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『死ぬまで生きる日記』を読んで

長岡の市立図書館に居候している。
そこで、素敵な本に出会った。


土門蘭さんの『死ぬまで生きる日記』である。




僕は今年38歳になる。
なのに、ニート。


まあ、職は探しているんだけども「やりたい!!」って思えることがないのだ。最近は、前職に戻ろうかなとか、好きなアパレルに行ってみようかな、とか考えたりしたけど、やっぱりどうもしっくりこない。




自分の気持ちに素直になるって、ずっとしてきてなかったんだなって、痛感する毎日。


僕は、育った環境の影響で、どうしても自分の決定を相対的なものでしか決めることができなかった。親や、周囲の目を気にすることは、別に特別なことではなかった。

この本の作者の土門さんも、複雑な環境で育った人で、いろんな選択を相対的に決めてきた背景があったらしい。


最近思うけど、周囲の期待に応える方法をとる方が、楽なのだ。
「~のために」っていうのは、素敵な考え方であるとも思うし、力にもなるから。

でもそのときに、あまりにも自分を置いてきぼりにしてしまうと、自分の心と「決定」がどんどん距離を広げていく。その結果、楽しく働けないとか、楽しく人生を歩めないっていう方向に進んでしまうのだ。




僕が土門さんと同じで一番うれしかった?のは「親の愛情を受けて育ったはずなのに…」という葛藤の中で悩んでいるところだ。


僕も、親からの愛情に不足を感じたことはないし、大事にされてきたと思う。でも、なぜか心はいつも寂しかったし、大学に進んだときには、その寂しさを埋めるかのように、暇があればいろんな出会いを求めて、良くないここともしてしまっていた。


ただ若い頃は、それが自分の心の中にある何かが原因とは一つも思っていなかった。社会とのズレや、周囲とのズレなんて「自分が正しいから」って思うことで、周囲を下に見て「みんながおかしいから俺がおかしく見えるんだ」って解決してしまう自分がいた。


でも35歳を迎えたあたりだろうか。なんとなく冷静になってくると「あれ?これって、もしかして俺に問題があるんだろうか」って思いだしたのは。

そこからは、自分の中で積み木が崩れるみたいに、何かがバーッて壊れてしまった。そしてぶっ壊れた積み木の中には、体操座りでポチョンと寂しそうに座っている、少年の自分がそこにいた。

「やっと、見つけてくれたね」って。




そして僕は体調を崩し、仕事を休み、カウンセリングに2回通った。

僕にとっては、その二回だけでもすごく有効だった。
(2回といっても、知り合いの紹介だったので、超ロングタイムで実施してくれた。実際には、数日分だったように思う。)

何が一番有効だったかって、まったく知らない人だし、安くないお金も払っているから「全部話してやる!!」って気持ちで、ありたあらゆることを全部話せたこと。

カウンセリングの大家の一人、ロジャースによれば「過去を話すことは、自分の過去を認め、自分を許し、自分に優しくすることになる」みたいなことが書いてあった。

それまでの毎日は「こんな自分じゃだめだ!!」の繰り返しで、毎日毎日、とにかく「平成の自責王」とあだ名されそうなくらいの勢いで、自分をいつも責め立てていた。

というか、まさに土門さんの本にあった「自責よりも自懲」ってやつ。


あまりにもひねくれすぎて、自分か世界の人、どっちかが一瞬で滅べばいいのにって、よく考えてたっけ。



ただ、カウンセリングを通して、自分で自分を傷つけていたことがわかってからは、とにかく「自分くらいは自分を絶対に支持する人でいよう」と決意した。

土門さんも「自分で自分のお母さんになる」って言ってたけど、僕も同じ気持ちになって「自分が自分を一番大事にしよう。」って決めることができた。

カウンセリングだけがすべてではないけど、とにかく大事なのは頭の中にある言葉なんて表面的なものだから、それを話尽くして、仕方ないから心の中から幼い、できあがってもいない生まれたての言葉を無理やり紡ぎだしたときに本当の自分の心の声に耳を傾けられるような気がしています。とにかく、僕らみたいな「こんなに自分の話して大丈夫?」って思っちゃうタイプは。




たぶん最近は、幼い自分に戻ってきたと思う。
とても、良い意味で。
アラフォーで、そんなこと言ってんの、少し恥ずかしいけど、やっと自分の心に素直になりはじめた。やっと寂しさとか、虚しさとか、受け入れられるようになってきた。

ぽつんと座っていたいつかの少年の自分も、今はまた少しずつ新しい積み木を組み立ててくれていると思う。

「今が楽しいよ」って。



ただし、ニートってこともあって、今はなかなか喜びとか、楽しさとか、やっぱり感じにくいところもある。「死にたい」とか「生きる意味ねえ~」とかって、毎日思う。


でも、これも修行だと思って、ちゃんと心の底から「これやりたい!!」って思ったことに挑戦するために、もう少し粘って、心の声に寄り添って生ていきたい。

土門さんの本のおかげで、なんだかすごく生きる力が湧いてきました。
同じ悩みもってる人、いるんだなって。


よし。

俺も頑張るぞ。


自分を信じて生きていこう。

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