お金は何に使うべきか?
私は事業者という立場として従業員のように給料を貰っていない。いわゆる役員報酬というものが個人の収入源になる。
色々と端折るが、役員報酬は報酬なので経営状況によっては無収入になることもある。具体的に言えば、運営している介護施設において利用者の退所(主に死亡)が立て続けに起こると売上が一気に減る。
そのようなときでも従業員の給料も含めて会社が支払うべき経費は払うし、しばらく維持するためのキャッシュは保っている。
しかし、報酬という概念と事業の将来性を考えたとき、役員会議や税理士との協議も踏まえて一時的に役員報酬をいただくのを控えることがある。
(この判断を間違っているとおっしゃる方もいるだろうが、私の意思でもあるのでご了承いただきたい)
さて、このような無収入になる時期がときどき起こるわけだが、そのようなときどうするか? もちろん、生活のためにアルバイトをすることはない。
貯金を切り崩しながら売上を伸ばす(施設を満床にする)ことに専念する。
立場として副業ができないこともあるが、営業活動などを地道にして事業を安定させることにフォーカスしたほうが結果的に早いからだ。
一方、自身のお金の使い方を見直す。
プライベートにおける支出を見直す。
すると、一定の収入が続くとき必要だと思って買っていたモノが、実はそれほど必要でない事に気づく。
最近になって別に必要でないと気づいたものは、トイレの芳香剤と睡眠時に使う口テープである。また、栄養ドリンクや栄養補助食品も同様だ。
これらは「あったほうが良い」ものばかりで、「必要なもの」の括りではなかった。このように考えたとき、自分にとって「必要なもの」と思うものこそ支出の対象から外すべきだと思うようになった。
実際、トイレは換気扇が回っていれば十分だし、睡眠は口テープよりも寝る前までの習慣を見直すことでよく眠れるようになった。栄養補助系の食品については食事を見直すことが優先だし、あまり極端に変わらないということも自分の健康管理を経て分かった。
――― では、何にお金を使えばいいのか? を考えた。
結論から言えば、お金の使い道は自分にとって必要か否かでなかった。
「本当に自分が使いたいもの」「本当に自分が体験したいこと」だった。
私の場合、それは本である。学ぶきっかけであり、思考の取っ掛かりであり、アウトプットの種である。
本は私にとって体験の1つである。それは投資行為だと思っている。
本を読んでお金になることはないが、私の生活を潤してくれる意味では投資である。
また、本は何度でも読める。私は同じ本を2回以上読む。また、10冊読み終えた後に以前読んだ本をまた読んでも楽しめる。これは漫画も同様だ。
役員報酬が入らないときでも、食費などの基本的な支出とは別に本は万単位で購入する。それによって私が満足した人生を送れる。
他の人はどうだろう?
映画でもいいだろうし、スポーツに類する商品やサービスでもいいだろう。創作活動のためでもいいだろうし、グルメ的な意味での食費だってアリだ。
旅行でも趣味でも何でもいい。
もしも、何かしらの理由によって収入が減ったとき、気持ちを落ち込ませないためには、「自分にとってお金を何に使うか?」を考えてみてほしい。
もちろん、家庭状況や経済事情などもあるだろう。優先事項は人それぞれだ。それでも「確実にこれにはお金を使いたい」という軸は持っておいて損はないと思う。
お金は生きる目的ではない。お金を使うことによって、自分の人生を楽しむことに意義がある――― たまにはそんな風に思っても良いだろう。
ここまで読んでいただき、感謝。
途中で読むのをやめた方へも、感謝。