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一時帰国の苦悩:街なかにゴミ箱少なすぎ問題

今年は2週間半ほど日本に一時帰国している私。今年の一時帰国もあと2日を残すのみ。家族との時間、友人との再開、美味しいお酒と食事、安全な街と整然と規律ある人たち、など一時帰国のありがたさを日々感じている。日本というのは本当に素晴らしい国だなぁ、と思う反面、帰国するたびに「これは毎年のことだけど何とかならんのか」と思うことがある。そのうちの一つは「街なかにゴミ箱が少なすぎる」ということだ。

街なかにゴミ箱少なすぎ問題

日本の街なかにはゴミ箱がない。いや、「ない」というのは言いすぎなのはわかっている。それでもそう言い切りたくなるくらい、街なかにゴミ箱が少なすぎる。買い物をして受け取った行き場のないレシートを握りしめた総時間数はこの一時帰国で3時間は超えるのではないだろうか。キャッシュレス決済をするとレシートの他に利用明細まででるのでダブルパンチである(利用明細いらないのでこれも何とかして欲しい)。

コンビニでの軽食

私は健康のために食間にコンビニに立ち寄って、タンパク質を補給することが多いのだが(明治様、SAVASのミルクプロテインは最高です)、この飲んだパックを一体どこに捨てればいいのだ。中身の入っていないミルクプロテインを握りしめて飲み会に参上したら友人にひかれるではないか。勿論、「買ったコンビニ捨てればよろしい」という方がいるのもわかる。だが、毎回スペースがあってないような都心のコンビニのゴミ箱前でプロテインドリンクを一気飲みするのは決して快適とはいえない。おまけに、人通りの多いコンビニにはゴミ箱がない店舗もあるときている。コンビニは手軽に色々なものが購入できる日本が誇るイノベーションの好例と思うが、その手軽さがゴミ箱の少なさが重しとなって損なわれていると感じる。

ゴミ箱問題は行政の問題

テロ対策として街なかにゴミ箱を設置しない、という市民の安全を慮る心掛けは立派である。それでも、世界中を探しても今どきこんなに公共スペースにゴミ箱が無いのは日本だけだ。日本より安全とは決して言えないアメリカにはゴミ箱があふれている。
これは明らかに行政の問題だ。誰か「そろそろ、いいんじゃねぇ」と勇気をもってゴミ箱の設置に踏み切ってくれないだろうか。「テロなどの問題が起きたら責任をとれるのか?」という反対意見に及び腰になるのもわからなくはない。だが、事故の可能性を常にはらみつつ、車や電車は動いているのだから、そろそろ緩和をすべきだ。
先日実施された都知事選で「私は公共のスペースにゴミ箱を設置します!」という素晴らしい公約を掲げる候補者がいたら間違いなく投票しただろう(地方自治体の選挙は在外日本人は選挙権ないけど)。

日本人の公共の精神

日本の街はきれいだとよく言われる。が、これは正確な表現ではない。より正確に表現するのであれば、「日本の街にはゴミ箱がないのにもかかわらず、ゴミ一つ落ちていない」というのが正確な表現だ。ただきれいなのではない。こんなにゴミ箱がないのに、こんなに街がきれいというのがポイントなのだ。
いや、そもそもこんなにゴミ箱がないのに、街がきれいすぎるのが問題にすら思えてくる。アメリカでこのゴミ箱の数だったら、間違いなく街中ゴミだらけだ。おそらく、アメリカでは、テロ後に街なかからゴミ箱が撤去され、そして街なかにゴミが溢れ、ついにあるタイミングで「そろそろテロを心配しすぎなくてもいいんじゃね」という議論がおこり、街にゴミ箱が復活したと思われる。
公共の精神を重んじることは日本人の美徳であり、私自身もアメリカでもいつも大事にしていることである。だが、残念ながら「ゴミ箱少なすぎ問題」については、その美しい精神が裏目にでてしまっている気がする。

「街なかにゴミ箱が少なすぎる」問題は、一時帰国中の在外日本人の誰しもが感じていることではないだろうか。これは地方自治体レベルで解決できる話なので、是非各自治体で前向きに検討して頂きたい。

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