家に帰ってからも仕事のことを考えることは、果たして良いことなのか?

「家に帰ってからも仕事のことが頭から離れない」「家に帰っても仕事のことを考えてしまう」という悩みを抱えている人は多い。

例えば、その日の業務中に起きた出来事、現在進めている企画、欠員に対する人員調整の方針、明日以降に連絡を入れる人たちとその内容・・・考え出したらきりがない。

仕事を起点とした発想や思考をアウトプットすることは別として、あくまで実務としての仕事のことを家に帰ってから考えたところで、家は職場ではないので何も進行できない。

スマホひとつで仕事ができる時代であるので、思いついたら仕事に着手する人もいるだろうが、それで良いパフォーマンスを発揮できるのかと言えば疑問である。

また、そもそも家に帰ってから考える仕事のことの多くは、決してポジティブなことではない。大抵の場合は「上司に怒られた」「仕事がつまらない」「やったことのない仕事が不安」といったものばかり。

そこから家に帰ってもゆっくりできなったり、休日も仕事が頭から離れなかったりする。



このように考えていくと分かると思うが、家に帰ってからも仕事のことを考えているという割に、実際のところは仕事の内容そのものについては考えていないのだ。

「現在開発している製品のことを考えるとワクワクする」「あの課題をいかにして解決するか、日常にヒントはないか?」といった前向きかつ具体的な思考ならば良いが、多くの人たちは仕事に付随する”感情”だけがグルグル巡っている。

仕事そのものについて考えていないのだから「家に帰ってからも仕事のことを考えてしまう」という悩みは、実際のところ的外れということになる。

また、家に帰ってから考えていることの多くは、仕事にまつわる人間関係に対しての感情である。「仕事上の人間関係を考えること」と「仕事そのものを考えること」は全く違うと認識したほうが良いと思う。

そもそも、仕事上の人間関係を考えたところで、結局変えることができるのは自分自身だけで、自分以外の他人を変えたり制御することはできない。
そのため、いくら「怒ってばかりの上司が明日になって優しくなればいいのに」と思ったところで、それは考えているとは言えない。

無駄で不毛な、ただの妄想である。



仕事でヘトヘトになるまで大変な1日を過ごしたというのに、家に帰ってまで仕事のことを考えるメリットは1つもない。

考えたところで翌日以降のパフォーマンスが向上するわけでもないし、売り上げが伸びるわけでもない。人間関係が良好になることもない。

ならばいっそ「家に帰ったら考えない」というほうが良いのだ。

家に帰ったらバカになって楽しんだり、大好きな小説を読んで感情を豊かにしたり、確実に7〜8時間以上は睡眠をとったり、人知れず自分の趣味を楽しんだり・・・と仕事以外のことに目を向けたり、体を休めることに専念するのだ。

これができれば、「仕事は仕事」と割り切れる。また、このような割り切り方をしたほうが、案外翌日以降も仕事に専念できる。うまくいけばパフォーマンスだって維持・向上できる。

これは現代において、多くの研究が立証していることだ。プライベートにわざわざ仕事を持ち込んだところで、決して良い結果にはならない。だからこそ、逆のことをすることで良い結果に導くことができるのだ。


・・・と、偉そうに書いたが、私も最近になってようやく、家に帰ったら仕事のことを極力考えないようにしようと思うようになった。

もちろん、介護の経営や運営という立場上、現場からのトラブルや利用者の急変、スタッフの急な体調不良といった連絡がランダムに入るため、完全な切り分けは困難である。

しかし、それ以外では自分の時間を確保することは大切、と思うようになっている。仕事も自分の時間ではあるが、そればかりしていても良い結果にはつながらないと身を以て気付いてきた。

もう少し時間はかかるだろうが、自分の働き方を見直していきたいと思う。


ここまで読んでいただき、感謝。
途中で読むのをやめた方へも、感謝。

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