのが大型書店です。中核となる本が置いてある棚の上下左右を見れば、関連する本を一網打尽に調べることができるからです。
また、開架型の図書館も大型書店と同じようなテクニックが使えますが、書店には置いていない古い本を調べることができるのが利点です。

ECサイトを利用する場合、キーワードによる検索とレコメンドで提示される情報が鍵になります。最近はおおむねレコメンドで探索できますが、一気に調べたいときにはやはりキーワード検索が便利です。同じキーワードで調べても、ECサイトによって出てくる順番が異なります。一つのサイトでしっくりこない場合は、別のサイトでも調べるようにしています。

技術的な本や専門書の場合は、手持ちの本の参考文献を頼りに新たな本を探すこともあります。特に読書案内のページが充実している本では、各章の終わりに参考文献が案内されており、非常にありがたいです。

さいごに

自分にとってその分野のバイブルになるような本を探すのはなかなか大変です。究極的には読み手によってバイブルは変わるからです。
もし、これぞと思う本があった場合には、少々高額でも買うようにしています。自分にとっての名著が必ずしもベストセラーであるとは限りません。必要になったときに手に入らない、ということも十分にありえるからです。

そして本を入手したら、今回整理したような方法を用いて読んでいくわけですが、今では無意識にこのようなプロセスで本を読んでいます。この記事をまとめるときに改めて書き出してみると、そういえばこんな戦略で読書をしていたなぁ…と思い出したのでした。

最後に、読書の方法に悩んでいた時に読んだ「読書指南本」を紹介します。

「本を読む本」は読書の方法を説いた本として古典であり名著です。まさに時の洗礼を受けた本と言えるでしょう。ここ数年は読んでいませんが、本棚に常備している本です。この記事で書いた私の読書法は、この本の影響をかなり受けています。

「レバレッジ・リーディング」も読書に関する本ですが、読書の必要性から本の選び方、フォローアップの方法まで網羅しています。非常にわかりやすいです。

「読書について」は他の2冊とは方向性が異なる本です。一言でいうと無意味な読書を諫めるような本で、積読好きの私には大変身に染みます。読書好きの方であれば、一度読んでみるとよいでしょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
みなさん、よい読書ライフを。


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