LINE PAYは消滅しない
一昨日の発表から多くの報道において、「LINE PAYがPayPayへ統合される」と報じられておりますが、私はLINE PAYは消滅しないのではないかと考えています。
LINE Pay、PayPayの統合マイルストーン
今すぐLINE PAYというブランドがなくなるわけでは無く段階的に移行をしていくという計画です。
2021年4月
今年の4月下旬以降から、LINE PAYでもPayPayの店舗QRコードの読み取り決済に対応を開始します。
PayPay加盟店において、店舗QRコードを読み取るユーザースキャン方式(MPM)を採用する加盟店についてはLINE PAYによる支払いが可能となります。
このようなステッカーに張り替えられるようです。
2022年4月
LINEの発表によると
「PayPay とLINE Payは、2022年4月にLINE Payの国内QR・バーコード決済事業をPayPay の事業へ統合することについて、協議を開始しました。」
あくまで現時点においては「協議を開始」、ということのようです。この「協議を開始」、という表現は現時点でどのような検討フェーズにあるのか、想像はたやすいのではないかと思います。つまり、まだ何も決まっていないけれど、経営統合したのだから、重複しているサービスは一本化しないとね、という両社の共通認識レベルに過ぎないのです。
LINE PAYは消滅しない
まず、今回の経営統合の報道資料の冒頭でも記載がありましたが、両社の基幹事業は何か?つまり強みは何か?そして、今後の成長事業は何か?という説明スライドがありました。
根幹事業は「検索・ポータル」「広告」→Yahoo!、「メッセンジャー」→LINEであるということ。
決済事業の話は今後の成長事業である集中領域として表現されています。決済事業はまだまだ彼らの根幹と呼べる程成熟しておらず、この先どのように成長に向けてシフトしていくのか分からない、というのが彼らの本音なのかもしれません。
実際に私はキャッシュレス社会の到来を待ちわびている数少ない人間のうちの一人ではありますが、世の中全体を見渡すとまだまだそんな雰囲気は無く、現金中心の社会であることは間違いありません。
つまり、PayPayが成熟していないというよりも、社会がキャッシュレスに追い付いていないので、この先も見通すことが難しいということなのだと思います。
次に、コミュニケーション(LINE)と決済(PayPay)で、どちらが現時点の社会、あるいはこれからの社会において求められているものか?ということですが、明らかに前者のコミュニケーションの方が必要不可欠なものであると思います。
決済はあくまで手段であり、PayPayにしてもLINE PAYにしても手段の手段であるにすぎないということ。ユーザからするとどちらで払おうが関係ないということ。これは大勢の人がそうなのでは無いだろうか。
私自身はヘビーPayPayユーザではありますが、PayPayに拘りは無く、ただただ単純に加盟店舗数の多さによって選んだに過ぎません。
とすると、時間の経過と共に、各Payサービスの加盟店舗数もどんぐりの背比べとなって、ユーザがどのPayを使うかの判断基準はどうなってくるのでしょうか?
楽天のような巨大な経済圏なのか?還元率の高いサービスなのか?
私はLINEというコミュニケーションハブが基点となり、メッセンジャーを通して決済という手段を介したサービスが決め手になってくるのではないかと思っています。
発表内容は少しお粗末な気もしましたが、このように「誰かへ」あるいは「誰かと」、「みんなで」といったコミュニケーションを軸に決済手段は選ばれていくものだということになります。
主役はLINEになり、PayPayは黒子となる。PayPayというブランドは現時点ではトップシェアではありますが、主役のLINEがおりながらPayPayというブランドを残していく必要はあるのかどうか。
仮にLINEの中に(LINE WALLET)、PayPayのミニアプリが鎮座することになったとしても、果たしてそれは「PayPayへ統合」とうい考え方が正しいのではなく、「PayPayはLINEへ併合」という方がしっくりくると私は感じている。
さらに両社はスーパーアプリ化を目指しているはずですが、メッセンジャー機能は外せません。(しかし、中国においてはAlipayとWechatpayと、出自の異なる決済アプリが主流です。私の中では、PayPayとLINE PAYがそのような関係になってくるものだと思っていたのですが、まさか一緒になるとは。)
少し屁理屈じみた内容となってしまいましたが、来年の4月にはどのような結論が両社からは出されるのでしょうか。
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