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[最新版] Z世代エクスプロージョン💥

▼本記事について

 本記事は、「Z世代」にまつわる事象を取り上げ考察した【Z世代エクスプロージョン】の第2稿となっております。

 初稿では、Z世代のカルチャーや思考観点から実際の記事・事象をピックアップしながらZ世代の特異点を紐解いていきました。今回の第2稿は、以前作成した2020年10月以降の最新情報も含めた増版バージョンです。
 こんな方↓ は、ぜひぜひチェックしてみてくださいね。

・Z世代について知りたいが、基本的な点として何を知っておけばいいのかわからない

より深い文化にまで根付いたZ世代の情報を知りたい。

マーケティングターゲットとしてのZ世代の姿を知りたい。


さて、それでは早速、「Z世代とはどんな世代か?」という点を皮切りに話を進めていきます。


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▽Z世代とは

【定義】

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 Z世代とは、1996年以降に生まれた「ネオ・デジタルネイティブ」という特質を備えた世代です。(諸説あり)なぜ "ネオ" かというと、実はミレニアム世代が既に「デジタルパイオニア 〜 デジタルネイティブ」と呼ばれているのです。

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Z世代中期に至っては、スマホを持ち始めたのは多くが小中学生で、かつてないほどの速さでデジタルへの参与を果たしています。
 そうした意味で、「ネオ・デジタルネイティブ」とは、パソコンやガラケーなど今となっては当たり前、ないしは死滅したデバイスではなく、ネットサーフィンから個のSNSまでありとあらゆる操作を可能とする「スマホ」を自然に目にし持ち始める(スマホ第一世代)Z世代にふさわしい称号です。

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 また、度重なる世界的な脅威・変革を幼いながらも体験しており、他の世代と比べるとソーシャルアクト(近年叫ばれているSDGsやブランドアクティビズム)への賛意も高まっています。
 事実、このコロナ禍で生じたBLMや人種差別へのヘイトなど、かつてないほどの勢いのソーシャルアクトに一役買ったのもZ世代と言われています。反面、そうした不安材料が多く見られたがゆえに、一義的な価値観への疑念も生じ、そこを起点にダイバーシティ思考多様性社会の理解)を備えています。

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 世界価値観調査によると、Z世代の同性愛寛容度が非常に高いポイントを示しており、性差への多様性を例にとるとその事実のほどがうかがえます。


【ここまでのまとめ】
・Z世代は1996年以降の生まれで、「ネオ・デジタルネイティブ

・最も早くスマホを手にした「スマホ第一世代

ダイバーシティソーシャルアクトへ高い賛意を示す


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▽既存概念の崩壊

【ポスト・ジャンル性】

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 前項では、Z世代が同性愛に対し一際高い寛容度を示したことを挙げました。(引用した世界価値観調査にかかわらずその他の調査などからセクシャリティ全般に対して理解を示す動きが見られますが)そのことに加えて、Z世代の約97%の女性は、日常的に最低5つの音楽ジャンルを聴いています
 ストリーミングサービス(SpotifyやApple Music)の普及が直接的な要因ですが、SNSによるボーダレスなコミュニティ形成が可能になり、関わる人の属性(国籍・宗教・性別・年代)が問われなくなったことから "ポスト・ジャンル性" をうかがうことができます。


【OMO - バーチャルとリアル】

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 また、近年はコミュニケーションの場が <リアル> と <バーチャル> が混じり合ったOMO(= Online Marged with Offline)状態になりつつありますが、反面、Z世代はその境界線を明確にした立ち回り方をも備えていると考えられます。
 バーチャル上でのアイデンティティは、プラットフォームごとにいつでも作成・変更が可能です。リアルでのそれとは別離された、半ば”別人格”といってもいいほどのものでしょう。上記の事例では、Z世代はバーチャルとリアルの自己分別は明瞭であり、バーチャルをリアルの代替物と見なすこともなく両者をバランスよくコントロールできています。「バーチャル / リアルでのアイデンティティは非対称的だ」という暗黙の了解があることも(定性的にではあるが)確認されています。


【DIYメンタリティ】

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 【Spotify Culture Next 2020】によれば、Z世代には教育や仕事について、大学や企業に頼らず自身の力で道を切り拓く”DIYメンタリティ”を備えているといいます。
 変化の激しい時代、本当に価値あるものをスピーディに追い求めるには、既存の大学や企業はアテにならないという考察を示唆しています。事実、2019年のTD Ameritradeの調査では、高校卒業後の進路で4年制大学以外の選択肢を検討している米国在住Z世代の割合は89%と非常に高いことが判明しました。また、Z世代の65%が「すでに自身のビジネスを始めた」「始めるつもりだ」と回答していることも確認できています。
 デジタルパイオニア~デジタルネイティブのミレニアル世代からデジタル教育を受けていることや、気軽に受けられるオンライン授業コンテンツの急増も相まって、この傾向が日本でも強まり始めているのを感じられます。


【ここまでのまとめ】
OMOなど、社会情勢や価値観の目まぐるしい変革により、Z世代の趣向が多様化(= "ポスト・ジャンル性" )

・一義的な価値観、慣習に頼らず、自身でやってのける "DIYメンタリティ" を備える。


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▽ニュー ・ カルチャー

【チルい】

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 チルウェーブ、チルアウトなどの音楽ジャンルにも見られる言葉で、英語の Chill 「落ち着く」に由来した造語。”チルい”は ゆったりしているさまを指します。長時間、ゆったりと気持ちの良い時間を過ごせるシーシャがブームになっているのも、ベッドルーポップなどに象徴される ”チルい” 体験がトレンドになっていることに比例した事象だと言えます。
 また、CBD(大麻から合法成分のみ抽出したオイル)やモクテル(ノンアルコールカクテル)、レコードなど、”チル”をビッグテーマに、時代やボーダーを問わず新たなカルチャーを誕生させています。特にCBDやモクテルがウェルネスブームに寄与していることは、特筆に値します。

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 さらに近年、Z世代が「昭和レトロ」に非日常の魅力・新鮮さを見出しているさまも確認できています。喫茶やレコードミュージックなどとという、ノスタルジー体験を引き出す装置に "チル"&nbsp;を感じているとも考えられます。


【ベッドルームポップ】

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 『どこかノスタルジックで、ゆったりとしたテンポ感チルアウトしたムード、過度なリヴァーブがかかったサイケデリックでドリーミーな音像』とともに演出される”ベッドルームポップ”。あからさまな重低音と強圧的ではなく、完璧さを感じないLo-fiなメロディが特徴です。
 Spotifyの音楽ストリーミングサービスの登場から、ジャンル横断的に音楽を楽しむことが習慣化されているZ世代。ベッドルームポップには、そうしたポスト・ジャンル性の思想を汲み取ることがで、一つのニュー・カルチャーと捉えられます。


【ファーリー】

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 ”ファーリー” とは、擬人化された動物のキャラクターになりきり、着ぐるみに身を包むサブカルチャーのことを指します。精神疾患を抱えた若者や、人前が苦手な人など、ファソナ(ファーリーの人格)を獲得することでそれを克服することがあるといい、ファーリーが覆うその多くは、Z世代なのです。
 メンタルヘルス問題にも寄与する点から、メンタルヘルスの項でも後述すしますが、ファソナの性別もジェンダーも性的指向も関係ないフルフラットなコミュニティという性質から、ジャンルに囚われないポストジャンル性がゆえに生まれたカルチャーだと言えます。


【ここまでのまとめ】
・シーシャやモクテル、レコード、CBDなど "チル" を起点としたニューカルチャーが誕生

・ポスト・ジャンル性の特質とストリーミングサービスの登場により、ジャンル横断的な音楽の楽しみ方を自然と身につける
&nbsp;→ ベッドルームポップへ派生

・ファーリーコミュニティにみる、男性女性などの垣根をすでに超越するほど成熟している、Z世代のポスト・ジャンル性


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▽SNSの利用動向

【ユニークな活用法】

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 Instagramのおいて、ハッシュタグ検索からは有益な情報が得られないため、位置情報を”ハッシュタグのような感覚”で使っていることが確認できます。ネオ・デジタルネイティブのSNSプラットフォームを駆使した遊び方が、今後も新たなトレンドを生むきっかけになるといえるでしょう。

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 またmemedaysのレポートによると、10代女性のInstagramのコンテンツ投稿トリガーは、”ニュースのシェアをしたい気持ち" という調査結果が出ています。トレンドの生みの親となるZ世代をマーケティングターゲットとして据える場合には、こうしたSNSに対してのモチベーションや活用方法などを認識することで、より近似的なペルソナ設計やカスタマージャーニー想起が可能となるでしょう。


【季節感の喪失】

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バーガーキング が8月に店舗をクリスマス仕様にしたことが2020年話題を呼んでいました。こちらのmemedaysの調査によると、Z世代には"ネタ"や"面白そう"という理由から、シーズナリティに関わりのない投稿傾向が見られることがわかりました。
 またインフルエンサーの動向から派生したmemeの影響も強いことが示されてます。


【Z世代のためのSNS】

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 Z世代は既存巨大プラットフォームのSNSで独自の使い方をする要因としては、ネオ・デジタルネイティブという要素ももちろんですが、単純にニーズが満たされてない、ということも考えられます。
 Shanghai Soul Gate Technology が手掛けた感情AIドリブン型SNS『Soul』は特殊なSNSプラットフォームです。本当に気の合う友達「Souler」を見つける仕組みが備わっており、アカウント登録時には自分と合うユーザーがマッチしやすくなるようアンケーが実施されます。「Souler」はそのアンケート結果に応じAIが自動選定し、自身のタイムラインに現れストレスレスなSNS体験が可能となります。

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 フランスで開発された『Yubo』は、「“ポートフォリオ化”する大人のSNS」からの脱却を目指すティーンのためのSNS。「いいねの数や、フォロワーの数にこだわらない環境」をつくり、Tinderのようにマッチング機能も実装されています。"孤独の温床" にならないよう徹底されたプラットフォームで、海外を中心に大きな広がりを見せつつあります。


【SNS中の、"個" と "個"の距離】

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 過去12ケ月間に、ソーシャルメディアを通じて企業とやり取りしたことがあるという層は21-27歳が最も多く、14-20歳がそれに次ぐかたちとなっています。また、ソーシャルメディアを介し企業情報を取得する若年層は多く、「企業のソーシャルメディア利用」かブランド認知において高く評価されています。
 そのような、SNS上での容易な他者との繋がり方は、スピード感、気軽さを備える反面、関係決裂の危うさやコミュニケーション密度の格差などといった問題と隣り合うことにもなります。
 (近年、アツギやタカラトミーなど大手企業のTwitterアカウントでたて続けに炎上が起きました。企業側がプラットフォームのコミュニティ色に迎合するあまり、本来企業が求めるターゲットへのリーチを欠いた事例ですが、こうした惨事を避けるためにも、企業側は本来あるべき目的を都度々々確認する必要があると考えられます。)

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SNS上のやりとりに外壁を持たないという特質は、なにも企業とだけではなく、むしろそれは "繋がり方の一つ" としてしかZ世代には認識されていないと考えられます。(※ 出典: Z世代白書(2020.6))

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 このように、ごくごく自然にSNS上でコミュニケーションをとる体験をしていることから、ソーシャルネイティブとも呼ばれる由縁です。


【ここまでのまとめ】
・Z世代は他世代に見られない特有のSNS使用特徴を持つ

・SNSは必ずしもTwitterやInstagarmに限られない

・他者(企業や人)とのコミュニケーションに外壁をもたない


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▽ライフスタイル・価値観

【二面性・多面性】

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Z世代白書(2020.6)でもZ世代の特徴として挙げられている、"個と他の二面性・多面性"。
 オンラインとオフラインの境界線が溶解し、双方のシームレスな行き来を可能にするスマートフォン、それを駆使することであらゆる体験が可能となり、「なんでもできる」からこそ、「私にしかできない」唯一無二性を求めます
 反面、高度なウェブリテラシーを備え日常的にウェブルーミングやネットサーフィンを行うことから、無意識的に他者(友人・友だちの友だち・見知らぬユーザー・タレント・インフルエンサー・企業・bot...)との接触を迫られています。"UGC(User Generated Content)"の凄まじい効能が様々な場で語られていることから、そうした状況下でZ世代の "他者(意見)" への注意の仕方も変わっていっています。なぜかといえば、自身の投稿も知らぬ間に誰かにとってのUGCとなりうるからです。
 このように、"個と他" の間で揺らぐことからその二面性・多面性という特質が生じていると考えられます。

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 事実、Z世代白書(2020.6)でもZ世代がそのはざまで喘ぐ様が伺えます。特に、『人が自分をどう思っているか気にする』の項では、25歳以上の世代58.5%と比べおよそ15ポイントの差があり、ミーム文化の裏側を垣間見れます。

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 また『人と違う個性が重要だ』という項でも14ポイントの差が見られます。決して他者と同調したいわけではない、 ”没個性” への反駁姿勢がみえ、不安や依存したい心も持ちながら、バランスよく渡り歩きたいさまがうかがえます。


【ポジティブな将来観】

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 SIGNINGの【Covid-19 Social Impact Report】によると(SIGNINGのこのレポート第二稿もめちゃめちゃ興味深いのでリンク貼っておきます)、ポストコロナ社会の変化にも、点線楕円で囲んだ10-20代はポジティブなイメージを抱いていることがうかがえます。もちろん将来は不安でしょうが、それを許容できるキャパシティ(楽観さ)を備えています。新たな生活様式を迫られようと、さまざまな楽しみ方を生み出すエネルギーはやはりZ世代だけでなく誰もが持ち合わせておきたい志向といえるでしょう。
Z世代女性 SNS利用目的の第3位が『推し事(=好きな推しを応援すること)』とあることなどから、努力し続けている誰かを応援するというふうに、独自に楽しみを見つけポジティブライフを送ろうと試みる姿からも、このSIGNINGのレポートにはうなずける点があります。


【リモートネイティブ】

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 『Z世代には先駆者的なアントレプレナーシップ的なマインドを持って行動をしていくことが求められていくのではないか』という言葉にあるように、事実彼らが身に付けたのが "DIYメンタリティ" なのです。このリモートネイティブという言葉に、「コロナ禍の働き方大変革」や「Z世代の孤独や不安」など様々なZ世代にとっての試練が含まれているのを感じられます。

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 上記、認定NPO法人ReBitの調査では、Z世代のD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)への考えを探っています。リモートネイティブとなったことから、ワークライフバランスやコミュ二ケーションの取り方、働き先のD&Iへの理解度など様々な点に関心が向くようになりました。
 前述したように、一義的な観念への疑いから、大きく変化した社会に順応するべく、スピーディーな対応をとる企業への関心が高まっていることをうかがえます。


【ソーシャルアクトへの参画】

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 冒頭でお伝えしたように、Z世代は不安定な社会情勢からソーシャルアクト(SDGsへの参与・政治参加など)への意欲が他世代に比べて高い傾向にあります。もちろん、それを後押しするような要因(SNSの一般化など)も欠かせませんが。

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 こちらは 日本経済新聞 2020年10月10日 土曜版 の記事です。『給付金以外のお金を付与した割合』で20代が最も多かったというデータですが、20-29歳という括りなので、ここでは必ずしも全てがZ世代とはいえません。しかし、少なからずミレニアル終期〜Z初期世代の集合といえることから、社会貢献意欲の高さを裏づけるものといえるでしょう。


【スタンス思考】

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 Z世代にとって、いまや美しく艶えやかな外面では重視されなくなっています。Instagramのストーリーや短尺動画プラットフォームTikTokの台頭により、より気軽で日常に即したコンテンツが増え、また、「チル」「ナチュ盛り」(自然に見えるが本来よりも美しくなる)といった言葉ことからも、非日常性よりも日常的な"自然な姿"が評価されるように変化して行っているのです。
 電通若者研究部(電通ワカモン)の調査によると、「内面:行動で示されるもの」つまり「個を表出するスタンス」こそが重視され始めているようで、取り繕った華やかな外面ではなく、ありのままの自然な姿、それが示す"スタンス"を「かっこいい」の基準となっています。

 先述したソーシャルアクトは個の意思を社会の中で視覚的に表出できることから、スタンスを表出し易い。Z世代がソーシャルアクトに関心を寄せているのには、先述した”DIYメンタリティ”や”アントレプレナーシップ的思考”、先行きの不透明さなど他の要因も多く考えられますが、ソーシャルアクトによるスタンスの建てやすさも大きな要因の一つと考えられます。


【不完全性】

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 TikTok For Business オフィシャルユーザー白書 第3弾によると、TikTok上で「広告動画はついつい最後まで見てしまう」というユーザーは他媒体と比べると、143.8%多い結果&nbsp;となっています。
(Criteoの調査でも62%のZ世代が価値を提供する広告の表示に賛同していることも分かっており、Z世代という土壌自体が広告に対しどちらかといえばポジティブだということも加味されます。) 
 TikTokで目にする広告(タイアップコンテンツなど)は特に、技巧に富んだクリエイティブというよりかは、手作り感、親しみやすさ、自分ごと化しやすい印象を与えます。
 ごまかしのないジェネラルな視点で描かれるUGCは、一般ユーザー自らが創り出したコンテンツであり、企業やクリエイターの制作物のような完成度はないにしろ、ユーザーに大きな信頼感・安心感を付与することができます。
 TesTee(テスティー)の調査によれば、TikTokはZ世代の間で爆発的な人気を誇るアプリであり、上述したようなTikTokコンテンツを日常的に目にしているとすれば、不完全なコンテンツに好意的な印象を持つことは当然と言えるでしょう。

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 以上のような見解から、Z世代が不完全性への信頼感を抱いており、そうしたコンテンツを好むことがこ上図のデータからも確認できるかと思います。


【オープンマインド】

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 2020年9月17日から ABEMA より放映された【17.3 about a sex】は、性のリアルに迫る女子高校生3人を中心としたドラマです。「いままでは恥ずかしいコソコソとしか言われていなかったが非常に重要なこと」が、当たり前に必要だとZ世代は気付き始めていることが伺えます。

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 事実、Z世代は安全なセックスの方法など基本的な情報を読みたいという気持ちがあり、そうした好奇心からさらに*ミレニアル世代は読まないような話題にも興味を持つようになってい』ることもうかがえ、殊にセックスについてはこのようなオープンで積極的な情報収集を行っていることがわかります。

*「ミレニアル世代は読まないような話題」:ピュー研究所の調査では、そうした話題は『月経周期に関する記事やアナルセックスのような過激な性の話題に関する記事』を指しています。


【ここまでのまとめ】
・SNSやリアル、個と他の間に喘ぐさまから、二面性が生まれる。また、「映え」から離れ、日常に即したコンテンツを好むことから不完全性という特徴もみられる

・社会情勢に加え、自身のスタンスを効果的に示す手法として、ソーシャルアクトへの参加意識が高い

・初のリモートネイティブとなるなど、困難な状況下でもポジティブな将来観を持ち、また不完全で一義的な慣習に拘らないことから、オープンマインドな特質も備える


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▽マーケティング界にみられるZ世代

【マーケティングターゲット】

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 Z世代をターゲットにした製品や、開発段階でZ世代の声を大きく反映させたり、プロモーションにZ世代をインフルエンサーを起用したりと、その存在の大きさは計り知れないものです。ここに挙げた事例の他にも、ファッション・コスメ・フィットネス・健康食品・SNSプラットフォームなど、Z世代を絡めた製品は数多く登場してきています。


【Z世代の消費行動】

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 株式会社PARKLoT(パークロット)の調査によると、製品・サービス購入時には、そのSNSアカウントのフォロワー数によって信憑性を測るようです。
 先述したように、2020年だけでもZ世代をメイン顧客と据えたり、共同開発しその視点を取り入れた製品や、Z世代の特質を突いたサービスなど、数多くのプロダクトが開発されていて、Z世代もそれに迎合しているともいえます。
 一方、ブランドとZ世代の主なタッチポイントはデジタル、SNS上に限られていています。SNSマーケティングにおいては近年フォロワー数よりエンゲージメント率が重視されていますが、Z世代を含む多くのユーザーは一定数以上のフォロワーを抱えているアカウントでなければ安心してコンバージョンにまで行けないことがうかがえます。


【定性的にみるZ世代】

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「かっこいい」、つまり理想的なアイデンティティとしてZ世代が考えるのは、個を表出できる自身の”スタンス”を持っていること。
このスタンスを示すのにあたって、彼らはいちいちマイノリティを非難したりカテゴライズすることはなく、むしろ揶揄されるのは”セクショナリズムや自身の自信のなさから他者を貶める発言をする者”なのです。
 しかし、 ポスト・ジャンル性であるがゆえに、フラットな目線でブランドの”スタンス”を評価でき、「若者だから」「Z世代だから」、他者との繋がりを強く求めたがるんだ、などと決めてかかるのは危険だと言われています。
 ポスト・ジャンル性を備えているところから、そもそもZ世代当事者ながらも”Z世代”という呼称さえしらない若者も少なくないからです。


【ここまでのまとめ】
・Z世代をマーケティングの軸に据えた数多くの製品、サービスがみられるが、購入に至るにはそのSNSアカウントのフォロワー数が重視されている

・Z世代の特徴を解析しそこにスポットを当てようとも、彼らはポスト・ジャンル性を備えた世代で、あくまでデータから観測される"傾向"という風に理解するべき


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▼サマリー

 ネオ・デジタルネイティブの世代だからこそ持つバーチャルとリアル / 個人と他者の二面性。DIYメンタリティや、ポスト・ジャンル的な価値観など。様々な要素と環境条件により生じた特異性の中でも、最も重要な点はスタンス思考 と ポスト・ジャンル性だと考えます。
 そしてこれらに通じるものとして挙げたいのが、"ブランドアクティビズム"です。

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 それはつまり、「企業がそれぞれの信念やパーパス(存在意義)、価値観に基づいて、... 自らの立場を明確にする」こと。Z世代は明白な自身の”スタンス”を持つことを理想としており、彼らがソーシャルアクト参画の他、ブランドを纏うことで、間接的にそのブランドが個人をブランディングし、スタンスを獲得できます。
 Z世代に対し良質なマーケティング施策を打つには、上図でマクドナルドとバーガーキングがゲイプライドへの支持を表明しているように、ブランドを手にすればどんなスタンスを獲得できるのかを考える必要があります。
 機能的価値や情緒的価値のみならず、出例したような社会的価値の創出が可能なブランドとなることで、Z世代のみならずスタンスを表明したコミュ二ティとそのムーブメントを活性化させることができるでしょう。ブランドアクティビズムは、理念をZ世代やその他のコミュニティに付与することで、それを利益へと転換させることへ繋げるものなのです。

 最後に、こんな例えで恐縮ですが、地球を始めてみた異星人からすれば、「Z世代」はあくまで「若そうな人」くらいの認識なのです。肌の色、話す言葉、食べるものなどは違えど、結局はみなと同じ人間なのです。ネオ・デジタルネイティブだのポスト・ジャンル性などと小難しい言葉で描写されようとも。
 思うに、Z世代を理解する上で一番重要なのが、こうした、「一人間なのである」という前提を忘れないことなのかもしれません。


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▼ 参考

ニッセイ基礎研究所&nbsp;-&nbsp;Z世代の情報処理と消費行動

教育とICTonline

Criteo&nbsp;ミレニアル世代 vs Z世代:押さえておくべき4つの違いと特徴

電通報&nbsp;世代論から紐解く「オーディエンス・インサイト」~ネオ・デジタルネイティブの誕生~

・MMD研究所「今年初めてスマートフォンを持つ子どもの親に関する意識調査」(2020年1月)

・デジタルアーツ「未成年の携帯電話・スマートフォン利用実態調査」(2016年2月)

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・その他参考:各キャプションや文章に埋め込み


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