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デザイナーの可視化力が意思決定を加速させるという話

こんにちは!のだかつきです。Twitterはこちら!

僕はこれまでデザイン会社にて、UXデザイナー、及びUXデザイナーのマネージャーとして4年働いて来ました。約20プロジェクト関わった中で、多くのプロジェクトが立ち上げや大規模リニューアルのプロジェクトでした。

※社としてそれらのプロジェクトが多いというよりは、個人的に立ち上げが好きで立ち上げに関わりたいと思っていたこともあり、上司にそれをひたすら伝えることで立ち上げプロジェクトにアサインしてもらっていたという背景があります。

今日は、私がなぜ立ち上げにこだわるのか、また立ち上げプロジェクトでは何が求められているかを記して行きます。

事業立ち上げの面白さは変化の加速度にある

一言でいうと、事業立ち上げの刺激が一番刺激的で、面白いからです。もちろん複利的にKPIが伸びる成長、グロースハックも大事です。しかし自分が得意な領域は、POと並走してPOやチームの想いを言語化/概念化し、それを事業のビジョンとして昇華させ、サービスを世に届けることだと思っています。ここが自分にとっては一番面白いし向いていると思っているからです。

事業立ち上げ時は、立ち上げる人の想いや原体験に多く触れることになります。社会をこうしたい。過去にこんな思いをした、もうそんな思いはしたくない。のように、強烈な想いに寄り添うことになります。

また、その想いをサービスとしてまとめ上げ、プロトタイプをつくりながら自分の魂をプロダクトに込めていくことになります。世に無いものを生み出すわけですから苦悩も山程ありますが、短い時間の中でのこの圧倒的な変化の大きさに一番の面白さがあると思っています。

直近関わっていた新規事業立ち上げでいうと、サントリー様のSUNTORY+というサービスの立ち上げに一時的に関わっていました。

このサービスの立ち上げ時もとてもワクワクする時間を過ごしたことを今でも鮮明に覚えています。

事業の立ち上げを前進させるのは、目に見える具体的なアウトプットだ

これまでいくつかの新規事業立ち上げに関わってきて感じたのは、新規事業開発は絶対に手戻りする。ということです。特に、言葉だけ綺麗にまとめた事業の計画やビジョンとミッションでは意思決定が腹落ちしない事が多く。後々「やっぱりこうじゃないか?」とか「本当はこう思っていた」のようなことが多発してしまいます。自分自身もそのような失敗をしてきました。

だからこそ、SUNTORY+の事例の記事にもあるように、手触り感のあるプロトタイプのような具体的なアウトプットを高速で可視化することで、チームの「そうそう、こういうこと!これがやりたかったことだ!」という腹落ち感を出すことが出来ます。

どこまでリサーチを綿密にしても、新規事業は最終的にはサービスのオーナー、責任者の覚悟/やり切る意志が重要です。それを僕のマネジメントするチームでは「POの心に火を灯す」等と呼んだりしますが、POの心の着火剤となるのはプロトタイプのような具体的なアウトプットなのです。

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また、UXデザイナーとしては、自らプロトタイプをデザインするというよりは、その更に手間の中間成果物に関わることが多いです。僕が意識している可視化や具体的なアウトプットは、概念図などを用いた議論の可視化です。

この記事で述べたようなディスカッションの構造化をホワイトボードや、在宅ワークの現在においては、Strapのようなリモートコラボレーションツールを利用して、リアルタイムで議論を構造化することで、チームメンバーの思考を刺激することを意識しています。

プロトタイプや可視化が意思決定の質と速度を高められるという実感をしてきたので、立ち上げフェーズでは特にこれを意識することをおすすめします!

意思決定に寄りそうデザイナーとして、Factを集めまくる

また、プロトタイプや事業の構造を可視化することで、エンドユーザーに対する仮説検証をすることが可能になります。

この記事で、かつてUXデザイナーの仕事の一つは仮説検証プロセスの設計にあると述べました。

プロトタイプによって簡易的でもエンドユーザーに対するヒアリングが可能になり、モノのないインタビューをするよりも何倍も価値のあるインタビューを演出出来るようになります。それがプロトタイプの大きな価値です。

POは常に、Aがいいのか、Bがいいのか、どうすべきか、という腹を痛める意思決定をする必要に迫られています。デザイナーとして意思決定者に寄り添い、AとBをやりたいと言っていましたよね?プロトタイプを作ってみて、ユーザーにあててみた結果、本質的な課題は〇〇でした。なのでAとBのいいところをとった、Cというアイデアはどうでしょう?というように意思決定をサポートしてあげるFactやアイデアを導出することが求められるのです。

立ち上げや大規模なリニューアルだと、その意思決定がサービスの生死を決める場合があります。その現場にいる体験を様々なプロジェクトでしたからこそ、その刺激や面白さを感じました。この刺激こそが仕事の醍醐味だと思っています。

さいごに

事業を立ち上げるということは、社会の課題を解決するプロダクトが世に増える可能性が増すという非常に意義のある仕事だと思っています。だからこそ死ぬまでにたくさんの事業の立ち上げに関わっていきたいし、またその場に求められる人材になりたいです!

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