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二十八時


 朱い空気が淀んだ。

重い瞼ををこじ開けて枕元の長針を読み解く。あぁ、あれから二分しか経っていない。
桁違いの体感時刻は更に私を恐怖へ陥れる。
ひたひたのウィスキーの入った
ショットグラス。
彼の冷たい表情。

あぁ、これが私の見るべき景色だ。

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