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研究目的と仮説に関する備忘録 <言語思考と主語(動詞)と1W1Hについて>

以前,学生から「研究ノートの書き方がわからない!」とのことで,
「研究ノートの書き方」を備忘録としてNoteに書かせていただきました。

研究ノートの書き方

今回は,研究を進めるうえでの【研究目的】の設定方法と指導について備忘録としてNoteを書いていきたいと思います。
賛否両論あるかと思いますが,その賛否両論自体が学生には良い影響になるかと思います。

そもそも,学生が【研究目的】なんて考えなくても良い!という考えがあるのも,ごもっともな考え方かと思います。
ここでは,研究者を育成するということを念頭に思考を吐き出していきたい思います。

言葉で表現することの難しさ

物事を言葉にすることは本質的には難しいと考えています。
ただし,これら【目的】や【仮説】を言葉にして伝えることの重要性は研究者や教育者であれば,肌で感じている方が多いかと思います。

「視覚思考型」と「言語思考型」が存在するといわれています。私は典型的な視覚思考型であり,研究予算のポンチ絵なども得意としています。
勝手な解釈ですが,漢字を使う文化圏では,結構「視覚思考型」の方が多い偏見を持っています。

このポンチ絵について

視覚思考型の方は,言語思考型の「言葉」は理解できます。
一方,言語思考型の方には,視覚思考型の「イメージ(言葉)」は理解しずらいと肌で感じています。

研究においても,いろいろと研究目的は浮かんでくるものの,それを言語思考型の方に伝えるために,言語化することに苦労したことを思い出します。

視覚思考は,言語化することで初めて万人に伝わると常々感じています。

そういった意味で,ポンチ絵に加えて,言語化に落とし込むことを意識できるようになってからは,研究予算が採択されることも増えました。

「主語」と「動詞」を明確に

日本語の面白いところに,「主語」がなくても話が通じるところにある。
言語は,誰が読んでも同じ意味に読み取れるシンプルな文章が良い。

しかし,主語がないことで,「物事を進めていく過程で,読む人によっては解釈が異なること」に気が付くことがあります。

「主語」と主語のアクションである「動詞」を明確にすることで,研究目的の伝わりが正確になります。
と言いつつ,難しいでが,ここをしっかりやると,翻訳ソフトで綺麗に英訳やドイツ語訳をしてくれます。最近の翻訳ソフトの進歩はすごいですよね。

3W1Hについて

前述のとおり,研究ノートの作成について5W1Hを使えることを書きました。
研究目的にも,5W1Hに似たものが使えます。

Where
この研究目的は,どちらの方向に進めるのか?

What
この研究目的のために,何をするべきか?すべきでないか?

Who
この研究目的を,誰に進めてもらうか?
誰と共同研究するべきか?

How
この研究目的を,どのように進めるか?

これら3W1Hと言語化が明確にできていれば,研究目的に対して「Why」という「なぜこの研究をするのか?」という疑問は浮かばないことも理解できると思います。
この研究目的に対して,whyが出るようであれば,整理ができていないことの証明であり,予算申請書も根本から直す必要があります。


本文は以上です。
サポートいただければ,配属学生と焼肉食べに行きます。


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