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はじめての、台鉄。

LCCの軽率な旅に慣れてきた頃の2014年、軽率に訪れた台湾の旅。
軽率に色々とやる癖がついていたので、空港からいきなり一般路線バスで地方都市に乗り付け、路地裏探索などをしておりました。
※桃園市街での様子はコチラに
https://note.mu/ktnh/n/ne60ad788cfdd

桃園の街も楽しくて去りがたい気持ちはあれど、そうも行かないので移動を開始します。目指すは桃園火車站、台湾の一般鉄道に乗ってみよう、と。

雑多な街を抜け、駅前広場に出ました。
なるほど、日本の国鉄の地方都市拠点駅に、雰囲気がそっくりです。

煉瓦造りをイメージした色合いなのか、その点は少し異なるとはいえ、ほぼ「日本の国鉄の地方都市の駅」です。台湾鐵路は日本と似てると聞いていましたが、なるほど…。
さて駅舎から広場を振り返ってみると、ドドンと大きなビルが2棟。

新光三越と遠東百貨、日本系と台湾系の百貨店が広場を挟んで対峙。おお、こんな光景も、なんか日本でも見かけるような…。建物のつくりも日本の百貨店ほぼそのまま。なるほどねぇ…。

と、感心している場合じゃない電車に乗らないと。このままじゃ百貨店に吸い込まれて2時間くらい追加でタイムロスになってしまう。

こんな路地に吸い込まれそうになるのも、我慢我慢…。

さて桃園駅の中へ入ると、なかなか広い天井にゆったりめのコンコース。ふむふむ、日本に似てるけど、やっぱりちょっと雰囲気は異なるなぁ…と思いながら見て回っていましたが…

券売機はちょっと懐かしいスタイルだけど日本式そのもの、自動改札機は完全に日本の新型機と同じ。ん~、やっぱり、日本だわぁ。
とはいえ構内のちょっとしたところに、日本にはない雰囲気もあって、ちょっと楽しい。

きっぷ売り場の窓口が銀行チックだったり、駅弁を売るカウンターも、日本の駅弁コーナーとはまるで違うスタイル。へぇ~、こんな風に売るんだぁ…。
と駅構内の見学もそこそこに、電車に乗って、いざ台北へ!

ホームに入ると、これまた懐かしい、日本の国鉄が匂い立つような雰囲気。地方都市の駅、こんなんだったよなぁ…と思いながら見ていたら、やって来ました電車が。

駅の雰囲気は懐かしくとも、行き交う電車は近代的。台湾鐵路は「捷運化(近郊電車スタイルへの脱皮)」を推進中で近郊輸送型電車への置き換えが進みました。この電車は踏切事故対策なのか前部が嘴のような形になっていて、その顔立ちはまるで「スネ夫(中国語表記で阿福)」だということで「阿福號(スネ夫号)」と呼ばれているとか。では、スネちゃまに、乗ってみましょう。

駅が日本風味たっぷりに対し、車内は欧米スタイルの座席配置。空間を無駄なく使えて座席数も増やせるので日本以外では地下鉄や近郊電車などで見かける座席配置です。日本だと様々な人と目が合うのを嫌われそうですが、台湾の人たちは、さてどう思いながら電車に揺られているのでしょうか。

さて私、本当は台北駅で降りて市内観光を…と思っていたのですが、こんな座席を見ると座ってみたくなり、台北駅で車内が空いたとき、ついつい座ってしまい、そのまま、先へ…。

台湾は、山がちな島。台北市も中心部を外れると山あいに住宅が展開します。戸建メインではなくマンションが中心なのは韓国と似ていますが、建物の雰囲気は中華圏のもの。あぁ、いま、中華圏で電車に乗ってるんだなぁ…。

そんなこんなで、降り立ったのは七堵駅。ここは台湾鉄路の運転上の拠点となる場所。車庫・操車場が併設されています。

もう日本ではほとんど見られなくなった客車列車、ここでは、普通に見られます。車両も、日本の旧型客車をそのまま近代化したようなデザイン。懐かしさが、こみ上げます。しかし車窓で中華圏を実感していたのに、ここにいると、なんだか昭和40年代の日本の国鉄駅に居るような、そんな感じがして何だか不思議な時間です。

近代的な駅から、前時代的な客車列車が出発します。
韓国の鉄道から感じる欧米の風とは違う、日本の匂いが残っている感じです。旧日本統治下で路線網を確立させた韓国の台湾の鉄道、比べてみると面白いものです。

そんなことやあんなことを考えながら駅に佇んでいましたが、あまり長居もしていられないので台北へと改めて向かいます。

駅を出発してゆく、電車。これは韓国メーカー製のEMU500型。ここで韓国の電車に出会うのも、まあ、何かのご縁なのでしょう。

さて、行こう、台北に。

(つづく)

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