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産業医からのにじいろ処方箋(#5 アンコンシャスバイアスについて知る)

アンコンシャスバイアスとは

アンコンシャスバイアスとは「無意識の偏ったものの見方」を指す言葉で、私達全ての人間が持っているものです。気付かぬうちに支援対象者や同僚・部下を色眼鏡で見てしまっていることはないでしょうか。

例えば、
・男性社員と女性社員が面談に来た時に、男性社員を上司だと思いこむ
・白人の見た目をしていれば英語が流暢に話せると思い込む
・研究開発職というと男性を思い浮かべ、受付・清掃・庶務・秘書というと女性を想起する
・LGBTQ+というとオシャレで才能が溢れている人と決めつける
・ゆとり世代は皆が仕事にやる気がなく、怒られるとすぐに投げ出すと決めつける

といったことが挙げられます。

こういったアンコンシャスバイアスは、生まれてから様々なメディア情報や教育・自信の経験から形成されていき、誰もが持っているものです。
人間はある種のバイアスを上手く活用することで意思決定にかかる時間や労力を削減しています。例えば、病院の診察室で白衣を着た人を見れば「医師」と半自動的に認識することで、逐一「あなたは医師ですか」と確認することなく診察や医療処置を安心して受けることが出来ます。このようにアンコンシャスバイアスは上手く作用すれば意思決定の労力を削減する素晴らしい特性なのですが、これらの思考の傾向を自分で把握しておかないと、様々な場面で副作用としての弊害を引き起こしてしまう可能性があります。
アンコンシャスバイアスが職場で引き起こしてしまう問題について見てみましょう。

アンコンシャスバイアスがどんな弊害をもたらすのか

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