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朝鮮について

 さて典型的2ch東亜板型笑韓派だった私の初の韓国旅行、それは2010年のこと。
 団体旅行での訪問だったので、全体の構成は初日を除けば、ほぼ一般的な観光旅行。2日目は古都・慶州の古刹と博物館見学、そしてソウルへ移動し1泊し、3日目がソウル市内観光。さあ、笑韓派の粗探し、スタート(苦笑)。
(初日を中心にした記事はコチラ)
     ↓

https://note.com/ktnh/n/n94e0e9c6e730

 まずは、韓国を代表する古刹、仏国寺。いきなり最初の門からして「屋根と柱のバランスおかしくねwwww」などと思っていましたが、今から思えば地域が違えば文化も違うもので、逆に韓国や中国の人から見たら、日本の社寺仏閣の門は「えwwwそんなちっちゃい屋根を支えるのにそんなゴツい柱や壁がいるのかよ技術ひっくwwwww」と思われてるのかな、なんて思ったりも(苦笑)。

 なかなか立派な、お寺さんです。でも色彩感覚とか扁額のサイズ感が、やっぱりちょっと日本とは違うよな…。

 しかしこれも、よく考えてみたら日本の社寺仏閣も、元々は朱や緑青で彩られていて、天井画や梁の装飾なんかも極彩色というのも多い訳で、別に不思議ではなく逆に日本の「退色したまんま放置」を侘び寂びだなんだと評価してるのが、もしかしたら微妙なのかもなぁ…、なんて思いながら見る韓国の寺社建築。

 続いて訪れた博物館や焼き物の窯元は省略。特にネタもなかったので(苦笑)。そういや博物館の横にある団体観光客向けの食堂で食べたチヂミ(ヘムルパジョン)と石焼ビビンバ、これは「美味しかった」んだよな…。

 チヂミが竹笊に載せられて出てきた時は、みんな「え?皿じゃなく笊?マジ?」みたいな感じでしたが、なるほど焦げ目の香ばしさや食感を保つには最適なのね、と食べてみて実感。薄い生地に「え?もしかして日本人向けにケチって薄くした?」などと思うも、食べてみたらモッチリ&サクサクのハーモニーで、本気で「おいしい」やん…と皆でバクバクと。

 石焼ビビンバは、まあ当時のネトウヨ定番ネタだった「石焼は日本発祥の調理法で朝鮮の伝統料理じゃない」的な薀蓄を垂れ流しながら「親の仇みたいにマジェマジェしないとダメっすよwww」などと茶化していましたが、いや、なるほど、混ぜる意味が、分かった…。
 軽く混ぜるだけだと(上質な米ではない場合の)ご飯の臭いやパサつきが残り「臭いご飯を誤魔化すために匂いと味の強い味噌で混ぜるのかwww」的な感じになるけど、きちんと混ぜるとあら不思議、ご飯のパサつきがなくなり甘味も出てきて、また少々の糠臭さも食材と味噌の香りのハーモニーの中に溶け込み、なるほど「しっかり混ぜる」のはこういう効果を狙ってのことか…と、目から鱗が本当に落ちたように思った瞬間。

 そして3日目には朝鮮時代の王宮を見るということで、当時は(朝鮮最大の王宮である)景福宮が修復工事中で、もうひとつの主要王宮である昌徳宮を見学。団体旅行なので日本語の専属ガイドが付き、王宮内をひとつひとつ丁寧に説明してくれながらの見学。

 さてこの昌徳宮、朝鮮時代の最末期まで実際に王宮及び政府施設として使われていたので、近代化も施されているという解説を聞き、興味津々。

 玉座の間には大きな電球によるシャンデリア風とも中華系の装飾とも取れる照明が。朝鮮王朝時代に米国と合弁で電気事業は興されているので(韓美電気)電燈があるのは当然、別の間にも当時の電燈や絨毯と椅子・テーブルも残されていて王朝末期そのままの雰囲気。

 韓・中・洋の折衷空間。なんだか、朝鮮の役人と西洋の使節や清からの要人との会談が、目に浮かんでくるようで妙にリアルに感じたひととき。

 はい、皆さんスラッカン、水刺間、いわゆる台所。あの「カセットコンロ調理」でおなじみのチャングムの、あの水刺間!いよっ、待ってました!!

 チャングムのネタで笑っていながらも解説を聞くと、この建物は朝鮮末期に西洋建築技術も採り入れて建てられた新しいものだとかで、当初から電気と水道が引かれていたそう。日帝が入ってくる前から近代化の道へ踏み出してはいたのだなぁ、朝鮮王朝みずからの手によって。

 色々と、見えてきて、感じるものがあった現地訪問。やはり、見て、聴いて、触れてみることは、とても重要なことだな…と、改めて実感。

 あ、実感と言えば、コレも。

 参鶏湯。中華の薬膳料理の劣化コピー料理として当時の2ch的ネトウヨ系でネタにされていた、肉に材料詰めて煮ただけの、料理とも言えない代物。ネトウヨ的には。
 さて、あつあつの石鍋に入った白濁スープに鋏を突っ込んでヂョキヂョキと切る乱暴な朝鮮料理の作法を見つつ、2ch的ネトウヨが実食。

 んふぅ~、さすが雑な料理。味なんて…えらく深い味わいですがな。なんだこの濃厚なスープ、骨も柔らかくなるほど煮て煮て煮たおしているのに柔らかくて風味もきちんと残っている鶏肉、鶏の旨味を吸いまくった糯米、うわ、これめっちゃ旨い…。

 お~出てきた出てきた人参だわ。結構まるごとゴロッと入ってるのね。食べてもいいのかな…と齧ってみたら、芯まで柔らかくなっていて程よい苦味の中に僅かな甘味もあり、勢いに乗って全部食べてしまった。

 店を出て、あとは帰国するのみ…なのですが、身体がいつまでも温かく、というか身体の芯から「熱気」が湧いてくる感じ。友人も同じような感想。劣化中国薬膳、うまいしパワー付くし、これ、すごいやん…。さすが中国人もこぞって食べるはずだわ…。

 やはり、現地は、偉大なり。行かないと、分からないことも、たくさん。
 さあ、行かないと、見えない/感じられないこと多数!行けるようになったら、四の五の言わず、行こう!

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