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人事のためのキャリアコンサル_006 :転職回数が多い、どのように面接で伝えれば良いか?

「人事のためのキャリアコンサル」とは、"人事"プロフェッショナルの方々のキャリア支援を目的に、架空の人事経験者のプロフィールを元に、「もし私だったらこんなアドバイスをする」をまとめたコンテンツです。


キャリアサマリ

  • 32歳男性

  • 日本語ネイティブ、英語ビジネスクラス

  • 6社経験

  • 現職は採用スペシャリスト

  • 現年収800万円、希望年収900万円以上

課題

  • 転職回数が多い、どのように面接官に伝えれば良いか?

キャリアアドバイス

転職回数が多い、どのように面接官に伝えれば良いか?

候補者の「転職回数」について、公開されている求人情報の要件には掲載されていることはほとんどありませんが、スカウトサービスで検索をする時に「転職回数◯回以下」と選択ができたり、人材紹介会社向けにクローズドで転職回数についての要望を伝えるなど、採用する側のニーズとして、転職回数が選考の要件に入っているケースは珍しくありません。

そもそも、転職回数が多い候補者を避けるのは、どのようなニーズから生まれてくるのでしょうか?

全てのビジネス活動は、投資よりもリターンが大きくなることを期待しています。

採用活動も、投資(採用教育費、人件費等)よりも大きなリターンを期待して行います。特に人事職の場合は、他の仕事と比べるとパフォーマンスをお金に換算しづらい、かつ、ほとんどが短期的ではなく長期的に成果が出る性質の仕事なので、より短期離職を嫌う傾向にあります。

転職回数が多い方に対して選考官が確認することは「すぐに辞めないか?」です。そして、それを確認するためにしたい質問は「なぜ各社を辞めたか?」です。
一方、転職回数が多い応募者の方は、ネガティブな印象を与えることを懸念して「なぜ各社を辞めたか?」を隠す傾向にあります。

合否をつける選考官の目線で考えると、退職理由が曖昧で分からなければ、合否を判断するための情報が少ないため、「不採用」と判断せざるを得ません。懸念があっても申し送りをして次の選考には進んでいただく、という選考の方針があれば一次面接はパスする可能性はありますが、内定までに退職理由がクリアにならなければ、または懸念以上に入社後のリターンを期待させられなければ、「不採用」と判断される可能性が高いです。

どうすればいいか?

まず、選考官が納得するまで質問に答え切る、というスタンスで面接に臨んだ方が良いです。選考官は「なぜ各社を辞めたのか?」について理解して納得がしたいため質問をします。そんなの当たり前と思われるかもしれませんが、早口でバーっと転職理由を一方的にお話ししたり、深掘りの質問に対して曖昧な返答をされる方はとても多いです。
ただ、過度なハラスメントや、思い出すこと自体が憚られるよう経験が理由で退職を決意された方も当然います。その場合、選考官に話す/話さないはご自身の判断ですし、逆に言えば、その様子が伺えるにも関わらず、深掘りをして何度も質問をしてくる選考官がいる会社には、疑いを持った方が良いです。

そして、退職理由を説明をする際には「解釈」ではなく、「事実」をベースに返答をしましょう。例えば、「上司とウマが合わなかった」は「解釈」で、「上司から業務時間外や休日にLINEの連絡が何度も来ていた」は「事実」です。「入社前と入社後でイメージしていた仕事と違っていた」は「解釈」で、「入社前に説明された仕事内容が法人営業で、入社後の実際の仕事は営業アシスタントで内勤業務だった」は「事実」です。退職理由の説明における「解釈」はネガティブな印象を与える傾向にありますが、「事実」は相手に解釈の余地を与えます。事実が退職をするに値するものであれば、納得することができます。

ここまでをまとめると・・・

退職理由が分からない→合否判断がしづらい(結局不採用になる可能性が高い)
退職理由が分かる/納得できる→まずは合否判断ができる(もちろんここで不採用になることもある)

選考官が納得するまで、「事実」をベースに返答した上で、その会社に対して「どう貢献できるか?」を説明できるように準備することをオススメします。

何を懸念と捉えて、何を評価するかは各社の選考基準に拠るところで、退職に関わる評価ポイントを応募者側が全て推測して準備するのは困難です。ただ、結局採用で見てるポイントは「入社後に活躍してくれるか?」の一点に尽きます。

応募したポジションの求人票から仕事内容を理解し、ご自身でポジションの期待を推測します。その仮説を元に、自分だったらどのように貢献できるか?を説明ができる準備をしておきましょう。

例えば「採用スペシャリスト」のポジションであれば

  • 求人票に記載の期待されている役割は?

  • 募集ポジションは?

  • ビジネスモデルは?

  • 事業成長のために最もキーとなる部門は?

  • 人事/採用チームの組織構造は?

  • 採用目標は?

など、分かること/推測できることから本ポジションに何が期待されていてるのかを言語化し、自分であればどのように貢献できるか、なぜ貢献できるか(どこの会社での経験が活かせるか)を話せるように準備しておきましょう。

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