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黒髪へ変身。

ほとんど真っ白だった髪の毛を黒く染めてみた。

ほんのでき心で数か月振りに帰国して嫁さんと一緒にスーパーマーケットをうろついていた時、髪染めが置いてある棚に目が行き、遊び半分で買ってしまった。

インドネシアに住んでいるので日本滞在は旅行者の気分で開放的になり、前からちょっと挑戦してみたいと思っていた黒髪への変身に気軽に踏み切ってしまった。

妻に教わりながらなんとか自分で毛染めを実行。割とうまくできたと思う。娘たちからの評判も悪くなさそうだ。

ただ、白かった頭髪がいきなり全くの混ざり物のないきれいな黒髪に変わったのは、自分でも違和感しかなく、いかにも染めましたと皆に発表して歩いている様なもの。

敢えてグレー(シルバーではなく)にする染料もあったが、どうせ染めるなら黒、と初心者にありがちな強い意気込みによって冷静に検討する心の余裕が無かった。

目じりや頬、首筋などに表れている年齢なりの皺には似合わない20代の黒髪。少し地肌が髪の毛の間から見え始めている毛量なのに、20代のつややかの黒髪。

若さへの執着を露わにしている。なんかとても大きな間違いを犯してしまった気分になった。

大学時代の友人たちとの飲み会があった。同い年の男たちは3人の内2人は頭髪が抜けてきており、一人は白いながらも毛量は大きく減っておらず地肌も見えていなかった。

そんな中、髪の分け目から見える地肌の面積が若干広くなっており、また鏡では前からよく見えないが頭のてっぺんも地肌露出が拡大中のところ、20代の黒い頭髪で飲み会に参加した。

特に髪の毛の変化を指摘する声は男友達からなく、これは自分が気にするほど他人は無関心なのか。よっしゃーと心でガッツポーズをとったが、さすが女性はよく見ている。

「髪の毛染めたの?いいんじゃない。うちの旦那なんか染めたくても毛がない。染められるときに染めたらいい。」と偉く冷静に男の悩みを軽くあしらってくれた。

結局、白髪も禿も本人が気にするほど他人は気にしておらず…と言うか敢えて言葉に出すには失礼だと思って気にならないフリをしてくれているのだろう。

インドネシアに帰ったら現地社員は口には出さないが、じろじろと私の頭を見てくる。彼らの記憶にある私の頭髪と目の前の頭髪と照合作業をしているのか。やはり誰も口に出して染めたことを指摘して来なかった。

そういえば、一度染め始めると後から生えてくる白髪と黒白混合になり、カッコ悪いもしくは手入れをしていなくてだらしないと思われるので、定期的に染め続けなければならないと知人から聞いていた。そして地肌の露出が大きくなってきた私の頭を整えながら床屋の女将が、髪の毛が白いから頭皮の露出が目立たなくていいと変な慰め方をしてくれていたのだった。

軽い洒落で黒髪に染めたが、今後はどうしようか?染料が頭皮に悪い影響があるなら即刻やめる。でも何となく若返った感じも自分的には嬉しいのだが。

黒く染めて若返った感じを楽しんだ分、頭髪が急速に抜け始め老け込むのか。結局ゼロサムなのかもしれない。

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