映画鑑賞記録 - 2021年5月編

急に暑い!!!!!今月もスタート。

新作

隔たる世界の二人

ネットフリックス映画であり、今年のアカデミー賞で短編実写映画賞を受賞した作品。昨今のBLM運動を元にしたタイムループモノ。なんですけども、元にしたというよりそのまま。大きな運動になる発端ともなったジョージ・フロイドさんの事件をほぼそのままやってるし、理不尽に殺される黒人と理不尽に追い詰める白人警官という構図が続いていく、というかなりド直球の作品。驚いたのですが、まずループものとしてしっかり面白い。それでいて昨今の社会問題について考えを巡らせることができる良作。30分もないのでネットフリックス民は必ず観るように。

JUNK HEAD

来ました!7年かけて数人で作り上げたとんでもない奇作!ストップモーションアニメ。ザ・ディストピアな世界観やシュールかつグロテスクかつとにかく不快になるような敵の造形、造りこまれたセット、とにかく見どころが盛りだくさん。「ほぼ独学で作り上げたストップモーション」というところだけでもう凄い作品なんだけど、それ以上に映画としてまずしっかり面白いところがポイント。面白かった!

街の上で

『愛がなんだ』『あの頃。』『アイネクライネナハトムジーク』などなどで知られる今泉力哉監督作品、恥ずかしながら初鑑賞だったのですが、本当に面白くて大好きな作品でした。下北沢を舞台に、自主映画・音楽・恋について男女が織りなしていく物語で、それ聞いただけでもサブカル臭が過ぎて拒否反応示す方もいるかもしれませんが、僕は本当に楽しめました。なんといってもキャスト陣が良くて。若葉竜也、穂志もえか、古川琴音、萩原みのり、中田青渚(ミスミソウ、君が世界のはじまり、で大好きに)といった注目の若手が盛りだくさん。これらキャスト陣の「あきらかにフィクションではあるんだけどでもこういう人いるなあ・・・・こういう場面あるなあ・・・・こういう展開に憧れちゃうなあ・・・」みたいな雰囲気がマジで最高。

BLUE/ブルー

ボクシング映画。個人的にあまり合わない映画で、評判に反してそんなに楽しめず。ネタバレになりすぎないように書くと、「メッセージ性やキャストの雰囲気、キャラクターの良さは確かに分かるのだが、それ以上にめちゃくちゃ引っ掛かる点があったせいでフルに楽しめなかった」ということ。詳しくは僕のフィルマークスで書いてます。

クルエラ

とんでもない傑作現る!ディズニーによる実写映画。『101匹わんちゃん』のヴィランであるクルエラの誕生譚を描く物語。なんといっても主演エマ・ストーンの美しさ、悪徳上司役のエマ・トンプソンが放つ凄み、ここがもう素晴らしい!それでいてファッション業界の映画ということもあって前編通してヴィジュアルが素晴らしく、流れる音楽も60~70年代を彩ったロックばかり!(ミックジャガー・クイーン・デヴィッドボウイ・ドアーズ・ビートルズなどなど)エンターテインメントとして申し分ない名作でした。目も耳も幸せ、という意味でぜひ劇場で観て欲しいです!どうやら次回作の制作も決まった?とのニュースも見たので、それが本当ならマジで楽しみ。

旧作

愛してるって言っておくね(2020)

アカデミー賞の短編アニメーション賞受賞作。15分くらいなんですけど、その中だけで様々な感情が生まれる傑作。実際の社会問題を織り交ぜつつもヒューマンドラマとして完璧なつくり。ネットフリックス映画です!

オクトパスの神秘 海の賢者は語る(2020)

アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞受賞作。タコを気持ちを通わせるようになった男性が主人公。とにかくタコという生命体の凄さに圧倒される90分です。そんなに知能あるの!?生命力あるの!?と驚きます。こちらもネットフリックス映画。

市民ケーン(1941)

名作クラシックムービーといえばこれ、みたいな感じ。ネットフリックス映画『マンク』の予習として鑑賞。(マンクまだ見てないけど)正直なところ展開やお話の内容自体で引き込まれることはあまりなく、そこまで楽しめなかったのですが、重要なのは「この作品が1941年に作られた」というところであり、そういう意味ではやはりすごい。カメラワークや照明の演出などなど目を惹く場面が多数。名作たる所以を感じました。

101匹わんちゃん(1961)

『クルエラ』の予習として鑑賞。思ったよりも『トイストーリー』的なお話で驚いた。さらわれた犬たちを救うために犬たちが協力するって話。人間の前では吠えるだけだけど、犬同士ではちゃんと喋ってるって所がディズニー印(つまりトイストーリーのあれ)特出した点はあまり見当たらないのですがサクッと気楽に楽しめるザ・ディズニー映画。好きでした。

プラダを着た悪魔(2006)

『クルエラ』鑑賞後、ファッション映画として観なければ!と思い鑑賞。とにかく主演のアン・ハサウェイが美しくてもう素晴らしい。それだけで観る価値ある。そして嫌な上司役のメリル・ストリープ。こちらも素晴らしい。クルエラと似た感想になってしまうのですが、ヴィジュアル面が本当に美しいです。テーマ性も、自分らしく生きること、おしゃれして人生が変わること、とっても素敵な映画でもありました。しかし、しかし!どうしても気になってしまったことがあってですね・・・ここはぜひ討論したいですね。詳しくはフィルマークスで書いてます!

賭ケグルイ(2019)

ドラマから引き続いて鑑賞。ドラマ版での良さはしっかり受け継ぎつつ、映画だからこその尺の使い方や演出が光っており、しっかり楽しめました。なかでも早乙女&木渡という賭ケグルイ史上に残るスーパークセ強コンビが見れるので最高。もちろん浜辺美波のハイパーパワー演技もいいのですが福原遥がサイコ役なのがいい!!!こちらもめちゃくちゃ振り切っていて素晴らしかった。しかし肝心の展開の面で「え、そういう感じになるの?」とか相変わらず鈴井がずっとうるさいのは嫌いでした。(笑)

死霊館(2013)

久々のホラー映画強化月間。ご存じ死霊館シリーズの第1弾。大体アメリカのホラーって悪魔的な恐怖が多くて、日本人からすると分かりにくいまま終わるのが多いんですけど、この作品はとにかく「悪魔VS主人公」というバトルに振り切っているので逆に分かりやすいんですよね。そういう意味での絵のインパクトや展開の面白さは非常に好き!ストーリーが面白いか、といわれると難しいのですがまあホラーはね・・・

アナベル 死霊館の人形(2014)

死霊館のスピンオフ。確かにアナベル人形は怖いんだけども、結構思ったよりモンスターホラーっぽかったり本題に入るまでかなり長かったり、肝心のオチの部分が「いやいや!!!!・・・・・・いやぁ~」という感じだったのでどうも残念。恐怖描写として好きだったところはちょこちょこあったんですけどね。うーんて感じ。

イットフォローズ(2014)

高校生の時に観て以来すごい久しぶりに観ました。様々なホラー映画を観てからたどり着くとあまりインパクトは無く、突っ込みたくなるような部分も多々あるなあと。しかし、無言で遠くから迫ってくる恐怖、ジュブナイルっぽい展開、80年代的エレクトロミュージックが何とも言えずカッコいい。そういう意味ではかなりスタイリッシュな作品!爽やか。

ウィッチ(2015)

ネットフリックス作品『クイーンズ・ギャンビット』でも注目されているあアニャ・テイラージョイの主演映画。監督はロバート・エガースで、今年『ライトハウス』という新作を控えており楽しみ。とにかく全編にわたって暗く陰鬱とした雰囲気が続いていく胸糞映画でズーン・・・としてしまう映画なのですが、それがかなり独特で良い。こちらのかなりの切り替え映画というか悪魔・魔女系の映画なので日本人としては分かりにくい点もあるのですが、その「分からない」感じが一周回ってホラーにもなる(もちろんこれは作者の意図ではないけど)のが好きでした。アニャがとにかくかわいい。ちなみにテーマ性は完璧アリ・アスターの『ヘレディタリー』だったのでこれ好きな人は絶対見るべき。

オズの魔法使(1939)

ゼミの題材として3週連続オズ関連作品を鑑賞。まずはクラシック版。結局これが一番面白いんですよね。カラー映画の黎明期ともあってあからさまなセピア→カラーへの移行は笑ってしまうのですが、灰色のカンザスから夢のオズの国に飛ぶ演出としても完璧に機能しているという意味で天才的。明らかにセットな感じも「絵本・児童文学的」世界観にすごくマッチしている不思議。オーバーザレインボーいい曲。

ウィズ(1978)

今年ワースト。ぶっちぎり。

まあ40年前の映画にケチをつけるのは。。。って感じなんですけど、オズの魔法使いを原作とする作品としてもまったくもって楽しむことができませんでした。一応ヒットしたミュージカルの映像化らしいのですが、これ観るなら舞台観たほうが絶対早い。とにかく歌いすぎ、テンポ悪すぎ、世界設定謎すぎ、原作のいいところなさすぎ、と楽しめなかった。唯一の救いはマイケルジャクソンの歌がかっこいいところ。ただそれだけ。(笑)

オズ はじまりの戦い(2013)

うーん。あまり面白くない。オズの前日譚になっていて、原作リスペクト(クラシック版へのリスペクトでもある)シーンがいろいろあってその点は評価したい。しかしストーリーと展開が個人的に納得いかない点が多いうえに、謎の恋愛要素・襲ってくる敵が明らかにモンスターホラー(これは監督がサムライミだから?)と「結局何がしたいのか分からない」作品でした。あとめっちゃCGでオズの国表現してるんですけど、逆に作り物すぎるように感じてしまって、クラシック版の方が「セット感」=説得力だったな・・・という。

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