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#6 初開催の告知・集客編 - 経験ゼロからフェス「岩壁音楽祭」を立ち上げるまで

5月に立ち上げたフェス「岩壁音楽祭」について、未経験者がフェスを開催することのリアルな内情を連載していきます。

今回は「告知・集客」について。「岩壁音楽祭2019」は初開催で、山形県の採石場跡に約500人を集客。そのうち300人以上が、東京など山形県外からの来場でした。
どのように告知し、いわゆる秘境に観客を集めたのか、公開していきます。

なお、連載はすべてこちらにまとめています。“オープンソースなフェス”として連載し、来年以降も継続していきます。

告知したことまとめ

まずはどんなことを告知していたのか。
リリーススケジュールはだいたいこんな感じでした。

2018年10月:開催を決意。
2018年11月~2019年1月:リリース準備
2019年2月:開催発表、第1弾出演者発表&前売りチケット販売開始(26日)。
2019年3月:3都市でプレイベント(山形17日、仙台21日、東京30日)
2019年4月:第2弾出演者発表(8日)、第3弾出演者発表&エリアマップ・フード出店公開(24日)
2019年5月:シャトルバス時刻表公開(16日)、タイムテーブル発表(19日)
2019年5月25日:開催

開催決意から発表まで4か月も何やってんだろうって感じですが、開催発表はニュースとしてインパクトを持たせるために第1弾アーティストが固まってからにしました。
ゆえに開催約3か月前の開催発表...ギリギリ…。
いや本当によくこれで間に合ったな。

初開催フェスの信用獲得

告知でネックになったのはフェスとしての信用を得ることでした。
「岩壁音楽祭2019」は今回が初開催で、言ってしまえば誰も知らないフェス。また、会場へのアクセスも決して良いとは言えません。
いくら内容が魅力的でも、「本当にちゃんと開催されるのか...? 」「面白そうだけどなんか怖い」と思われてしまう。
そこで、"れっきとしたフェス"だということを担保する必要がありました
さらにこの信用の獲得方法に東京/山形ではっきりとした地域差が。

・WEBメディアへの掲載(東京周辺)
東京目線だと、新幹線に2時間半 乗って山形の採石場跡まで来てくれるというのは大変なことです。たとえフッ軽でも、未知のフェスのために地方に行くのは不安。
そこで効果的だったのが、普段 見ているメディアに取り上げられることでした。毎日どこかでイベントのある東京周辺では、WEBメディアが情報を拾い上げて届けている。こうしたWEBメディアに掲載されることで信用を獲得。「友達を誘って行ける ちゃんとしたフェス」になることができました。

ちなみに、WEBメディアにはプレスリリースを送り、ピックアップされると掲載してもらえます。
メディア各社 HP記載のコンタクトやプレス用のアドレスにこんなメールを送っていました。企画書・アー写・リリース文・フライヤーなど情報が多い場合はDropboxなどにまとめてリンクを案内。

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掲載メディア一覧:
音楽ナタリー, block.fm, CINRA, DIGLE, EYESCREAM, FESTIVAL LIFE, Higher Frequency, M-ON! MUSIC, OTOTOY, Qetic, Spincoaster, THE MAGAZINE, UROROS, Yahoo!ニュース

・知り合いかどうか(山形周辺)
一方、現地 山形ではWEBでの告知よりもポスター掲出、地域誌への掲載、口コミなど、フィジカル媒体が圧倒的に強い。
WEBメディアは東京近辺の情報に若干偏っているため地方では思ったより見られていないというのは、東京から山形に移住したときの気づきでした

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「昭和のうた コンサート」の隣にこのラインアップが並んでいるのはとっても趣深いですが、山形の日常と岩壁音楽祭の異質さを象徴しています。

山形はコミュニティがかなりコンパクト。どんなイベントもだいたい知り合いがやっている印象で、逆に誰がやっているかわからないイベントは少し不審がられることも。岩壁音楽祭はそもそも異質だし、口コミや地域のお墨付きがかなり重要になります。
そこで、運営メンバーが各所に足を運び、対面で広報していく地道な取り組みが必要でした
地域コミュニティのハブになっている人や店舗を訪問し、告知やポスター・ステッカー設置協力のお願いをします。プレイベントも東京以外に山形と仙台でそれぞれ開催。地域の人に目に見える形で訴えかけていきます。

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また、出演アーティスト本人による告知は地域を問わず拡散につながりました。
会場動画も、アーティストが引用リツイートで告知してくれたことで「やばいフェスがあるらしい」という話題が広がりました

チケット売り上げの推移

という感じで、初開催なのに開催3か月前から大急ぎで告知とチケット販売を開始。
果たしてチケットはいつ売れていたのか。
売れ行きをグラフにするとこんな感じで順調に右肩上がり。

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…というように見えますが、よく見ると5月頭(ゴールデンウイーク明け)から急速に追い上げています。当初目標の300枚を超えたのは実は開催1か月前をきってから...。実際は毎日不安でお腹が痛かった。

ちなみに最後の跳ね上がりは当日券の分です。
めっちゃ当日券が出てます
来場した約500人のうち100人近くが当日券。主に山形ローカルの方々です。
当日は晴天に恵まれたのですが、もしこれが雨天だったらと思うと恐ろしい...。当日判断で「雨降ってるし、行くのやめよう」という雰囲気になると客数が約20%減っていたかもしれない
野外イベントの宿命かもしれませんが、当日の客足の変動はできるだけ抑えたい。
岩壁音楽祭の会場はキャパが決まっているので、来年の「岩壁音楽祭2020」はチケットを限定枚数制にして基本 前売りにしようかとか検討しています。

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最終回は「運命の開催当日編」

次はいよいよ当日運営の様子について。
炎天下の熱中症対策、ライブステージエリアの入場規制、復路シャトルバス足りない問題など、挙げたらキリがない無数のトラブルにどう対処したのか。
また、初開催してみてどんな効果や反響があったかも振り返ります。
さらに「岩壁音楽祭2020」とその先についても公開できたらと。


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