ドイツファッション0

個人的に1920年代のドイツの男性ファッションが好みだと気づいた話

 1920年代のファッションといえばイメージするのはやはりフランスのカルチャーになるだろう。
オートクチュールが世界を席巻し、欧米の上流階級の女性は最新のファッションを見るために年に二回はパリを訪れたと世界服飾史にもあるほどフランスを中心とされていた。
また、アール・デコの影響を受けたファッションをリードしたのもフランスと言える。
しかし、上記に挙げた内容はどちらかと言うと、女性向けのファッションが取り上げられることが多いように思える。


 先日、古書店でこんな本を見つけた。

August Sander  - Face of Our Time

(Source:August Sander  - Face of Our Time)

 アウグスト・ザンダーという、写真家の作品集だ。
彼は、ポートレート写真を通してひとつの社会の全体像を記録しようとドイツの地方を周り、1929年にこのFace of Our Time(時代の顔)を写真集として発表した。
農夫や職人、芸術家、社会的地位のある人等、様々な人物を撮影し、さらにその人達のリアルを記録すべく「笑顔に本質は出ない」という観点から全てのモデルに真顔を要求している。
そういった経緯を知ると、演出されたものではなく当時のリアルな姿が見て取れる写真集なんだと確信をもって見ることが出来た。

 この写真集に出会えたことで当時のドイツのメンズファッションの格好良さに気づくことができた。
 学生や職人、様々な職業の人物がこの写真集には収められていたが、誰を見てもため息が出るほどただただ格好良いと思わされてしまう。
リアルな姿、嘘偽りのないその姿を出来ることなら当時のドイツに行ってこの目で見てみたいと思えるほどだ。
もちろん、それらのファッションはフランスからの影響を受けてのものかもしれないし、独自のものなのかもしれない。
当時のドイツのファッションに関して調べようとしても、フューチャーされるのはやはりフランスのファッション文化についてのものが多く見つけることができなかった

 最後に、写真集Face of Our Timeからドイツファッションに惹かれるきっかけとなった写真を添えて終わろうと思う。
普段、スーツを着ることはないのだが、スーツを着る機会が着たらこの写真集から着こなしを真似てみたいと思う。

(Source:August Sander  - Face of Our Time)

(Source:August Sander  - Face of Our Time)

(Source:August Sander  - Face of Our Time)

 アウグスト・ザンダーの撮る写真には洗練された技術を必要としない、その時その瞬間のリアルを切り取っているからこそ、こんなにも惹かれてしまうのだろう。
私自身も写真を撮り、発表することもあったが人物を撮る機会があまりないので、その人物のリアルを切り取るという行為に憧れを持ってしまった。

 近いうちに7冊からなる写真集、People of the 20th Centuryも手に入れたいと思っている。
それをただただ長い時間眺めながら休日を過ごすのも良さそうだ。




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